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結果

 テストが明け結果が返された日。

 帰りにファミレスで結果見せ会おう会を開いた、が。


「「「「「せーの!」」」」」


 15、18、33、35、98


「よし、勝ったー!」

「はは、鈴に負けるとはね」

「な~に~」


「明里ちゃん頭いいんだね」

「美花さんもですよ~」

「そんなことないよ~。明里ちゃんのが頭いいじゃん」

「たまたまですよ~、たまたま」


 と、返ってきたテストの結果もとい順位に一喜一憂している皆さん(俺を除く)。


(なんでこうなった……)


 おかしい、おかしいぞ。

 隼、鈴がその順位にいるのは分かる。

 香野がそこにいるのも何となく分かる。

 だがな、だがな?


「須藤、お前頭良かったのか……?」

「うん」

「うんておい」


 俺の心の平穏が……。


「でも100番以内だって十分すごいよ」

「うーん……」


 実際100番以内というのは十分誇れると思う。

 1学年430人いるのだ。

 それは分かるんだが。


「お前らホントどうしてそんな頭いいんですか……」


 そういわれた当人達は自覚がないようです。はい。



 結果見せ会おう会なるものを終わらせ、駅前の自販機で何か飲み物を買おうとしていた時。


「永山君。参考書、買いにいきません?」


 と、須藤が誘ってきた。


「まじ?」

「まじです」


 やったぜ。

 勉強できる人のノウハウゲッツ。



 電車に乗り、数駅離れた大型書店に向かう。


「永山君。もう腕大丈夫なんですね」

「あぁ、うん。前回の検診で大丈夫だってね」

「良かったです」

「うん。ありがとう」


 そう言うと須藤は嬉しそうに笑った。


 いくらかそんな会話をして目的の駅に到着。

 電車を降り、本屋に向かう。


 ここでひとつ、俺は比較的歩くのが速い。

 歩くの速いね、とよく言われる。


 さらにもひとつ、俺は今早足だ。

 そうでもしないと須藤の歩くスピードに追い付けない。


 この人どんだけ歩くの速いの?

 やばいわ。



 そんなことを考えていたらいつの間にか本屋に着いていた。

 本屋に入り、参考書のコーナーに向かう。


 途中、他校の男子生徒に


「カップルで来てやがるぞあいつら」

「うわー、俺たちを笑いに来たんだー」

「最低だな」


 と、言われた。

 もちろん、勝手に会話を聞いただけだが。

 だけど俺は優しい。ひとつだけ言おう。


 お前らがモテないのそうゆうところだと俺思うよ。


 そんなこんなで参考書コーナー。

 あれがオススメですよ、とかこれはどう、とか議論の末3冊買うことにした。高かった。


 本屋を出て、駅に向かう。


「いやー、結構したなー」

「そうですね。私も結構しました」


 と、会話は続かない。

 ま、いいんだけどね?


 駅に着き、須藤から


「じゃ、またね」

「おお、じゃあな」


 バイバーイと手を振る。

 最初は戸惑っていたが、最後は小さく手を振り返してくれた。


「1つ、いいですか?」

「なんだ?」


「永山君ではなく、健君と呼んでもいいですか?」


 ほお。

読んでくださりありがとうございます!

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