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騒ぎと生徒会

 クラスのやつの視線が以前こちらに刺さる。


 またお前か。


 たらし。


 そういったものだ。


 別に辛いことはない。


 というのは、嘘だ。

 むしろ、さっさと終わってほしい。


 なのに、なのにさー……。


「永山君、永山くーん」


 と、ニコニコこちらに手を振るのだ。


(悪魔かな? 悪魔なのかな?)


 俺は、無視を決め込む。


 すると、


「健? これはどういうことかな?」


 と、横からニコニコ話しかけられた。

 こちらにも、悪魔がいるらしい。


 前、横には、悪魔。

 周囲からは、非難の視線。


 ニコニコ。

 ジー。


 耐えられなくなってもう逃げようかと思ったその時、


キーンコーンカーンコーン


 と、チャイムが鳴った。


 クラスのやつらは、席に着いていく。

 もちろん、2体の悪魔も例外ではない。

 だが、


「あとで、たっぷり聞いてあげるから」


 怖すぎです、鈴さん……。


 その後、ホームルームでは、須藤の自己紹介が行われた。

 その時の視線は怖かった。

 授業はつつがなく進んだ。

 そして迎えた、昼休み。

 いつも通り鍵を借りて、屋上に向かうとそこは、戦場だった。


「あなたは何なの?」

「うーん、運命の相手?」

「はあ!?」

「冗談だって、冗談。ホントは、ただ、病院のベッドが隣だっただけですー。そういう君は何なの?」

「うっ。わ、私は……!」

「私は?」

「彼の初恋相手よ!」

「へ、へー!」


 やばい、帰りたい。

 よーし、逃げよう!


 と、思い階段を下ろうとすると、


「何逃げようとしているのかな?」


 なんとそこには、笑顔の鈴さん、隼、生徒会長がいるではないか。


 こんなに笑顔が怖いと思ったことはそうそうない。


 結局、その3人に連れられ屋上で俺は、質問攻めにあうのであった……。


 怒涛の質問攻めをなんとか終わらせ、昼飯も食べ終わったので、気になっていたことを口にする。


「で、なんで生徒会長がここにいるんですか?」

「いや、ただ君の左腕の状態を聞きに来ただけなんだが」

「それなら、俺が鍵を借りに行ったときに聞けばよかった気が?」

「あはは……」


 こいつ忘れていたな。


「まあ、腕なら大丈夫ですよ」

「ならいい」

「ですが、なぜ?」

「ああ、君は確かどこの部活にも入る気はない、と言っていたな?」

「ええ、まあ」


 嫌な予感がする。

 確か、この高校って……。


「なら……」


 と、会長はそこで言葉を切り、



「生徒会に入る気はないか?」



 やっぱり。


「「「え?」」」


 隼以外の3人は戸惑っている。

 当たり前だ。


「でも、生徒会って1年生の1学期からなれるものなんですか?」


 と、香野が聞く。

 まあ、普通はそう考えるよな。


「なれるよ」


 隼が答えた。


「他の高校は知らないけど、僕たちの高校は、そうだよね、健?」


 はあ。


「ああ、確かにそうだ。ここの生徒会則的には、生徒会に入れる能力を持っている奴は生徒会長の推薦と、他の生徒会役員の半数の賛成があれば入れる、はずだ」

「その通り、よく学習している」

「褒められるようなことでは……」

「いや、普通そこまで見ないから」


 そうなのか?

 まあ、いい。


「で、どうして俺を?」

「生徒会に入る能力を持っていると、私が考えただけだが?」


 そう言われると弱い。


「まあ、そういうことなら」

「え、永山君入るの?」


 と、香野。


「いや、まだそうと決まったわけじゃない。第一、俺が半数の賛成をとれると思うか?」

「確かに!」


 そんな笑顔で言うことでもねえよ。

 傷つくぞ? 俺。


「うむ。では一週間後、答えを聞かせてほしい」

「分かりました」


 ひとまず、そこでは話が終わった。


 そこから一週間俺は悩んだ。

 主に授業の暇つぶしに。

 そして、結論は出た。


「会長、俺、やります」

「ほう。どうゆう心境の変化かね?」

「ま、どうせ信任で落ちるでしょうし、やるだけやってみようって感じですかね」

「うん。それでもいい。では、信任投票は1週間後の今日。いいな?」

「はい」



 それが、1週間前のこと。

 で、今が……。


「よって永山君、君が生徒会に入ることは、認められない!」

「なんで!?」


 副会長の言葉にすぐ反応したのは会長。


 なに言ってんだこの生徒会長。








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