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5話 フードコートの決戦

誤字等ありましたら報告よろしくお願いします。

また、ついでにコメントするか〜って気分になりましたら是非!




流石の真仲が黙り込んだところで友達が何人いるのかという話題はきっぱり無くなった。


代わりに諒平唯一の友達についての話が始まった。


場所はスーパーのフードコート。

買った商品が食べれるフリースペースではあるが、真仲の買ったものが完全に晩御飯なのでさすがの諒平もインスタント麺を食べる気にならなかった。


「双葉 千津さんですか〜女の子みたいな名前ですね」


「いや女の子だよ」


「え!?辺野さんの友達って女性ですか!?」


「まぁ僕は女の子として見てないけどね……正確には見えないんだけど」


昼間からフードコートでお喋りする主婦はいない。

これは一部のマダムを除いてだが、真仲が人目を気にせずに大声でリアクションする為諒平は目立ってしまう事を気にしてなかなか会話が続かない。


「真仲さん声……」


「でも辺野さんが女の子と友達だなんて……!どんな人なんですか!?」


「まだ出会って2日なのにそこまで偏見が……ショックだ。……千津は幼馴染です。」


幼馴染。

それは朝起こしにきてくれる特別な存在。

それは互いが互いを異性と意識しながらも、幼馴染だからとドギマギした関係を継続させ最終的にはお付き合いエンドを迎える。


というのは架空の話で実際は違う。

諒平と千津の関係はドギマギしてない。

少なくとも諒平は千津を異性だと意識していないのだ。


「何で異性として見れないんですか?千津さんって可愛いんですか?名前がまず可愛いんですが……」


「小学校から一緒だったけど、千津の親父さん富豪でさ……お嬢様ってわけです。」


「ほうほう」


「その上ちょっと容姿が良いからって僕にいつも得意気で、あたしは何でもしてあげられる〜とか、あんたはあたしが面倒見ないと生きていけない〜とか。僕にずっと引っ付いてくるし……」


「…………」


「小学生の時から一緒に寝たりしていたものだから、まったく異性として見れなくなりました。」


「え……。理由は一緒に寝ていたからってだけですか!?」


「はい、後はずっとくっついてくる、ですね」


諒平を鈍感な人、とひっそり思いながら、逆に千津が諒平に好意を持っている事に気づいてしまった真仲であった。

と、同時に真仲は千津に物凄く会いたくなった。


「辺野さん……今日私を案内するのやめましょう。また別の機会でも良いので。……千津さんとは連絡とってますか?」


「え……案内いいの!?……あ、千津からは週一で電話かかってきますけど……」


「ちょっと携帯貸して下さい」

「嫌な予感がする」


自分の携帯を飲み込む覚悟を決める諒平。

食道に手を突っ込んででも千津に会いたくなった真仲。


決闘は諒平の携帯がバッドタイミングかグッドタイミングか、勢いよく鳴り出した事で勃発した。


例えるなら真仲はライオン。

一方の諒平はガゼル。


結果は目に見えていた。

何故ならここは草原でもサバンナでも無いからだ。


携帯が5度宙を舞ったところでスーパーの店長から追い出される事になり、諒平と真仲はトボトボと反省しながら帰路に着いた。


結果はスーパーの店長と真仲の勝利。


真仲が千津の携帯番号を暗記したのだ。




真仲の携帯から直接電話されるのを避けたい諒平が自ら降伏し、今晩電話をかけることになった。



「真仲さんどれだけハイスペックなんだ……」


「女の子はみんな恋愛が大好物なんです!」


「だから僕と千津に恋愛感情は無いんだって……」


「辺野さんに友達いない理由がわかった気がします」


「走って逃げた場合僕は逃げ切れるのかな」


「無理ですね。私が。」


「あ、追いつけないんだ。でわ失礼」


「先日はどうも、辺野さん」



先日はどうも!

真仲さんの満面の笑みと言葉には金縛り効果があった。

諒平は自ら真仲の守護霊を買って出て背中に張り付くように歩く。


場所は真仲の部屋になった。

はじめ、諒平の部屋に入ろうとしたが真仲が掃除機を持ち込んだ時、諒平が真仲の部屋に行こうと本人たっての希望で移動したのだ。


「わくわく!」


「ガクガク」


双葉 千津と書かれたアドレス帳から電話をかける。

諒平が自ら電話をかけることは初めてなので、諒平の顔から生気は失われていたが、隣の真仲はイキイキとしていた。




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