今宵の出会い
みんなが部屋に案内されたあと僕はというと、団長とお風呂に入っていった。は?と思うかもしれないが、団長が僕に話があるという事で残っていると、
「お前は名は何という?私は、ローレンツ・ハインリッヒという宜しくな。」
「神道 アイといいます。こちらこそよろしくお願いします。」
「そうか、アイというのか、こんな所では話しにくいだろうから大浴場にでも一緒にどうだ?」
という感じの流れになって、今に至る。
そして何だかんだ仲良くなり、最初は心配して近づいてきたらしいが、僕の「魔法が使えなくても何とかなります。」という言葉を聞いてそうかそうかと頷きながらもう大丈夫だと思ったのか、明日からは、厳しくいくぞっと言われた。
その後も元の世界の話しを聞かせてくれと頼まれて色々と話した。
「そろそろ上がるか、のぼせてしまう」
「はい、そうですね」
そういって僕達は大浴場から出た。
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大浴場から出るとメイドに自室に案内された。
部屋の扉を開けそこに広がったのは、価値が分からないほどを美しい配色と可愛らしい少女が妖精?と戯れている絵画が立てかけておりひとときの間目をはなすことが出来なかった。そして、他に視線を移してみるとこれまたビックリ、キングサイズのベッドがあるではないか。
よく分からないが有難く使わせてもらおう。
自分の身には合わないほどのベットの中央で、アイは目を閉じた。なれないベットなはずなのに、落ち着くなんだろうこの気持ち。
アイは、今日の出来事を鮮明に思いだしながら、疲れを癒すように泥のように眠った。
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「今宵の月は綺麗だ」
月を愛で片手には酒が入ったグラスを持ち、ほろ酔い気分で思い出す。魔法使用不可の少年を神道アイを。彼はとても心の強い人間だと思った。大浴場での彼の目、言葉からとても強い何かを感じてしまった。故に彼には興味がある。
ローレンツ・ハインリッヒ彼が神道アイの本当の強さを最初に理解した人物であった。
月明かり指す窓辺に、グラスをそっと置き彼は床につく。グラスに入った氷が立てる音を聴きながら
カラン……