真実の瞳
戦争をする以上誰がどの程度の力を持っているか、どのようなスキル、職業を持っているかを調べるため現在、僕達は大きな水晶の前に立っていた。この水晶は、”真実の瞳”というもので太古の昔にある人物作ったとされている。俗に言うアーティストというやつらしい。
そして、僕達の前に腕を組んでいかにもナイスガイ感が出ている中年の男がいた。この男は、ユーム王国騎士団長兼僕達の指導係りで名前はローレンツ・ハインリッヒという。騎士の中の騎士みたいな雰囲気を感じるな。彼が水晶の前に移動して言った。
「今から、この水晶”真実の瞳”で能力値、スキル、職業を調べてもらう。測り方は、水晶に手を当てるだけとまぁ簡単な作りになっている。他に質問等があったら俺のところに来い。以上」
彼の言葉のあとに、続々とクラスの皆は水晶に向かった。しばらくして、
「ねぇ?行かなくていいの?」
真衣が僕に話しかける。
「混んでるから後でいいよ。それに「「「ぉぉぉぉー」」」ん?」
僕が話している途中で歓声が上がった。
何だ?と思い視線を向けてみると、そこには学校で1番イケメンと言っても過言では無い少年が騒ぎの中心にいた。彼の名は矢口 琉聖という。
彼の手をかざした水晶の中には……
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矢口 琉聖 17歳 男
Lv:1
職業:勇者
体力:500
筋力:500
魔力:500
耐性:500
敏捷:500
魔耐:500
スキル:聖剣召喚・聖剣補正大・全魔法適性・言語理解
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え?完全にチートじゃないですか?イケメン死すべし。ちなみに一般兵士Lv.1ではオール100ぐらいで、平民はオール50らしい。Lv.1からオール500ということがどれほど凄いか理解頂けただろうか?まさにthe チートですね。
まるでゲーム見たく表示されるそれは1点に集まり、発光しながら球体になった。そして聖夜の胸に入っていった。これから念じればステータスが自分の前に現れるようになるらしい。
一連の騒ぎが収まった頃再び測定が始まった。
”勇者”の他にも”聖女”などが出てきており度々騒ぎになった。そして”聖女”に選ばれたのは真衣だったので僕はビックリしてしまった。本人が1番ビックリしている様だった。
僕の番だ。アイは手に汗を握りながら水晶へと近づき手をかざした
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神道 アイ 17歳 男
Lv:1
職業:非魔法使い
体力:250
筋力:250
魔力:計測不能
耐性:250
敏捷:400
魔耐:300
スキル:魔力カンスト・魔力操作・全魔法適正・魔法使用不可・言語理解
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表示された
これはとてつもないチートだ……ん?魔法使用不可って不味くないですか?魔力カンストしてても魔法使用不可なら意味無いじゃん……やばいこれは、絶対に面倒ごとになる。
案の定
「何だ?アイのやつ魔力カンストしてんのに魔法使用不可って、それに非魔法使いって全く戦争の役に立たないだろ。」
角中 星矢が絡んできた。その取り巻きもあとについて来ていた。その後僕は、さんざん馬鹿にされて”最弱”として認識されるようになった。クラスの皆からも笑い声が聞こえる。
「自分が良いステータスだったからといって、自分より劣るものを虐げる様な行為は仲間として最悪の行為だぞ!!」
ローレンツが皆を止めた。その後、明日から訓練を始めるということを伝えた。僕は団長の指示でこの場に残り、クラスの皆は案内人メイド?に案内されて用意された自室へと帰って行った。