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ウラヌールの宿屋さん ~移住先は異世界でした~  作者: 木漏れ日亭
第一部 第五章 ウラヌールの町。
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北大路。

 コトちゃん回ですが、


 すみません、領府まで来てまた足止めくらってます。。


 話のふくらみが増えたと思って、あったかあ~いお気持ちで読んでいただけたらと。はい、ジャンピング土下座っ!

♪♪♪


 私たちが歩いてきた大きな道は、名称がまんまの「北大路」。どっかで聞いたことがあるようなないような。

 他の方角のもおんなじように名付けられていて、すべてがそれぞれの外門へと繋がってる。


 パパが人通りの少なさと、お店の数があんまりないことをファスタくんに尋ねると、なんだか浮かない顔になってここでは詳しく話せないから、領府に着いてから話してくれることになった。


 そういえば、こっちに来てからウホイさんたちや、フィルフィリちゃんたちとの出会いやマイヤさんとびっくりな形で知り合って。

 歌ったり踊ったり、楽しい思い出がいっぱい詰まってる旅だったけど、よおく考えると大変なことにけっこう巻き込まれてるんだよね。旅に出る前から。


 

 まず会社が倒産することで、お家を出なければならなくなったこと。

 仕事を探してるうちに、パパの不思議な『力』やカードさんたちとのやり取りから、職安の求人、急募を目にして、家族でやろう! ってことになって。

 大好きなよっちゃんとの別れ。

 やってきた途端変な場所に着いちゃって、ウホイさんたちに出会うまで、ずっ~と辛い道のりを歩き続けた。

 旅の仲間が出来て、楽しいこと、嬉しいことの合間には、湖がゾーンのせいで色を無くされてしまい。

 その後も、知り合った穴掘りグマさんたちの憩いの場だった甘笹の森がおかしくなっちゃってて。これ、絶対ゾーンの仕業だよね。ひどいことするよ、大嫌いだ。

 それからみんなでトンネル掘り。


 ほんと、振り返るとあっという間だけど、ものすごお~く濃い旅だったあ。ふう。



 そんな振り返りをしてる間に、町の中央付近にやってきた。


 領府は町の真ん中に、で~んっ! とそびえ立っている、あの尖塔の足元にある建物で、四方をぐるりと囲むように造られていた。


 この領府の周りを、これまたぐるりと太い道が走っていて、全部の大路と繋がっている。

 すべての大路が領府の建物にぶつかるところに、建物をくり抜いたみたいに門があって、その門を抜けると広い中庭があるそうだ。

 その中庭の一部にファスタくんが住む、領主館があるんだって。面白いね、異国の町並みって。


 北大路から見える領府の建物は、なんだか寂れた感じがした。

 あんまり手入れがされていないみたい。ところどころ痛んでるし、石壁なんかも漆喰かな? 剥がれちゃてるし。


 それにしてもかなり疲れが溜まってきてる。私はまだ良い方だけど、パパは荷車をずっと押していたりするから、体力的にも辛いはず。


 ママは……あ! お顔がふるんっ? から、へにょん……。 って感じに! どんな感じだ。

 たぶん、極度におなかがすいてると見た。そこで私は、


「はい、はい、はあ~いっ!」


 と手を上げて元気よく声を上げた。


「ど、どうしたの、コトちゃん?」


 急でびっくりしたのか、ファスタくんが飛び上がる。ごめんね?


「うん、ちょっと小腹がすいたかなあなんてね」


 言いながらおなかをすりすりすると、ファスタくん、私のおなかをガン見した。な、なによっ!


「おお、それは気がつかなんだ。悪かったな、お嬢さん」


 ナダー隊長さんだっけ? 大きな声で、この辺りに食事が出来るお店がないか、隊員さんに聞いてくれている。


「あ~隊長お。自分、住まいが北三条なんで、この辺はよく知ってますよお」


 そう一人の隊員さんが声を上げてくれた。


「おお! ロンロか! うむ、ではどこか手頃な店を案内して差し上げろ。もう町中であるし、護衛も必要ないだろう。お主ともう一名でお供し、終わられたら府内にお連れしろ」


 そう言って他の隊員さんを引き連れて、私たちに挨拶すると馬を引いて行ってしまった。即断即決の人なんだね。


 ロンロさんは、私たちを見てのほ~んとした笑顔? で、


「どんなものが良いのかなあ? がっつり系か、ちゃっかり系か、うっかり系か」


 ロンロさん、それ違うと思うよ……。


「あんまり待たないですぐ食べられて、しっかり栄養になるものがいいな」


 そう私が言うと、ロンロさん少しうんうんしてからポンって手を打った。


「それならあ、ヤクンドんところの串焼きかなあ。行ってみるかい?」


 ママの方を見ると嬉しそうだし、良いんじゃないかな。


 あれ? なぜかファスタくんがわふわふしてるよ、って言うか、なんで残ってるの?


「ファスタくん? 隊長さんと一緒に行かなくて良かったのかな?」


「なにを言うのさ、コトちゃん! コトちゃんを置いて行ける訳ないじゃないか。僕は父上からくれぐれもコトちゃんを守るようにいわ……」


「はいはい、みんな行くぞ! ロンロさんだっけか、案内頼んだぞ」


 パパがたまらず横やりを入れる。ファスタくんはしょぼ~んってなってる。でも離れないで付いてくるところは、ほんとにわんちゃんっぽいなあ。

 ということでごさいまして、


 お読みいただき感謝を!


 そして、中途半端に話を止める作者をお許し下さい。


 次回は間をあまり置かずに出せると……いや、あまり明言すると、またフラグ立ちそうなんでこの辺で。ふう。

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