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ウラヌールの宿屋さん ~移住先は異世界でした~  作者: 木漏れ日亭
第一部 第四章 ウラヌールへの道。
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【閑話】マヤル・ハヤームの弁明。

 閑話? 状況説明? これでこの章は終わり。次回からウラヌールでのお話、つまりようやく本題に入っていきます!


【追記】今回は異例の、葉山さん、もといハヤームさん回です!

 『船運び』屋のパルノから、急ぎの連絡が入ったのはお昼も少し回ったところだった。


 その内容といえば、どうにも要領を得ないものだった。かなり動揺しているらしく、しゃべる言葉の合間にわんきゃんなどと入るために、なかなか話が進まないのには閉口した。


 その内容をかいつまむと、こういうことだった。


 

 まず『船運び』する天国家の中に、文章さん以外に『力』を持ったお嬢さんがいたこと。


 そのお嬢さんが持つ『力』はかなり太いもののようで、当初予定していた量のクリスタルでは『船運び』そのものが失敗する恐れがあるとファルノが心配していたということ。


 『船運び』する先のウラヌール地方は、あの『色なしの悪魔』のせいで不安要素もあることから、早く送ってしまった方が良いとパルノが判断して送り出した結果、『力』の引っ張り合いか他の原因があるのか判ってはいないが、送り先であるウラヌールの『船運び』屋には着かなかった。

 これは、しばらく経っても来ないことをいぶかししく思ったウラヌール側からパルノらの方へ手紙が届いたことで判明した。


 つまるところ天国家の家族三人は、日本国から移住した先のロストール王国に移住できずに行方不明になったままだということだ。



 私は、久しく戻っていなかったロストールへと戻って、この事態の弁明をせざるを得なくなってしまった。とんでもないことになってしまったと思う反面、ああ、そういえば文章さんにもいろいろいわくがあったからなあと思い返した。


 タロットカードを通じて、私の配属されていた職業安定所に来るようになり、いろいろと相談にも乗っていた手前、無碍にも出来ないだろう。



 パルノらの店からウラヌールの店へ。そこから領府へと赴き、以上の内容を報告した上でこちらには不備がなかった旨、弁明をした。


 領府ではこの事態を重く見て、巡察使の派遣と領内各地に捜索調査に当たるようお達しが出ることになった。私はすぐさま日本に戻り、情報の流出阻止と事態の収拾に当たることになった。と言いはしても、なにも出来ない。情報があがってくるのを待つばかり。


 どうやら捜索は行き詰っており、行方は依然として掴めないまま三週間が過ぎようとしていた。



 もう情報も隠しておけない。そう判断して行動に移そうとした矢先、情報が入ってきた。それには、


 天国家の家族は、ウラヌール地方領から遠く離れた山脈裏側の、打ち捨てられた『船運び』屋に運ばれてしまいそこから自力で旅をして、途中異種族を仲間として旅を続行。なぜかウラヌールにいたはずの巡察使を一人連れて、山脈のウラヌール側に突如出現したトンネルを抜け、領府に報告に上がったという事だった。



 もうなにがなんだか訳が判らない。



 なんでそんな場所に運ばれたのか?


 どうやったら異種族の連中と旅を共にするようなことになるのか?


 巡察使が『船運び』を介さないで山脈の裏側に運ばれていた?


 トンネルがこんな短期間に出来るはずがない!



 やぱっり天国さん、あんた持ってるよ。

 

 良い意味じゃなく、呪われているんじゃないのかってくらいに災難に巻き込まれる運をね。

 え~、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。


 なかなかタイトルに近づけず、作者冷や冷やしておりましたが、登場人物たちに助けられようやく本筋に入ることが出来そうです。


 どうぞ今後も、本作をよろしくお願いいたします♪

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