向こう側へ行くには。
向こう側に行くためには、山越えは厳しそう。どういう結論に達するんでしょうか。
【追記】コトちゃん、追記するの疲れたよお。
がんばってくださいっ、元はと言えば作者さんがきちんと説明しないからですよっ!
ごめんなさい。
登場人物に叱られちゃいました……。
♪♪♪
目の前にそびえ立つ、山の連なり。とお~っても高くて険しそうだけど、なんだか印象は柔らかな感じがする。不思議。包まれてるって思える。
そんな山々の裾野で、私たちはどうしたもんかなあって頭を抱えていたんだ。
ゼおじいさんのお話によると、やっぱり私たちみたいな女子供には山越えは無理だって。
山の途中まではジグザグ道を進めるけど、けっこう急だし天候も変わりやすいらしい。遭難でもしたら大変だもんね。危ない危ない。
ロストール王国は大きな大陸の西側にあって(こっちでも方角はおんなじ東西南北なんだって。わかりやすくていいね)、地図で見るとかなり上、つまり北の方に位置するみたい。
今いるのは王国の、さらに北の方。山脈で隔てられてて、大きく迂回しないと来られないから人があんまり住んでいないんだって。
そのぶんウホイさんみたいな人たちや、フィルフィリちゃんみたいなクマさんたち、人間とは違った人たちが住んでいる。
私たちが宿屋を営むことになるウラヌールは、ゼおじいさんによると山脈の反対側、つまり南側にあって、山から続く丘の道を降りていくと、半日くらいで着くんだそうだ。
なんにしても、この山脈をうまあ~く攻略しないといつまで経ってもウラヌールに着けない。
そこで、いちるの望みをかけて私はフィルフィリちゃんに尋ねた。
「ねえ、フィルフィリちゃん?」
「なあに、コトちゃん?」
くりんとしたおめめで、きょん? って感じで首を傾げる。
フィルフィリちゃんのお鼻は、黒くてやわらかそうで、ちょっとしめってしてる。
はあん♡
おててをもじもじさせて、私を見上げる。そのおててを両手で挟んで、目を見ながら尋ねる。
「フィルフィリちゃんたちのおててに付いている、このおっきなツメってもしかして、土を掘ったりするためのものかな?」
「うん、そうだよ! わたし、まだまだすこし。でも、パパママ、ざっくざっくほれるの。すごいの!」
私はやた~っ! とばかりにガッツポーズをした。すぐ脇で、パパもおんなじポーズをしてる。真似しないでよねっ、パパ。
ゼおじいさんが、なぜか訳知り顔でにやにやしてる。そのお顔は、すこおしだけあのゾーンのにやにやに似ててなんかやだ。
気にしないようにして、私はコルドレさんの方を見やる。
「コルドレさん。あのね、コルドレさんなら、この山にトンネルを掘ったりして向こう側に行ける道、造ったりできますか?」
「とんねる? ほるの、かんたん。コルドレ、あなほりグマ。あまざさのもり、いちばん、あなほりうまい!」
おおう、そのものずばり、穴掘りグマさんだったよ!
これは、かなり期待できるんじゃない? ゼおじいさんやウホイさんの手引きとはいえ、出会いに感謝しなきゃ。
でもコルドレさん、しょぼ~んってなってる。
「コルドレ、あなほって、コトちゃんたすけたい。あたらしいあまざさのもり、いきたい。でも、いけない」
「どうして?」
「あなほりぐま、ひとりはだめ。みんなであなほる。やすむ、あなほる。すると、あなすぐできる。がんじょうなあな」
そうだよねえ、コルドレさんやイルマリさんだけじゃあどんなに頑張っても無理がありすぎる。なんて私ったら自分勝手なんだろ。
そんな自責の念? にかられてる私に、ゼおじいさんがアドバイスをくれた。
「こういう時こそ、わしやそなたの父の出番じゃとおもうがの。どうじゃ?」
そうだよね、私一人で悩んでてもしょうがない。ここはひとつ、パパに頑張ってもらおう。
「パパ、どうしたら良いか占ってくれる?」
「よお~っし、コトちゃんのお願い叶えちゃうよっ! 任せてちょんまげ~♪」
……ゼおじいさんが、つめたあ~い目でパパを見る。ママには受けたようだ。よかったよかった。
場を作り、パパが引いていくカードさんたち。そのカードさんたちが一つの図形のように配置されている。
◇◇◇
ヘキサグラム。
いわゆる六芒星の形にカードを配置する。現在の状況からどのように対応すればよいか、道を指し示してくれる。ひとつの事柄に対して占うのに適した展開法だ。
中心に置かれたカードはまだ伏せておく。過去、現在、未来とカードを正三角形に置いていき、逆向きに今度は対策、願望、環境とする。
現在の位置に、『月』が出ている。道はあれども、長く険しい。惑い危ぶむ。
対策をみてみると、『審判』のカード。天上からの笛の音は、新たな世界への福音。棺から立ち上がる者は、口々に歌を奏でる。言祝ぎ、幸いあれ。
中心の伏せていたカードをめくる。
『太陽』だ。幼子が、壁のこちら側で日の光を全身で浴びている。本来は向日葵が描かれているが、今は甘笹と紫色の花。なんだろうか。
「どう、なにかわかった?」
そうコトが聞いてくる。
「ああ、判ったよ。結論から言うと、トンネルが完成して、向こう側に甘笹の森が見えたよ。」
コトがママとハイタッチしている。
「ただ、やんなきゃならないことがある」
それはなにすればいいの? と尋ねてきたので俺は、
「ライブショーをやろう♪」
と言った。
お読みいただき、感謝です~♪
と言うわけで? 二、三お詫びを。
新キャラ登場みたいにだいぶ前に書きましたが、まだ現場に到着しておりません! もうしばらくお待ち下さい。
前回、かなり説明が入りまとめすぎ?もしかして締めるつもり? と思われたかもしれませんが、安心して下さい、今のところここまでで、本筋の一割も消化してませんから♪ はい、つっこみはなしで。ずびばぜん。。
もひとつ。どうしても遅い時間の更新になっちゃいます。ご容赦を。
取り急ぎ、ここまで!
次回もよろしくお願いします~♡




