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ウラヌールの宿屋さん ~移住先は異世界でした~  作者: 木漏れ日亭
第一部 第二章 町で、宿屋さんを営みませんか?
18/104

家族会議。

 ふう。


 家族会議っぽくない回ですが、後に続く回なのでよろしく読んでやって下さい♪


 【追記】今回も、パパさんのみです。作者楽してないですよお。はい。

◇◇◇


 俺が座ると、二人して


「今度のお仕事はなあに?」


 ってハモった♪


 うん、もういいや。いろいろ考えたけどうちの家族、暗いの合わないからな。


 俺は、コピーした紙をテーブルの上に置いた。くるっと二人の方に向けて。


「どれどれ~? ん? 宿屋さん、急募だって!」


 目の前で、二人がハイタッチして踊り出したぞ?


 どゆこと? どぅゆうみん?



「コトちゃんコトちゃん! 宿屋さんだって! 家族大歓迎でだって~♪」


 咲耶がふるんふるんして(おなかすいたのか?)喜んでいる。


「ねえパパ。これ、魔法の求人だよね? 内容が変な字になってて判らないね」


 殊の外冷静に、コトが指摘をする。そこで改めて、咲耶も紙を見直し始めた。


「確かに変な字ねえ。見たことないわ。パパは読めるんでしょ?」


「いいや、ち~っとも。ってそんなにしょぼ~んってしないでくれっ! すみませんごめんなさい」


 なんだか、咲耶の期待を大きく裏切ってしまったみたいだ。

 俺も一緒にしょぼ~んってしていると、コトが口を開いた。


「パパ、カードを出して。全部ね。それで、その中から文字や言葉に関係するのを選んで」


 俺はポーチさんからカードを普通に取り出して(しゅんっ。)、一枚のカードを選び出した。


「『恋人』。象意は、『通信』、『言語』、『交流』だ。」


「もう一枚、隠者のおじいさんもお願い」


 なんとなく、コトの意図が分かってきたぞ?

 ほいきたとばかりに、俺はカードを取り出す。


 じいさん……気持ちいいか?


 道端の岩に寄っかかり、鹿革のロングコートを毛布代わりに寝てやがった。

 ランタンの灯りは、煌々とした状態のままだった。元々着ていたローブを、枕にしてうっつらうっつら。


 うっつらうっつら。


 うっつらうっつら。


 ハッ! っと立ち上がって辺りを見渡し、俺と目が合った。そらされたよ。

 咲耶には驚いたような顔をした後、丁寧にお辞儀をする。それを見た咲耶は、まあっ♪ と嬉しそうだ。


 コトに対しては……もういいや。じいさん、あんた犬かなんかか? しっぽ生えるぞ。


 そんな感じの隠者のカードと、恋人のカードをじっと見比べて、コトはこくんと小首を傾げた。


「出してもらったのはいいんだけど、どうしたらいいんだろ?」


 そりゃあ戸惑うわな。初めが上手くいき過ぎたんだろう。こういうのは、ノリと勢いが必要なんだ。


「まあ見てろよ、さっと解決してあげるからな!」


 俺はそう言って、隠者のカードをテーブルの角に沿わせた。



 とおりえないみち


 ふさがれしばしょ


 あかりもてこうこうと


 みちをつくりみちとなせ



 これでこのテーブルの上に、場が設けられたはずだ。


 隠者のカードを場に残し、恋人のカードを真ん中に置いた紙の上方に置いて今度は、



 ここにできたみち


 もじことばをてらしだし……


 りかいさせ……



 なんとか続けようと思ったが、俺はがっくりと肩を落とした。



 ダメだ。息が続かないし、頭もガンガンする。なにも考えられなくなって、目を閉じた。


 俺の『力』はやはり少ないようだ。



♪ とどけたいんだ


  きもち こころ おもい

 

  ゆめ きぼう あいすること


  なにができるかわからない


  なにもできないかもしれない


  あがいて


  もがいて


  なやんで


  やらないよりいい


  きもちはれるから


  けんめいがむしゃら



  とどけ!



 うたが聞こえた。


 それは拙いうたで、

 けして巧くないうただけど、


 伝わる気持ちが心地いいものだった。


 ああこの詩は、コトがこないだ読ませてくれた詩集の中にあったものだ。


 今のこの場にぴったりという訳ではないけど、気持ちが乗っかったのか、恋人のカードに描かれている天使が指し示す先には、確かにこう書かれていた。


『せつなるおもいに みちひらく


 みちびきてのひ つきあかり


 いずれもがさす そのさきに


 やくそくの……』


 

途中で切れてしまったけど、おそらくはそういうことだろう。


 俺は二人を見据えて言った。

 お読みいただき、感謝です\(^o^)/


やや性急に話を進めてしまった感が。。


家族会議が終われば、いよいよ?

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