家族会議。
ふう。
家族会議っぽくない回ですが、後に続く回なのでよろしく読んでやって下さい♪
【追記】今回も、パパさんのみです。作者楽してないですよお。はい。
◇◇◇
俺が座ると、二人して
「今度のお仕事はなあに?」
ってハモった♪
うん、もういいや。いろいろ考えたけどうちの家族、暗いの合わないからな。
俺は、コピーした紙をテーブルの上に置いた。くるっと二人の方に向けて。
「どれどれ~? ん? 宿屋さん、急募だって!」
目の前で、二人がハイタッチして踊り出したぞ?
どゆこと? どぅゆうみん?
「コトちゃんコトちゃん! 宿屋さんだって! 家族大歓迎でだって~♪」
咲耶がふるんふるんして(おなかすいたのか?)喜んでいる。
「ねえパパ。これ、魔法の求人だよね? 内容が変な字になってて判らないね」
殊の外冷静に、コトが指摘をする。そこで改めて、咲耶も紙を見直し始めた。
「確かに変な字ねえ。見たことないわ。パパは読めるんでしょ?」
「いいや、ち~っとも。ってそんなにしょぼ~んってしないでくれっ! すみませんごめんなさい」
なんだか、咲耶の期待を大きく裏切ってしまったみたいだ。
俺も一緒にしょぼ~んってしていると、コトが口を開いた。
「パパ、カードを出して。全部ね。それで、その中から文字や言葉に関係するのを選んで」
俺はポーチさんからカードを普通に取り出して(しゅんっ。)、一枚のカードを選び出した。
「『恋人』。象意は、『通信』、『言語』、『交流』だ。」
「もう一枚、隠者のおじいさんもお願い」
なんとなく、コトの意図が分かってきたぞ?
ほいきたとばかりに、俺はカードを取り出す。
じいさん……気持ちいいか?
道端の岩に寄っかかり、鹿革のロングコートを毛布代わりに寝てやがった。
ランタンの灯りは、煌々とした状態のままだった。元々着ていたローブを、枕にしてうっつらうっつら。
うっつらうっつら。
うっつらうっつら。
ハッ! っと立ち上がって辺りを見渡し、俺と目が合った。そらされたよ。
咲耶には驚いたような顔をした後、丁寧にお辞儀をする。それを見た咲耶は、まあっ♪ と嬉しそうだ。
コトに対しては……もういいや。じいさん、あんた犬かなんかか? しっぽ生えるぞ。
そんな感じの隠者のカードと、恋人のカードをじっと見比べて、コトはこくんと小首を傾げた。
「出してもらったのはいいんだけど、どうしたらいいんだろ?」
そりゃあ戸惑うわな。初めが上手くいき過ぎたんだろう。こういうのは、ノリと勢いが必要なんだ。
「まあ見てろよ、さっと解決してあげるからな!」
俺はそう言って、隠者のカードをテーブルの角に沿わせた。
とおりえないみち
ふさがれしばしょ
あかりもてこうこうと
みちをつくりみちとなせ
これでこのテーブルの上に、場が設けられたはずだ。
隠者のカードを場に残し、恋人のカードを真ん中に置いた紙の上方に置いて今度は、
ここにできたみち
もじことばをてらしだし……
りかいさせ……
なんとか続けようと思ったが、俺はがっくりと肩を落とした。
ダメだ。息が続かないし、頭もガンガンする。なにも考えられなくなって、目を閉じた。
俺の『力』はやはり少ないようだ。
♪ とどけたいんだ
きもち こころ おもい
ゆめ きぼう あいすること
なにができるかわからない
なにもできないかもしれない
あがいて
もがいて
なやんで
やらないよりいい
きもちはれるから
けんめいがむしゃら
とどけ!
うたが聞こえた。
それは拙い詩で、
けして巧くない歌だけど、
伝わる気持ちが心地いいものだった。
ああこの詩は、コトがこないだ読ませてくれた詩集の中にあったものだ。
今のこの場にぴったりという訳ではないけど、気持ちが乗っかったのか、恋人のカードに描かれている天使が指し示す先には、確かにこう書かれていた。
『せつなるおもいに みちひらく
みちびきてのひ つきあかり
いずれもがさす そのさきに
やくそくの……』
途中で切れてしまったけど、おそらくはそういうことだろう。
俺は二人を見据えて言った。
お読みいただき、感謝です\(^o^)/
やや性急に話を進めてしまった感が。。
家族会議が終われば、いよいよ?