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ウラヌールの宿屋さん ~移住先は異世界でした~  作者: 木漏れ日亭
第一部 第二章 町で、宿屋さんを営みませんか?
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俺の言い分。

 さあ、パパさんサイドです。


 短めなので、さくっといきましょう!

◇◇◇


 おおっ?


 やべっ、こんな場所で異常行動とっちゃったよ。葉山さんがびっくらされていらっしゃる。


 ちょっとわざとらしい。

 絶対いろいろ知ってそうだ。なんだかなあ。


 まあいいや。さっきの現象に関しては、幸い横のブースとは仕切りがあるから、そんなに心配してない。



 それよりも羊皮紙に書かれている内容が重要だ。

 俺は、浮かび上がった文字に視線を落とした。



 さあ~~っぱりわかりまへん。


 お手上げですな、デカ長。誰のことだ?



 浮かび上がった文字は、見たこともないものだった。

 アルファベットではなさそうだし、ましてや漢字ではけしてないし。


 しかしなあ。見出しが『急募』で、その下には、『町の宿屋さんを営みませんか? 居抜きで即営業可、ご家族での移住大歓迎!』。

 なんでこれだけはしっかりと日本語で書かれているんだ?むむ。

 

 詳細が判らないのに、どうしろっちゅうのかねえ。とりあえず、ひっくり返したり裏返したり……、変わらん。


「葉山さんつかぬ事をお聞きしますが、こっからの文章、読めます?」


 曲がりなりにも俺に見せてきたんだから、なにかしら知っているだろう。


「う~ん、外国語はさっぱりねえ。三沢さん、これなんだけど、へ? 振るなって?そんなつめた、あ対応中? あ~こりゃこりゃ」


 あ~こりゃこりゃ。変な振り付けて手をひらひらさせてるよ、この人。



 仕方ないので、コピーしてもらうことにした。


 持ち帰って家でゆっくり、じゃないじっくり調べなきゃ。



 仕事先の分工場に戻る。


 車を駐車場に止めて、玄関ドアを開ける前からミシンを踏む音がリズム良く聞こえてくる。


 いくら消化試合みたいでも、きちんと縫製して検品して納品しなければいけない。会社が無くなろうが、製品であるスカートやパンツはお客様の手元に残る。


 縫い上がって検品済みのものを手に取り、形やタックの寝かせを調べる。しわ、よりがないか。ネームタグを見て、ちょっと悲しくなった。


 自分用の事務机に座り、作業進捗をスケジュールに入力。


 スケジュール、もう空白になってきてるよ。寂しいね。



 コトにはあの場でつい頼み込んでしまったけど、後悔がないとは言えない。

 場は作られてはいたけど、まだしっかり理解出来てない内の、『力』の行使には危険を伴うってことを誰よりも、一番俺が知っているのにだ。


 それにしても、あんなに巧みにカードを操るなんてな。径を繋がないで、いきなり話しかけるってありなのか?


 『力』に違いがあるのは判っていたけど、あれだけ直截的ちょくさいてきに行使できるコトを、このまま俺事に巻き込んでしまって良いのかどうか。


 俺自身は仕方ないとも思う。あいつがカードを託していってから何度となく窮地を助けられたし、咲耶とも出会えた。子供も産まれ、引き継がれることの大切さも知ったんだ。


 でも。だからこそ、家族を守りたいって思うんだ。


 俺は甘ちゃんだなと、自分を責めた。



 縫製が一段落し、カゴの中に色別サイズ別に分けて車に詰め込む。これから本工場に持っていかなきゃならないし、ここの撤退についてや、パートさんたちの処遇に関しても話し合わないと。


 あんまり人任せにするのは好きじゃないんだ。


 貧乏性だって言わないでね。と心の中でつぶやく。


 

 お読みいただき、感謝(´▽`)ノ


次回はママさんサイド……話ふくらむんでしょか? 心配です。


 ふるんふるんしててもらおうっ♪


 だめっすね。はい。

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