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ウラヌールの宿屋さん ~移住先は異世界でした~  作者: 木漏れ日亭
第一部 第二章 町で、宿屋さんを営みませんか?
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私って?

 こにちは~^^!


 書ける時に書けるだけ♪

こ れからぐ~んって動いていくお話の前に、家族それぞれの立場で状況を整理していきます。


 ではまいりますよお(^o^)/


 今回はコトちゃんだけの回。作者も楽だったりします(´▽`)ノ

♪♪♪


 お昼休みの騒動の後(私が巻き起こしちゃったやつね)、なんとなあくイタい視線を感じながら授業を受けてたら、よっちゃんがう~んう~んって頭揺らしてた。


 そらゃあそうだよね、普通ならあんな話、単なる冗談か夢物語だよね。ポーチはしゃべらないし、カードの絵は動かない。


 おまけにパパが占い師さんで、その力を頼りにお仕事を決めようとしてる。


 どう考えたって変な話だし、親友なら無理にでも止めさせるだろう。話しちゃってからじゃもう、取り返しつかないね。よっちゃん、嫌な思いさせてごめんね。


 授業が終わり、下校時間だ。


 私は生徒会に顔を出さなきゃならないので、席を立って一人教室を出ようとした。


「コトちゃん! ちょっと待って、一緒に行くよっ!」


 勢いよくよっちゃんが立ち上がる。私に向かって駆け寄ると、ひしっ! って左腕を胸の前で抱え込んだ。よっちゃん。


 いつものよっちゃんの、ゆるふわであったかい笑顔。左腕がやあらかな感触に包まれてる。


「よっちゃん、好きっ!」


 腕を掴む力が、強くなったよ。



 生徒会の話し合いは、思ってたよりも早く終わった。卒業生に贈る出し物の話になる前に、追い出されたから。


 よっちゃんが廊下で待っててくれた。


「ごめんね、待っててくれて」


「いいんだよお、早かったね。もう帰れるの?」


 なんだか思い決めたような表情してる。どきどきする。なんだかこわいよ。


 教室に戻って、帰り支度をして学校を出る。よっちゃんとは通学班が同じなぐらいだから、お家は近いんだ。


 よっちゃんが思い切ったように切り出した。


「コトちゃん、あのね。さっきのお話ね、最初はすんごい面白いお話だと思ったの。でもね、コトちゃんのお家のことだって考えたら怖くなってきたの。」


 うん。私は小さく頷くだけ。


「でもね、ただ怖がってちゃだめだと思って一生懸命考えたの」


 そうなんだ。真剣に考えてくれてたんだね。


「それでね、わかっちゃったの。私はコトちゃんが好き。大好き。だから、コトちゃんの言うことに嘘なんかないって。コトちゃん、コトちゃんは魔法使いだったんだね!」



 え?


 よっちゃんが大好きって言ってくれたから、あたまんなかが♡ だらけになっていた。

 んで、な、なんですと? 私が魔法使いって言った?


「よ、よっちゃん? 私、魔法使いじゃないよ? パパのことだよ、占い師さんなのは」


 あわててそう言う私に対し、よっちゃんは可愛く目の前で人差し指をちっちっちっ♪ ってした。


「そうだね、おじさんは占い師さんをやってる魔法使い。でも、コトちゃんはもっとすごい魔法使いだよ?」


 私の聞き間違いじゃないらしい。

 どういうことだろう?


 だって私はなんにもしてない。


 淡い黄色の布(う~ん言いにくい。やっぱ布さん? うむむ)は、パパが見つからないように魔法をかけたんだし、ポーチさんはタロットカードを守る魔法の生地で出来ている。それをパパが繕ったから、おしゃべりできるくらい感情を持ったんだよね。


 ほら、私やっぱりなんにもしてないよ?


 タロットカードに、綺麗な色を取り戻したのはイケメン隠者のおじいさんだし、パパにハロワに行くよう言ったのもこのおじいさん。私は声をかけて、がんばれがんばれしただけだ。


 どうしてそれが、私が魔法使いってことになるのか??だよ。



「コトちゃん、いい? よおく聞いてね」


 私は真剣に聞くために、細い目にぐっ! って力を込めた。


「コトちゃんは、おじさんがかけた見えないようにする魔法を見破ったし、魔法の力でカードを守っていたポーチさんとお話が出来るよね。おじさんはお話できないのにだよ? それから隠者のおじいさんだっけ? 持ってた灯りがちらちらしてるのをパア~ッ♪ って明るくしてあげて、そのおじいさんの困っている姿を見て声をかけてあげたら、おじいさんが気づいてくれてぱわーあっぷしたんだよ」


 ここまでほとんど息継ぎしないでしゃべりきったよっちゃん。

 初めて見たよ、こんなにあっつい! よっちゃんを。


「そしたらカードの世界が明るくなって、他のカードも生き生きしだしたんだよね? それまでおじさんが思ってたように、その、死んでしまっているみたいなカードたちがだよ? コトちゃんがきっかけで、コトちゃんが話しかけて、コトちゃんが力を与えたんだよ。どう? 間違ってるかな、私?」


「……た、確かにそんな風に言ってもらったら、なんか私、特別なことしたのかなあってなるけど。でもほんとにそんな意識してなかったんだよ?」


 よっちゃんが普段見せたことがないような、なまあったかあい目で私を見る。


 あう。


「よしっ! コトちゃんの理解者で、ファンクラブの会員番号一番の私が断言しちゃうよ」


 んあっ? ふぁんくらぶってなんじゃらほい~??



「コトちゃんは、言葉ことばの魔法使いだよ、絶対!」

 お読みいただき、感謝っ!


よっちゃん。主人公より(あ、言ってませんでした? 主人公は、実は、は・や・ま・さんっ♪ のわけあるか~い!)キャラがブレません。可愛いし。いちおしっ!


 次回は、たぶんパパ編だと思います。違ったらごめんなさい、なにせみんな自由人なんで。てへっ

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