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伸二の思い

 翌日。昨日の火災がなかなか消えないので、消防士の声で目を覚ました。

「どうしたんだ?」

 同じく覚醒したらしい伸二が話しかけてくる。

「いや、なんか昨日の理科室の爆発の火、消せないみたい」

「どうしてだ?」

 思ったことをそのまま口にしてきた。

 普通は分かるはずなのに。

「理科室にはガス栓やら、化学薬品がいろいろあるだろう? それに引火してなかなか消せないんじゃないか。それに、メチルアルコールなんかがあった場合、普通の水じゃなく水溶性液体用泡っていう特殊な泡を使わなきゃいけないんだからさ」

「悪い。さっぱりわからん」

 伸二は本当にわからないみたいで首を傾げてる。

「泡消火薬剤。一般的に石油の火災に使用するけど、ものによっては水溶性……水に溶けるものもあるのよ。身近なところでは泡消火器ね」

 いつの間にか盗み聞きしていた原さんが言ってきた。

「ほほう。そうなのかー」

 こちらは棒読み。

「じゃあさ、場所言えばいいんじゃね? 火災の火元。一つ知ってるんだし」

 伸二の言うことももっともだが、仕事の邪魔をしてはいけないと思った。

 僕たちがそうしていると、声がかかった。

 声の主は担任の古河先生だ。

「ほら、呼んでるぜ。お二人さん」

 先生が読んだのは、僕と原さんだけだった。

 僕たち二人は先生のもとに向かった。

「たっく、素直じゃないよな。二人とも」

 伸二の方を振り返ると微笑んでるように見えた。


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