表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

移動

「大丈夫だぜい。俺達と他の生徒は地震が起きたことで分断されてな。反対側にいるのさ。後で迎えに来るとか先生が言ってたが、無理だろうな」

 ここに来る道は一つしかないので無理。

 じゃあ、僕たちの脱出はと言うと、

「たしか、二階に救助袋かなにかあったよな。そこで待ち合わせってどうだ?」

「そうだね。そこで待ち合わせをしよう」

「じゃあ、また会う時まで。一樹さらば」

 二人は遠ざかって行った。

 僕は歩みを再開させた。

「とにかく急がないとな。あれに引火したら大変だぞ」

 そして、理科室を覗いた。理由は簡単なことであれが充満していないかとゆう事の確認。

「よし。問題ないな」

 そう言って通り過ぎた。

 中の状況は電線がたれて、耳触りの音がしてたが特に問題が無いように見えた。

 確かめてからまだ3分もたっていないのに、突如揺れが襲った。

 今回のはさっきよりは小さく、けれど大きいことには変わらない。

 僕はしゃがんで揺れをしのいだが、上から落ちてくる細かいものは避けきれない。

当たり前だが。

「おさまったか」

 走らない程度に急いで歩いたが、後ろから爆発音が聞こえた。

「……」

 その場で硬直していた。後ろを向く。ガラスが割れていて、揺れが来た。

「やばくないか」

 視界の隅にちらつくオレンジ色のメラメラしたもの。

 爆発しましたね。無造作に置いていたあれ……メタノール。

「やばいぞ。急がないと死んじまう。それに、この変な臭いは……硫黄か。まじかよ。火に硫黄ときたら決まっている二酸化硫黄だ」

 毒ガス発生。急がなければならない。

 丸型の校舎のおかげで、ここまで崩れなかったものの。火とゆうか炎からは逃げられないだろう。壁がまだ残っているし、壊れたことで酸素が供給され続けるし。

 運動が苦手なのに大丈夫なのかとさえ思う。

「急がなきゃな。けど、足場が悪い」

 さすがに、さっきまでは何もなかったが、爆発が原因でもろかったところが崩れた。

「くそ」

 とにかく急ぐ。硫黄は吸い続けると、もといい、二酸化状態だから火山と同じかな。そんな状態のは最悪、気管支炎になりかねない。

「ここから無事で出れたら、理科の先生にぐちってやる」

 とにかく急いで、救助袋のあるところまでいかないとな。

 できるだけ、しゃがみながら走った。

 すると目の前に大きな扉が見えた。

 灰色の扉に緑の文字が書いてある。

『非常用救命口』

 はて何に使うかわからないが、とにかく入った。

「まさか、あんだけ揺れたのにびくともしないのかよ」

 入ると先着がいたらしく、確認すると伸二と原さんだった。

「よう、一樹。今セット中。それより、どうしたんだよ? そんなに慌てて」

「そうね。なんかあった? それと、ここに来る途中大きな音がしたけど」

 二人は作業の手を止めずに聞いてきた。

「いや、それなんだが下手したら、天に召されるかも」

 怖い。そう言ったとたん沸き起こった感情だ。

「どうゆう事だよ」

「まさか!」

 原さんは分かったらしい。

「多分……思った通り。この階理科室あるだろう? そこが爆発したんだよ」

 簡単に言った。それ以上は気持ちが耐えられるかわからなかった。

「そうなの……。一樹がそんなこと言うからには、本当なんでしょうね。伸二急ぐわよ」

「お、おう。後で聞かせてくれよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ