希望の光
伸二には簡単に説明して、嫌がっていたが半強制的に手伝わせた。
原さんの方もうまくいったみたいだが、男子があまり手を貸してくれないので、怒っていた。
本当は皆、不安なんだと思う。
「原さん。こっちは終ったぜ。一樹の方はどうだ?」
「ああ。終わってるよ」
大まかな広さの場所をとれたので、そこをブルーシートで囲む。中には学校の机などを危険が無い場所から発掘してきた。それでも、5~6個が限度だった。
「こんなもんか」
広さは、教室程度の広さしかないけど、話す場所としてはいいかもしれない。
「で、ここでは話すことしかしないのかい?」
伸二にしてはいい質問だった。
「いいや。先生たちに協力してもらって、この近くの情報を伝えたいと思ってるんだ」
他の人たちの邪魔をしたくない。何か協力できないか、そこで思い付いたのだ。情報を提供するレストラン風の場所。
「じゃあ、明日から頑張ろうな」
「いろいろ不安だけど、がんばるぜ」
「そうね。頑張りましょう!」
「うお!」
「……!」
前者が伸二。後者が僕だ。
いつの間にか近づいていた原さんに後ろから声をかけられたのだ。
「何よ」
睨まれてます。はい。怖いです。
「まあ、いいわよ。それより明日がんばりましょうね」
まだ、余震は続いてるけどこんなのに挫けてたまるか。
「そうだな」
「やってやるさ」
「しつこいけど、明日にかけよ」
三人は自作の看板を立てて気持ちを言い合った。
そこの場所の名前、希望の光。