プロローグ~平和な日常~
昔個人的に描いた作品です。
連載にしてますけど、基本的に短編くらいの長さです。
いつもと同じかと思っていた。いつもと同じく普通に一日が終っていくと思った。
「よっ。一樹お前早いよな、いつも」
今話しかけてきたのは柊伸二。幼馴染の一人。もう一人いる。
「二人とも早いね。伸二がいることが意外だけど」
そう、彼女がもう一人の幼馴染――原八重花。
それで最後に、僕の名前は山寺一樹。全員今年の4月に柳田高校に入学した。
今は5月で完全に夏ではなく暑くもないので、過ごしやすい。
服装は想像道理、制服だ。
制服と言っても普通のではなく、ブレザーの形。
「それで、見たよ伸二。興味あることが女の子ってどうゆう事。いつからそんなのになったの?」
「いいじゃねーか。小学校、中学校とも女子の友達お前しかいなかったし」
「そうかもしれないけど……。それと一樹。もっとまじめに書きなさいよね」
「うん。まあ、あれだ。気にするな」
「一樹まで……」
すると、原さんはいきなり頭を学校指定の鞄で殴ってきた。
クリーンヒット。隣にいた伸二にも顔面直撃。
原さんはいつの間にか後ろにいた。
「いってー。何するんだよ! 原のばっちゃん」
「後頭部は危ないんだぜ。どうせやるなら腹にしてもらいたい。脳震とうおこしそうだった」
伸二と二人で原さんにそう言った。
「ふんだ。真面目にしないあなたたちが悪い」
逃げた。
今話ているのは、入学して初めに書いた自己紹介の内容の事。
それは、クラスに一学期中、貼られるものだ。
「ったく。悪かったよ」
「ごめんごめん」
謝った。謝る相手は違うが。
そう、これは朝の通学時の話だ。
これから、自分たちの運命が大きく変わるという事を、僕らはまだ知らない。これが最後のまたいつ来るかわからない平和な日常の風景。