かぐや姫
「ん…?」
ここは…?
俺はいつの間にか地面に倒れていた
辺りは森
「マジでどこだ…?」
見たことの無い風景
「速く帰らねぇと…あれ?」
俺…どこに住んでんだ…?
「つーか俺の名前…」
思い出せない
「俺は誰だ…?」
俺は当ても無く霧の中を進み始めた
ーーーーーーーーーーーー
霧を抜けた先に広がるのは和風の建物
私は地面に足をつけ、怪しまれないように
背中の羽と頭の上に浮いている輪を透明にする
「…………………………?変わった世界だなぁ…」
あぁ…プリン有るのかなぁ…
「みんなルプスちゃんみたいな服着てるし…」
まさか元居た世界とか…?
「違うよ…?」
「どわぁぁ!!?ル、ルプスちゃん!?何でここに!?」
「普通について来た…」
「そ、そう…」
「だけど残念ね、多分プリン無いよ…?」
「ちょっと私夜逃げしてくるわ!」
「ななゑのことだろうし絶対に逃がさないでしょうね」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!?」
「落ち着きなさい…」
「これが落ち着いていられますか!?答えはノー!私はどうあっても逃げられないのですぅ!!」
「……せっかく助かる術を教えてあげようと思ったのに……」
「お願い!教えて!まだ命は惜しいの!!」
「輪廻庭の住人は死なない……まぁいいです…教えましょう、と言ってもプリンの代用となるものを準備するだけですが…」
「て……」
「?」
「天才か…!?」
「あなたは相変わらずですね…」
「さすがルプスちゃん!やるぅ!」
「……………さっさと行きましょう」
「ちょっとタンマ!」
「時間がありませんよ…?速く…」
「ルプスちゃん、耳と尻尾が凄く目立ってますよ?」
「……………………」
「え、えーと…」
「きっと受け入れてもらえる……」
「そ、そうかな…?」
そんなこんなで私達はとりあえず美味しそうな物を探しに行きました
「「妖怪だぁぁ!!退治しろぉぉ!!」」
無理でした♪
その後私達は全力で裏路地に隠れて、難を逃れた
「デスヨネー」
「ぐすん……」
「ドンマイですよルプスちゃん」
「私だってこの世界の食べ物食べ歩きたい…」
あ、愚痴り始めた
「わ、私が買ってくるから!ルプスちゃんは先に帰ってて!」
「わかった…」
ルプスちゃんはトボトボと帰り始めた
「あれじゃあヒキニートになりますニャ」
「ずっと付けてたのシケットちゃん?」
猫耳フードが特徴的なシケットちゃんは登っていた屋根から飛び降りる
「そりゃあ、世界が繋がったら好奇心が掻き立てられるニャ」
「はぁ…なんにしても速く何か買わないと…」
「あぁ、それについて何ですけどニャ、ここら辺の菓子類は全部売り切れみたいですニャ」
「な、なんで!!?なんだってこんなに運が悪いんですか私は!?」
「確かに運が悪いですニャ、でも原因は違うっぽいですニャー」
「原因?」
「かぐや姫って知ってますかニャ?」
「あぁ、あの物語の…」
「どうやらその世界みたいですニャ」
「えぇー…ナニソレェ……」
「なんかお偉いさんがかぐや姫にプレゼント送ったりで駄菓子屋とかのお店の品が品薄になってるそうですニャ」
「かぐや姫がそんなに食えるわけ無いじゃん!」
「殿方は送りつけて満足するもんですニャ」
「くっそぉぉぉぉ!私の命運がかかってるっていうのに!」
「多分殿方は知ったことじゃないですニャ」
「だったら違う町まで買いに行くまでです!」
そう言って私は羽を出して空を飛ぶ
「あ、それは止めた方が…」
「天狗だー!撃てー!」
「い、いやぁぁぁぁぁ!?」
「手遅れでしたニャ…」
私は急いで上空に飛翔
弾が当たらない所まで飛ばないと…!
ドッ!
「痛ッ!?」
右腕に被弾、そのままバランスが崩れ降下
「や、やばっ!!?」
落ちる先はなんか凄い豪邸
そこは流石にマズイ…!
全力で方向転換し、豪邸の近くにある小さな庭に落下
ドォォンッ!
「痛てて……」
天使じゃなかったら即死だった…
「誰ですか…?」
小さな家から出てきたのは美少女だった
すかさず羽と頭の輪を消す
「あ、すいません失礼してます」
「腕に怪我を…!?」
「あぁ、ほっといたら治りますよー!」
「バカ言わないでください…!」
そう言ってその美少女は持っていた布を使って軽い手当てをしてくれた
「あ、ありがとうございますー!」
「あなた名前は?」
「テシィです」
「テシィ…?変わった名前ね」
「えーとあなたは?」
「申し遅れました。私はかぐやと言います」
「なん…だと…」
ふぁぁぁぁ!!?まだこの世界に来て数時間しか経ってないのになんでクライマックスなんですか!?
「どうしたんですか?」
「いや…なんでも無いですよ………」
「とりあえず怪我が落ち着くまで少し休んで行ってください」
「あ…えっと……」
どうしよう…まぁこのまま外に出ても鉛玉ブチ込まれるだけだし…
「お言葉に甘えさせてもらいます……」
「そういえば、なんで私の庭に?」
「えーと…」
説明が難しいッ…!?
「だ、誰にも言いませんか…?」
「え?あ、はい…?」
「ほいっ!」
私は消していた羽と輪を出す
「えっ!?」
「断じて天狗じゃないですよ!?」
「じゃああなたは一体…まさか!?天の使い…!?」
「へ…?天の使い?まぁ、間違っては無いと思いますが…どっちかっていうと私は天使ですね、エンジェルです!」
「まだ昼間なのに…!?」
「昼間?えっと…どうかしたんですか?」
「私を連れ戻しに来たんでしょ…?」
「………?」
あっ…!思い出した!そういえば、かぐや姫って最後に月に帰るんだっけ!
「私は違いますよー!通りすがりの天使です!」
「そ、そうなんですか…」
「えーと…いつ月に帰っちゃうの…?」
「今夜です…」
「マジッすかぁ…」
「あなた天狗と間違われて撃たれたんでしょ…?ごめんなさい、今日は皆ピリピリしてるの…」
「いやフワフワ飛んでた私にも非があるわけですし、気にしてないですよー!」
「そう言ってもらえると助かるわ…」
「かぐ…かぐや姫はさ、月に帰りたくないの?」
「はい…」
即答かよぉ……
「おじいさんやおばあさんに何の恩返しも出来ないまま帰りたくありません…」
「そりゃそうか…」
「テシィさん…頼みがあります……」
「へい」
「天の使いの者達を説得してくださらないでしょうか……?」
「うーん……」
「急にすいません…困りますよね……今の話しは忘れてくださ…」
「ちょっと待って!」
「え?」
「説得(物理)すれば良いんでしょ?任せて!
大量のお菓子が条件でね!」
ーーーーーーーーーーーー
《かぐや姫の屋敷 夜》
「来たぞー!」
武士の一人が叫ぶ
月から現れたのは天の使い
「撃てぇー!」
鉄砲や弓などで武士達が応戦しようとするが…
「なっ…!?眠…気…が………」
バッタバタと武士達は次々眠りに落ちていく
天の使い達は道に迷う事なく移動
部屋と部屋を繋げている戸を開け
目的の人物を見つける
「こ、来ないで…!」
かぐや姫の事情など御構い無しに連れて行こうとする天の使い
「オラー!!」
天の使いが触ろうとした所でテシィが割り込む
「天界兵装!【Angel Weapon】型式〈剣〉!」
テシィは剣を召喚し天の使い達を一閃
切られた天の使い達は霧のように霧散する
「斬っちゃって大丈夫なんですか…!?」
「ダイジョーブダイジョーブ」
「なんで片言!?それにあなた眠くならないんですか…!?」
「全然?」
そんな話をしていると続いて天の使い達が大量に押し寄せて来る
「ちょっと数が多いなー…
天界兵装【Angel Weapon】型式〈自動小銃二丁〉」
手に持っていた剣は消え、代わりに両手に自動小銃が握られる
「邪魔ですよーっと!」
ズガガガガガガガッッ!!!
弾丸の嵐は次々と天の使いを光に還す
「かぐや姫!こっちです!」
かぐや姫を連れて外に出る
頭上には数え切れない程の天の使い達
「あ、今から言うのは独り言なので気にしないでくださいねー」
「え?はい、わかりました」
「私思ってた事が有るですよ、それはある物語の終わり方に納得がいかなかったんです」
「?」
「その物語をこれから私の思うハッピーエンドにしたいなーって
天界兵装【Angel Weapon】型式〈火炎放射器〉」
自動小銃をしまい、火炎放射器を召喚
「ファイヤー!」
天空に飛んでいる天の使いをまとめて焼き払う
「というわけで、かぐや姫は渡しません、後お菓子の為にも!」
『貴様……この世界の者では無いな…?』
空からゆっくり降りて来たのはパンチパーマの人だった。この世界で言う神様的な感じかな?
「だったらなんだって言うんですか?」
『この世界の住人では無い貴様に加減は無用だろう』
「ッ!?」
バァァァンッ!
デコピンで出来た空気砲がテシィを吹き飛ばし壁に衝突
「痛っ…!?反則でしょうそんなの!」
続いて神はデコピンを撃とうとする
慈悲は無いらしい
「ひっでぇですね…」
ドォォォンッ!!!
壁が粉砕、更にテシィは吹き飛ばされる
「それは……ずるいって…」
『まだ息が有るか』
トドメと言わんばかりに神はテシィのいる所に瞬間移動し顔面を踏み潰そうとする
「それは私の役割よ
アルカナカードオープン【戦車】」
突如現れた巨大な騎士が神に突進を仕掛ける
神はそれを受け止め、後退する
「な、ななゑちゃ…ゴフゥッ!!?」
横腹に食い込む蹴り
「何時間待たせんのよ」
「ご、ごめ…ゴフゥッ!!?」
ななゑのワンモアアタック!
『容赦無いな』
「こいつは四天王の中でも最弱……とでも言っときますかね」
死ぬ一歩手前のテシィを放置しななゑは神と相対
「で、あなた誰ですか?」
『異界の者に名乗る名は無い……………』
「ほう?今異界って言いましたね?」
『それがどうした…?』
「いやはや私は今その異界について調べてるんですよ、というわけで知ってる事全部吐け」
『やって見ろ』
ーーーーーーーーーーーー
「参ったな…すっかり暗くなっちまった…つーかなんだこの江戸みたいな町は…」
夜道を歩いている俺は途方に暮れていた
「とにかく宿屋とかねぇかな…」
ドォォォンッ! ドォォォンッ!!
爆発音が鳴り響く
「な、なんだ!?」
爆発音が鳴り響いた方に走り出す
辿り着いた先は屋敷、沢山の兵士らしき人が倒れている
「な、何があったんだ…!?」
俺は開けっ放しになった入り口から屋敷に入り中の状況を確かめようとした直後
「グヘッー!?」
「うおっ!?」
俺は横から飛んで来た人を反射的に受け止める
「ど、どうしたんだ!?」
「ふぇ?何で人が…」
飛んできた人は不思議そうにこちらを見てくる
つーかなんだその羽と頭の輪っかは…?
「君眠くないの?」
「は?確かに暗くなってきたがまだ眠くは…」
ドォォォン!!
突如衝撃音が二人を襲う
「一体何が起こってんだ…!?」
「と、とりあえず此処は危険だから移動を…!」
見知らぬ女の子が俺の手を掴もうとしたところで、白い服を纏った何者かが何人か近づいてくる、しかも浮いて
「しつこい!
天界兵装【Angel Weapon】型式〈銃剣〉!」
女の子は何もないところから銃剣を召喚し
白服を纏った相手を撃ち抜く
撃ち抜かれた相手は霧散した
「速く逃……」
ズサァッ!
名前も知らない少女の腹部には刀が突き刺さっていた
「くっ…!?」
少女は銃剣を背後に居る白服を纏った相手に突き刺し同じように霧散した
「この刀…そこら辺の武士のから取ったのかー……すごいモブっぽいやられ方しちゃったよ…」
「おい!大丈夫か!?」
「あー…すいませんね、安全な所に連れて行けなくて」
「そんなことどうでも良いって!速く治療を…!」
「いやいや、どう見ても間に合いませんって、いやそれにしても…悲劇のヒロイン的な感じでこういうのも悪くないですねっ…!」
「そんな冗談言ってる場合じゃ…!」
「あ、すいませんそろそろ…時間……みたい…ですー……」
名前も知らない少女は光に包まれ姿を消した
「ちくしょうッ…!」
俺は袖の長い自分の服を捲り上げ、少女を突き刺した刀を拾う
「敵の頭に一撃与えないと気が済まねぇよッ…!」
俺は未だ鳴り響いている爆音の方向に走り出す
ーーーーーーーーーーーー
『ゴフッ…!?』
「神様もたかが知れてるわねー…」
ななゑは仰向けに倒れている神様の上に座っていた
「そんなんで神様が務まると思ってんのー?」
『化け物がッ…!』
「へぇ」
ななゑが召喚した巨大な騎士は容赦無く神の顔を踏み潰した
「何て言ったかもう一度聞きたいなー?」
『貴…様ッ……!』
神は強引にななゑを退かし、月に向かって舞い上がる
「あー、逃げちゃったかー…」
まぁ、対策練ってるから問題は無いんだけど
「お前が頭かッ!!?」
突然男の子が私に向かって叫ぶ
「なんで子供がこんなところに居んのよ」
「ガキじゃねぇよ!?」
「背が低くければみんなガキよ」
「てめぇ…!背が低くいからって馬鹿にしやがって…!」
「馬鹿になんてしてないわよー?子供は背が低くて当たり前なんだから」
「それを馬鹿にしてるって言うんだよッ!」
少年は駆け出し両手で握りしめた刀を持って私に斬りかかってくる
「アルカナカードオープン【吊り人】」
私はそう宣言し、吊り人を召喚する
少年の刀は何かに阻まれ弾かれる
「なっ!?なんだそれ!?」
少年の言ってるそれは恐らく私の背後に召喚された吊り人の事を指しているのだろう
「こいつがいる限り私は傷一つ付かないわよ?」
「チ、チートかよ…!?」
「あんたじゃ勝てないって、出直しなさい」
「『あぁ、そうですか』って帰れるわけねぇだろ!」
少年はそう言って吊り人に斬りかかる
だが、吊り人は1人が刀を振るう程度の攻撃ではビクともしないのは知っている
「タイムリミットは私が飽きるまで、頑張りなさい」
ーーーーーーーーーーーー
『なんなんだあの化け物は…!?』
ボロボロになりがら神は月に帰ってきた
「おかえりなさい、ご飯にする…?お風呂にする…?それとも地獄…?」
『ちょっと待て』
半壊している屋敷の上に居るのは狼の耳に尻尾を生やした和服の女
「あ、月に水は無いか……でもお餅なら有りそうだよね…ほら兎がよく餅ついてるあれ…でも水が無いからやっぱり乾燥してて不味そう…」
『貴様…妖か…あの帽子娘の仲間か?』
「あ、そうだ…」
『そうか…なら貴様に天罰を…』
「兎を肉すれば食べれる……」
『止めて差し上げろ』
「まぁ、冗談はさておき…貴方を殺します」
『最初から選択肢など無いではないか…』
「シケットが貴方を殺せば大量の菓子が贈呈されると聞いたので…」
『菓子欲しさに私は命を狙われていたのか……だが私に勝てるかな…?』
「ななゑに負けたのに良くそんなこと言えるね…?後ついでに言っておくけど…私は妖とかじゃない」
『人ではないだろう』
「私は神狼」
ーーーーーーーーーーーー
「はぁッ!」
ガァンッ!!
俺は吊り人を斬り続けていたが一向に倒れる見込みが無い
「よく飽きないわね?」
「諦めるわけねぇだろ…」
そうキャスケット帽の女に言い捨て再び吊り人に斬りかかろうとしたところで
ドオォォォォォォォォンッッ!!!
爆音
聞こえた先は天の先にある月からだった
そこで見たものを俺は信じられなかった
「月が…!?」
端的に言うと月が綺麗に半分に切れていた
「あれはやり過ぎでしょ…」
キャスケット帽の女も冷や汗を流していた
ーーーーーーーーーーーー
『バ、バカな…!?』
神の半身は神狼の一撃で吹き飛んでいた
「地獄にご案内…」
『や、やめろッ…!』
「神様なのに死ぬのが怖いの…?」
『あ、当たりま…』ヒュンッ
唐突に神の頭は飛んだ
「私の知ったことじゃないけどね…やることやったし…帰ろうかな」
ーーーーーーーーーーーー
「飽きた」
そうキャスケット帽の女は言った
「なっ…!?冗談じゃねぇ!俺はお前に一撃加えないと気がすまねぇんだよッ!」
「あっそ」
女は途中から座っていた石から立ち上がり何処かへ帰ろうとする
「待てつってんだよ!」
持っていた刀を投げつける
もうやけくそだった
「効かないって…」
ななゑは吊り人の力を使い刀を弾く
「ん……?」(何か違和感が…?)
「うおぉぉぉ!!」
無意識に俺は叫んだ
意味が無い筈のその叫びに意味が込められる
宙に弾かれた筈の刀は途中で動きを止め、宙に浮き浮遊している
「へぇー…」
(どういう原理か分かんないけど多分あれはあの子の力でしょうね)
「な!?ナンダコレ!?」
「なんで自覚してないのよ!?」
「お、俺が知るか!」
だけど自然と使い方は身体が覚えてるみたいだ…
俺は身体が覚えてるがままに、浮いている刀を動かす
指示通り動かすと刀はその通りに動く
「行ける…!」
俺は刀を操りキャスケット帽の女に向かって刀を飛ばす
「面白いけど、ただ剣を浮かせる程度の力で私を倒そうだなんて…」
グサッ!
刀はななゑの右肩に突き刺さる
「は…!?」
突然の事に驚きななゑは地面に膝を付く
「なんで…!?」
急いで振り返り吊り人を確認する
「不意打ちで悪いけど、先に貫かせてもらった」
ななゑが吊り人を確認すると数本の刀が集中的に頭を貫いていた
「刀ならそこらへんの兵士がいくらでも持ってるからな…苦労はしなかったぜ?」
「へぇ…!やるじゃん…!」
俺は更に、落ちている刀を浮遊させキャスケット帽の女に剣を飛ばす
「これで終わりだ!」
「はい、ストップですニャ」
横入りしてきた猫耳フードを被った少女が剣を素手で弾く
「は…?」
「何やってるのですかニャ二人共?」
「それはこっちの台詞よシケット、何やってたの?」
「かぐや姫を安全な所に移動させてたり、報酬のお菓子を貰ったりしてましたニャ」
「裏方この上ないわね…」
「おいそこの猫」
名前は一応分かったが、とりあえず呼びやすいように猫で良いだろう
「なんですかニャ?」
「そこのキャスケットの仲間か?」
「腐れ縁ですニャ」
「おい」
キャスケット帽の女はすかさずそう言う
「とりあえずそろそろ戻る時間ですニャ」
「そう言えば霧が濃くなってきたわね」
「戻る…?」
そう俺が疑問に思っていると、周りの霧がどんどん濃くなっていく
「うおっ…!?なんだこれ!?」
「じゃあねー私達帰るからー」
霧は更に濃くなり視界を覆い尽くしていった
ーーーーーーーーーーーー
《輪廻庭》
「…どういうことだ……………?」
「………………は…?」
「……………ニャ?」
困惑
俺は周囲の景色が変わった事に驚いていたがあっちの二人は別の事で困惑しているみたいだった
「ちょっ!?何でアンタがここに居るのよ!?」
「いや知らねぇよ!?つーかここどこだよ!?」
「ここは輪廻庭ですニャ」
猫耳フードはそう言う
「輪廻庭……?」
「ななゑ、多分新しい仲間ですニャ」
「はぁ…まったくめんどくさいタイミングで来てくれたわね…
ようこそ終わらない世界へ」
END
作者「自己満足小説なので細かいことは省くぜ!」
ルプス「死にたいならそう言えば良いのに…」
作者「反省も後悔もしな(ry」
シケット「それじゃあまたニャー」