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なきむしなきみへ

作者: 三坂ハル

きみへ。今日辛いことがあって泣いておうちへ帰って来たね。何も言わないで二階のお部屋にスタスタ行っちゃうからお母さんとお父さんが心配してたよ。ご飯も食べないでずっとお部屋で泣いてたらガリガリになっちゃうよ、僕のご飯でも食べる?


辛いことがあった時はいつも僕を部屋まで連れて行って何があったか話してくれたよね。きみを励ます時は頬を舐めてあげてたけど、あれ、涙の味がしてしょっぱかったのを覚えてるんだ。

今日もほんとは僕がいつもみたいに励ましたいけどそれももうできない。お空の上で心配することしかできないんだよ。前に君が泣いていた時お空の上で励まそうと遠吠えをしたら友達のポチくんにうるさいって怒られたんだ。

ちょっとぐらいいいじゃんね。


僕がいなくなった時も大声をあげて泣いてくれたよね。嬉しかったな。きみときみの家族のところで暮らせて本当に良かったと思ってるんだ。お空の友達は病気とか事故でこっちに来ちゃった子も多いけど僕は「じゅみょう」ってやつでこっちに来られて幸せ者だと誇りに思うよ。ありがとう。

あ、あと謝っておきたいことがいくつかあるんだけどそれはきみがこっちに来た時に言うね。例えば、きみの大好きだった熊のぬいぐるみをボロボロにして庭に掘った穴に埋めちゃったのは実は僕なんだ、とかね!…いや、言ったら怒っちゃうから内緒にしておこうっと。


僕は今、こっちで色んな勉強をしているんだ。知ってた?死んじゃった動物や人はまた生まれ変われるんだけど、そのもう一度命を貰える順番って神様のくじ引きによって決まるんだって。案外適当だよね。だから次にどんな生物になってもいいように勉強がんばらなくちゃ。次に生まれ変わる時は、人間になりたいなぁ。そしたら言葉を喋ってきみを慰めるんだ!だから僕が人間になるまできみは死んじゃダメだよ。


きみは優しくて、人の目を気にしすぎちゃうからその分色んなことに傷付いて悩んじゃうんだよね。大丈夫、きみの良いところなんて僕がいくつでもあげられるし、もしきみのことを悪く言うやつがいたらお空の上から威嚇してやるからね!だから泣かないで。

きみに会えてほんとに良かったと思ってるんだ。

いつまでも大好きだよ。



昔飼っていた犬のことを思い出してふと書いてみました。あの子は今無事に生まれ変わることができたのでしょうか?ちょっとおバカな子だったので心配なところもありますがw

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