プロローグ
頑張ります
「では、フレイヤ頼む」
男は言った。体は大きく3mはゆうに超えている。顔は無精ひげが生えており、つり目である。年齢より年老いて見える。その表情は、親に内緒で遊ぶ計画をしてる幼い子供のようであった。男は座っていて、その前には机があった。
「はい、人間界の年代と名称で比較的新しい物からですが……」
フレイヤと呼ばれた女は応えた。女は少し幼い顔立ちではあるが女の子というよりは女性と呼んだほうがしっくりくる。目は大きく、誰が見てもかわいいと思える顔立ちであった。女は机を挟んで男の前にいた。
女は続けた。
「1904年日露戦争、1913年第一次世界大戦
1939年第二次世界大戦……以上が人間界の戦争の主なものです」
「やはり、のう。人間はよほど争いが好きとみえる」
男はにやっとした。
「確かにそう考えになるのは自然ですね」
「見ろ、フレイヤ!! この紙の束を。なんだと思う」
男の前に突如紙の束が現れた。
「ゼロ様がサボった仕事ではないんですか?」
「それもあるが違う。 お前たち神々から着た人間に対する苦情や文句だ」
「はぁ」
「お前たち神々は暇潰し程度に人間界を管理しているわけだが、いくらお前たちが管理しようと、人間は争いをおこす。それにたいしてわしになんか対策しろという物が大半だ」
「ゼロ様は仕事が山ほどありますが、私たちは比較的そうですね」
「そうだろ。人間が信仰するのがお前たち神だがお前たち自身は何も信仰しないわけではない。神が信仰するものとして生み出されたわしであるが、正直仕事を押し付けられた気しかない。そしてわしは仕事を押し付け……減らす方法を思いついた」
ゼロと呼ばれる男はにやっと笑った。
「それは何なんですか?」
ゼロは少し間を開けて言った。
「人間が争う相手を人間ではなく、お前たち神にすればよい。神は自分たちで直接管理でき、暇つぶしにもなる。人間も大きな共通の敵をえることで団結するだろう、どうだ?」
「それはいいと思いますが、人間界に私たちの誰かが行くとしても数人しか人間界に行くことしかできませんし、私たちでも核兵器とかだとさすがにきついですよ」
「わーはっはははははは……」
ゼロはひとしきり大声で笑ったあと、言った。
「わしがそれを考えないと思ったか?」
「どうするんですか?」
フレイヤは顔を赤くして、ゼロを睨みつけながら言った。
「それは言えないが、わしはffよりドラクエ派であると言っておこう」
「分かりました、人間界のゲームをやる暇があるんですね、仕事を増やしておきます」
「ゴメンなさい、やめてくれー!!!」
男の声が響き渡った。
それから1ヶ月後、人間界に神々から宣戦布告され、文明が消えた。
そして1年後、突如、人間界に7本の光柱が降り注ぐ。
後にラグナロクとよばれる神と人の戦争がはじまった