プロローグ
タイトルは某洋楽のタイトルを日本語にしたものです。
大正13年
ここは明治から続く指折りの華族令嬢が通う聖ルチア女学院。今夜はダンスホールに少女達が集まっている。広間の天井にはシャンデリアが輝きオーケストラがワルツを奏でる。今日は年に1度行われる舞踏会の日だ。
創立当初から続いており当時イギリスから来た女性教師が提案したものだ。明治時代日本に洋館が作られた。西洋の要人をおもてなしする鹿鳴館だ。女学校を卒業した令嬢達は名家に嫁ぎ社交界の貴婦人になる。そして鹿鳴館の広間の華になるのだ。そのための練習として毎年3月に行われている。
ワルツに合わせてステップを踏む度ドレスの裾がひらひらと翻る。いつもは袴だがこの日だけ西洋の貴婦人の姿になれる。皆この日のためにお気に入りのドレスを用意するのだ。
リードするのは上級生のお姉様、それを慕うように着いていくのが下級の妹だ。全てのダンスが終わるとどの姉妹が一番良かったか投票で決まる。
最後に踊ったのは最上級生の城咲れいかとその妹で3年生の松ヶ原撫子だ。れいかは幼い頃からバレエを習っており一番好きなくるみ割り人形の花のワルツを踊った。踊りが終わると拍手喝采が起きる。
「れいか様素敵だわ。」
「本物の花の精かと思いましたわ。」
「今年の一番はこの2人で決定ですわ。」
れいかと撫子が手を取り袖にはける。女性教師とメイドが投票箱を持って現れる。
「待って下さい!!」
突然広間の扉が開く。
扉の先には赤いドレスの少女とタキシードの青年が立っていた。




