赤色。
テキストAI【Claude3.7】と歩む連載AI小説。白い部屋、黄色い部屋の次は…
赤い色の部屋
## 第三部:赤い部屋
山田は再び意識を取り戻した。爆発の衝撃で気を失っていたようだ。目を開けると、そこは完全に赤色に彩られた部屋だった。壁、天井、床、すべてが鮮やかな赤で統一されている。
「ここは...」
山田が身を起こすと、体に痛みが走った。腕には点滴が刺さっており、傷口から少量の血が滲んでいる。その赤さが部屋の色彩と同化して見える。
「よく目を覚ましましたね、山田さん」
振り向くと、赤いスーツを着た男が立っていた。クロマティックスの研究員だが、これまで見たことのない人物だ。
「私は赤坂と申します。この『赤い部屋』の責任者です。黄色い部屋での...不幸な事故から三日が経ちました」
山田は頭の中を整理しようとした。最後に覚えているのは、黄色い部屋の窓から見えたタンクローリー、そして自分が描いた爆発の絵。それが現実になったのだろうか。
「青山さんや他の研究員は...?」
「残念ながら、青山を含む数名の研究員は重傷を負いました。しかし、あなたのおかげで大惨事にはならずに済みました」
赤坂はテーブルから一枚の紙を取り、山田に見せた。それは山田が描いたスケッチだった。爆発の絵の隅には、小さく避難経路が描かれていた。山田自身、そんなものを描いた記憶はない。
「あなたのスケッチを見た警備員が、直前に建物の一部を避難させました。クロマ感応の能力は予想以上です」
山田は部屋を見回した。壁には赤いデジタル時計、赤いランプ、赤い郵便ポストを模したメッセージボックスなどが配置されている。ベッドの横には赤いリンゴが盛られた果物籠。すべてが目に痛いほどの赤だった。
「なぜすべてが赤いんですか?」
「Project Chromaticsの第三段階、『赤の研究』です。赤い環境があなたの能力にどう影響するか観察します」
赤坂は赤いファイルから書類を取り出した。
「白は論理性、黄色は予知的直感。そして赤は...感情と行動のトリガーです。特に警告や危険を察知する能力が強化されると考えています」
山田はベッドから立ち上がり、窓に近づいた。血のように赤い夕日が地平線に沈もうとしている。
「もう実験はやめてください。この能力は危険です」
赤坂は笑みを浮かべた。「逆です。この能力こそ人類を救う鍵なのです」
その夜、山田は赤い部屋で初めての夢を見た。口紅で描かれた迷路、サンタクロースの赤い服、赤く染まった手術室、そして流れ出るトマトジュース...いや、それは血液だった。
翌朝、山田はベッドサイドにあった赤いノートに、無意識のうちに何かを書き留めていた。それは座標と日付。そして「核」という単語。
赤坂はノートを見て顔色を変えた。「これは...」
「どういう意味ですか?」と山田は尋ねた。
「書かれた座標は、国の主要な原子力施設の位置です。そして日付は...一週間後」
山田の頭に、赤い炎の映像がよぎった。
「私たちの研究は、未来の危機を察知し回避するためのものです。あなたの能力は、人類が直面する最大の脅威を感知し始めているようです」
部屋の赤いアラームが突然鳴り響いた。赤坂の携帯電話が震える。
「すぐに本部からの指示があります。あなたの予知は、すでに動き始めた何かを示しています」
山田は窓の外を見た。空が徐々に赤く染まっていく。それは夕暮れではなく、何か別の理由によるものだった。
「私に何ができるというんですか?」
赤坂は真剣な表情で答えた。「あなたの能力をさらに強化し、危機を回避する方法を見つけ出すのです」
壁に取り付けられた赤い郵便ポスト型のボックスから紙が出てきた。その指示書には「Project Crimson」と書かれている。赤坂はそれを読み、山田に向き直った。
「準備をしてください。次の実験場所に移動します。より強力な赤の環境で、あなたの能力を最大限に引き出す必要があります」
山田はベッドサイドの赤いリンゴを手に取り、一口かじった。甘さと酸味が口の中に広がる。彼は決意を固めた。自分の能力が人々を救えるのなら、この赤い悪夢に立ち向かうしかない。
赤坂がドアを開けると、そこには真っ赤な廊下が続いていた。山田は深呼吸をして、赤い世界へと一歩を踏み出した。彼はまだ知らなかった。この赤い色が意味するものが、単なる警告ではなく、人類の存続をかけた戦いの始まりだということを。
そして赤い部屋の窓から見える、あの不気味な赤い空の正体とは。
(つづく)
なかなか刺激的な展開ではありますが、少々疲れを感じたので、主人公にも休息を与えたいと思います(笑)。ちなみにこれを書いてる途中にドトールでお茶をしましたが、カラフルな世界って改めていいなと思いましたw




