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とある『カイキシャ』の記録_2
私にとって、生きることは食べることである。
趣味は何かと聞かれたら、私は迷わず『美味しい物を食べること』と答えるだろう。
それは趣味なのかと疑問に思われようが、そんなの当たり前だろと言われようが、私にとってはこれが全てなのだ。
子供の頃、満足にご飯を食べられなかった私にとって、ファミレスで初めて見たチョコレートパフェは輝く宝石のようで、母親がつけていた悪趣味なそれとは比べ物にならないほど美しかった。
口に入れると色んな味が広がって、まるで別の世界がそこで構築されていくかのようだった。甘くてほろ苦くてシャキシャキして。あの衝撃は今でも忘れられない。当然今でも好きな食べ物はチョコレートパフェである。
毎週、それを楽しみに生きている。
美味しい物さえあれば、日々の過酷な労働も、飛び交う怒声も、体の痛みだって耐えられる。
幸い顔には何もされていないから、外出する分には何も問題はない。
この世に産み落とされたことを憎んではいるものの、美味しい物に出会えたことだけは、この人生で唯一の良かったことなのである。
どうか、私が死ぬとき最後に思い出すのは、痛みでも恐怖でもなく、楽しくて美味しい思い出でありますように。




