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02 大魔法使いナンダー・ヘンドラゴン

 ワシの名前はナンダー・へンドラゴン。


 この世のすべての魔法をマスターした大魔法使いじゃ。


 そんでもって、その実力を買われ、この王族のボンボン…もとい、勇者ピエルロ・ガバチョスにスカウトされ、“勇者一行”になったわけである。


 なんか大魔王ネギトロドンを倒す旅で、世界を平和にするだとかなんとかんとか言うてたが、ぶっちゃけ興味もない。


 嫁子供もおらん天涯孤独の身、あと生きてもせいぜい20年あるかないかわからん老体なわけだ。


 老い先短い人生を、なんで“世界平和”とかいうわけわからん、ワシにとって1円の得にもならんことのために費やさねばならんというのか。


 馬鹿勇者どもは「未来の子供たちのために!」とか燃えてるけどさぁ、そらお前ぇらはまだ10代で、これからセク◯スして、ポンポロコロロンと子供生んで、そりゃ楽しい未来とか、希望あるフィーチャーとか、そんなお花畑的なモンを描いてるだろうから、大魔王に世界を滅ぼされちゃ困るわけで必死だわな。


 必死すぎワロタって感じw


 正直、お涙ちょうだいイベントが出る度に心の中でツバ吐いとる。

 

 この前も、立ち寄ったどこぞの国が魔物の大群に襲われ、どこぞの将軍がワシらを守るために命を張って助けてくれたっていうしょーもないクソイベントがあったが、馬鹿勇者たちは涙ながらに仇を討つとか拳を握りしめちゃってたけど、ワシ的には噴飯物だった。ぶっちゃけ蘇生魔法使えんだからさっさと使えよと思ってた。


 そもそもワシにとって、この世界に一銭の価値もない。ワシが死んだ後はどーなってもいいってのが本音のところ。


 全人類が滅びたとしても、ワシは大魔法使いなんだから、自分だけは生き残り、残りの短い人生を生きるのにはそんなに苦労しないだろう。


 なら、それならなんでこの勇者一行に加わったんだと言えば……


「へンドラゴン様、どうぞこちらにお掛けになって下さい」


「これはすみませんのぅ。スジャータ殿」


 仲間の武道家が椅子を引いてくれる。 


 スジャータ・シリデッカー。お団子ヘアーの褐色系な娘。少々物足りない感じのCカップだが、腰のくびれと薄布から見える尻の形はすんばらしい。


「へンドラゴン様。お疲れでしょう? なにかお飲みになられますか?」


「お気遣いなく。セレイナ殿。しかし、ホットミルクなど頂けるとありがたいですのぅ」


 仲間の僧侶がホットミルクを頼んでくれる。

 

 セレイナ・チチスキー。ボブヘアーの色白な娘。乳は文句なしのEカップ。しかも服の上からもわかるオワン型の美乳は間違いない。ホントはこの娘の母乳をホットにしていただきたいところだがグッと我慢する。


 と、この馬鹿勇者の仲間たちがすんばらしい、むしゃぶりつきたくなる様な美女ばかりで、ワシをチヤホヤしてくれるからに他ならない!!


 それ以外に“勇者御一行”なんてカッタルイことに付き合うわけねぇー。


「いやぁ、歳を取るというのはイヤですのぅ。体の節々が痛くて…」


 大嘘だ。ワシは見かけは老いぼれだが、研究していた“ある強化魔法”の副次効果で20代並みの身体能力を有している。大魔法使い舐めんなってことー。


「大変。ボクは肩をお揉みしますね!」


「私は脚を!」


 うひー! 美女がワシをモミモミと!


 た、たまらんー! うひー!


 これだから、か弱い老人のフリはやめられーん!


「へンドラゴン様」

 

 チッ! いまいいところなのに勇者来ちゃったよ。


「なんじゃ? 馬鹿勇者よ」


「え?」


「あ! っと、バカ(・・)ンス気分ではいけませんぞ! 勇者ピエルロ殿!」


「え? あ、そんなに気が抜けてましたか? 僕の顔は…」


 ヤベェヤベェ。なんとかごまかせたわい。馬鹿でよかった!


「実は今後の旅の方針について話し合いをしたいと思ったのですが…」


「ほう。それは重畳なことですなぁ」


 えー。メンドイな。今までみてぇに適当でいいじゃん。馬鹿のくせに最近は知恵つけてきやがってからによ。


「ですから、今回は全員で話し合おうと…」


「え? ほ、ほう…」


 マジか。マジな話し合いする気かよ。この馬鹿勇者は。


 チッ。道具屋の娘の泣き顔を思い出してシコルスキーする気マンマンだったのによぉ……。


 あーあ、チョベリバだせ。

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