表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

【魔王前世16歳〜17歳日記】

 7月7日


 兄ちゃんがこの世界から居なくなって今日でちょうど2年目。

 ボクは今、アメリカにいる。今度の協力者がアメリカ人だからだ。


 サラは生物学の権威だったジェームズ教授の娘で、教授は協力を断った為に殺された。


 施設の外で生きる人はみんな“今”を生きてる。


 ボクは兄ちゃんを失った“あの日”から進む事が出来ない。でも、今は無理にでも進まなきゃいけない。


 殺された協力者の為にも、ボクは兄ちゃんに託された最後の研究を成功させるんだ。



 8月17日


 『気分転換に』と言われてサラとパーティに参加した。

 ボクはみんなから根暗な奴だと思われたかも。


 どんなに綺麗なものを見ても、兄ちゃんにも見せたかった、なんて思うんだ。

 兄ちゃんなら美味しいものがあっても、ボクにくれたりするんだろうな。



 9月25日


 今はサラと一緒に日本にいる。

 今、お世話になっているリュウマで18人目の協力者だ。

 リュウマの妹は施設で僕の世話係をしてくれていた優しいお姉さんだった。

 でも、ある日当然、酔っ払った奴らに遊び感覚で殺されてしまった。


 兄ちゃんが生前に沢山の協力者を誰にも知られず増やしていてくれたお陰でボクは生きていられる。


 もうすぐだ。もうすぐ完成する。



 11月31日


 やっと完成した。やっと・・・。


 兄ちゃんとボクが今まで作った全ての殺人ウィスルを無効にする薬の製作と培養。

 兄ちゃんが9割完成させていたものをボクが引き継いでから完成させるまでに、こんなに時間がかかってしまった。

 完成して思ったのは、やっぱり兄ちゃんは“天才”だったという事。

 あの時、死んだのが兄ちゃんじゃなくてボクだったら、こんなに時間はかからなかった。

 至らない弟でごめん。


 でもこれでボクの役割は終わった。


 協力者の18人中、生きてるのは5人。

 彼らに薬を託して世界中にバラ撒いてもらう。



 12月25日


 仲間全員から、作戦は成功したと連絡が届いた。


 本当に良かった・・・。


 今日はボクの誕生日。でもボクは今日、死ぬ事になりそう。


 悔いは何もないよ。


 だって、これで兄ちゃんに胸を張って会いに行ける。天国でも地獄でも構わない。


 『シエル、よくやった』って褒めてくれるかな?


 もうすぐ、会いに行くよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ