【魔王前世7歳〜8歳の日記】
4月17日
ぼくの兄ちゃんは“てんさい”だ。頭もよくてスポーツマン!さらに!やさしいから“かんぺき”な人間だとぼくはおもう!
それにくらべて、ぼくは生まれつき体がよわくて、すぐつかれちゃう。べんきょうもやってるけどぜんぜんだめ。
近所のおばさんが、ぼくのことを『できそこない』って言ってたんだってお母さんがおしえてくれた。
ぼくもそうおもう。
5月30日
だんだん、からだが動かなくなってきちゃった。せんせいが「もっと強いくすりにしましょう」って言って、お母さんはくすりが高いっておこってた。
くすりは苦くてつらかった。くすりをちゃんとのんだから、兄ちゃんはぼくの頭をなでてくれた。
6月7日
兄ちゃんが書いた“ろんぶん”が有名なざっしにのったみたい。頭の良い人たちが見るざっしだってお父さんが言ってた。
お母さんすごくうれしそう。ぼくもうれしいな。
9月21日
兄ちゃんが、科学しゃになるんだって。こまってる人をたくさん、たすけるしごとをするみたい。
しごとをしたら毎日、兄ちゃんに会えなくなるけど、ぼくは兄ちゃんをおうえんしようと思います!
それからきょう、お母さんにたたかれた。
もっと、いいこにならなきゃ
11月14日
さいきん、お父さんも、お母さんも、おしゃれしていっぱい出かけるようになった。
ピカピカな車をかったんだって。
ふたりとも、とてもうれしそう。
でもぼくはすこし、さみしい。
お父さんも、お母さんも、ぼくを見てくれない。
ぼくとお話しても、つまらないのかも。
兄ちゃんはやくかえってこないかな。
12月1日
今日も、お父さんとお母さんはかえってこなかった。
兄ちゃんにあいたい
どうかぼくのこと、思い出して
12月13日
とうとうくすりがなくなっちゃった。
ぼくはしんじゃうのかな?
でもまだ兄ちゃんがくれたおかしがいっぱいあるから、だいじょうぶ!
12月25日
きょうは、ぼくの8さいのたんじょうびです。
ぼくはなんで生きたいのかな?
だんだん、わからなくなってきちゃった。
すごくさむいし、さみしい
12月27日
お母さんがかえってきたけど、ぼくを知らない人たちのところにつれてきて、またいなくなっちゃった。
お母さんがもらってたのはお金だとおもう。
ようじがおわったら、またお母さんきてくれるかな?
1月3日
おふろに入れてもらった。ごはんもおいしかった。くすりもくれた。
おねえさんに聞いたら、ここは“ちりょうしせつ”なんだって。
でも、こどもがぼくだけで、大人ばっかり!
1月5日
兄ちゃんが、ぼくに会いにきてくれた!
うれしかった!
でも、兄ちゃんはないてた。
ぼくをぎゅっとしてくれた。
ぼくも少しなみだがでた。
1月26日
今日も兄ちゃんが来てくれた。
いつも、ぎゅっとしてくれる。
うれしいな。




