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何も考えないでおこう

 意識を取り戻さない魔王を抱えながらイルシャワの森奥地にある自宅に帰って来た。もちろん魔族の3人も一緒だ。


 「入ってくれ」


 魔王を抱えた俺が先に家に入り、3人が後から続く。そのまま俺は寝室へ向かい、魔王の血塗れの服を俺の寝間着に交換した。もちろんちゃんと洗ってある清潔なものだ。

 その際に服の背中部分に二箇所、切り込みも入れて羽根をそこから出してやる。そしてベットに魔王を寝かせた。新しいベットを血塗れにさせるわけにはいかない。


 魔王はスースーと規則的な寝息をたてている。迅速な輸血処置のお陰で命に別状はないようだ。


 魔族の3人はホッとしている表情で俺にお礼を言って来た。だが急に3人ともフラつき始める。ホッとして気が緩んだのだろう。


 「ちょっと待ってろ」

 

 俺は家の壁に手を当てて家の設計魔法陣を呼び起こす。そして部屋を新たにもう1つ作った。


 「・・・私はもうアイク様が何をしても驚かない事に決めました。」


 「俺も・・・」


 「うん・・・そうれすね・・・」


 そんな言葉を無視しつつ、作ったばかりの部屋に入り、新たに魔法でベットを3つ並べて錬成する。


 「お前らも暫く寝てろ。魔王が目を覚ましたら教えてやるから。」


 (とは言っても、暫くは起きないだろうけどな。)


 そして3人をベットに叩き込んだ俺は改めて薬草を採取しに行った。あらゆる薬草を手に入れ、1時間ほどで戻って来たが、まだ誰も起きては来なかった。


 ここぞとばかりに俺は取ってきた薬草にウキウキとしながら取り掛かる。

 そう、これが俺の求めていた研究・調合ライフだ。


 作業は夜中まで続き、満足した所で俺は眠りについた。



◇◇◇


 

 天井から心地良い朝日が差し込んでいる。


 俺はゆっくりと目を覚ましてベットの上で身体を伸ばした。


 「ふぁ・・・よく寝たな・・・」


 ・・・ふと、俺に暖かいモノがくっついている事に気づく。


 「兄ちゃん、これって夢かな?夢なら僕は一生目覚めたくないのだけれど」


 魔王が俺に嬉しそうにくっついていた。


 (あ・・・しまった。コイツを寝かせてるのを忘れて同じベットで寝てしまったのか、俺は・・・)


 魔王は身体が小さいので寝る時に気づかなかったのだろう。魔王と一緒に同じベットで眠るなんて、村の奴らが聞いたら『正気か・・・?』と疑われてしまうところだ。


 だが、過ぎた事は仕方ない。実際に俺の身体に呪いなどの状態異常や精神操作をかけられた形跡もないし・・・害がなければ問題は特にない、と無理矢理自分に言い聞かせる。


 「ほら・・・起きるぞ」


 「うんっ!」


 トテトテと俺について来る魔王は俺の寝間着の上だけ着ているのだが、その1枚で膝下くらいまで隠れている。本当に小さいな・・・。


 リビングの扉を開けると、魔族の3人はもう起きていたようで。


 フィーは椅子に座って俺の雑誌を勝手に読みながらお茶を飲んで寛いでいるし、ガイルはリビングの隅で筋トレをしている。ルルは俺達を見て当たり前のように朝食を並べ始めた。


 「自分()かよ・・・」


 なんだこの恐しいくらいの順応性。


 「おはようございます」


 「はよッス!」


 「おはよれす♪」


 しかも普通に挨拶までしてくる。


 「みんなおはよう〜良い天気だねぇ」


 「・・・おはよう」


 村の奴らがこれ見たら・・・いや、何も考えないでおこう・・・。


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