本屋にて
たまに本屋へ行く。
本屋の入り口に『話題の本』が置いてある。
昔、私がここで薦めた本『ケーキの切れない非行少年たち』が本屋の入り口に積まれていた。
何でもコミックス化されるらしい。
私にとって、非常に印象深い本だ。
とにかく全ての人に読んで欲しい。
介護職をやっている私が頻繁に目にする光景がある。
「あの聡明な父親がこんなになってしまうなんて」
「あのやさしかった母親がこんな態度を取るなんて」
もう頻繁どころじゃない。
認知症の老人の優しさは消えてしまうのだろうか?
認知症の進行と共に優しさが消えていっている訳ではない、と私は考える。
若さは関係ない。
認知症も関係ない。
消えていっているのは『気の正しい使い方』だと私は考える。
『気の正しい使い方』は知能指数の低下と共に消えて行くものだ。
社会問題を起こすのは、若年層であれば非行少年で、高齢者であれば認知症の老人に多いだろう。
たしかに知能指数が低い人間は問題を起こしやすい。
だが「自分がこの行動を取ったら周りがどう思うか?」
これは知能指数が低くても、時間をかければ取り除ける問題ではないか?。
詰め将棋を瞬時に回答出来る人もいる。
半日かけて、導きだす人もいる。
必要なのは「二手三手先を読む力」だ。
答えはどちらも正解だろう。




