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1-6 

 朝4時半、日は出ているようには見えるが外はまだ蒼く染まっている。

 僕は今日始めてパーティーを組んでダンジョンに潜る。

 寝る前までは緊張と不安を抱いていたが、当日になった今、自然と期待と楽しみという楽観的な感情が強くなっていた。

 オリアナと待ち合わせしている時間まで三時間半、移動を考えるといえでゆっくりしていられるのは二時間といったところ。


「……よし!」


 気合を入れるため、洗面所で顔を洗い、身支度を済ませ、いつもの場所に向かうため、家を出る。

「行ってきます」


 誰もいない部屋に行ってきますと声をかける。

 いってらっしゃいという言葉が帰ってくるわけでもないが、癖でつい言ってしまう。

 僕の住んでいる、正確には住まわせてもらっている家は街の中心からかなり離れており、繁華街までは少々時間がかかる。

 そのため早寝早起きは僕の中での鉄則みたいなところがあったりする。

 

 家を出て三十分、十一歳になった頃から僕のお世話をしてくれているおじいさんの家に着いた。


「源三さん! おはようございます!」


 元気よく挨拶をすると風鈴の音がカランっと鳴った。

 これは入っていいよというサイン。


「お邪魔します」


 玄関の引き戸を開け、靴を置き、廊下を歩く。

 源三さんの家はタイダル地方では珍しい和のテイストが主になっている

 廊下を進みダイニングキッチンから右手に回るとそこが源三さんの部屋。

 隙間なく閉められている障子の奥に影が見える。


「おはよう、智也」

「おはようございます」


 障子は開けずその場で正座をし、丁寧に礼をした。


「今日始めてパーティーを組むんです。その報告をしに来ました」

「そうか」

「それでは、行ってきます」

「智也」


 呼び止めるように僕の名前を呼んだ。


「翼竜には気をつけるのだぞ」

「翼竜……ですか……」

「今日は気流の流れがちょいとな。引き止めて申し訳ない。パーティーを組んでくださる方に感謝を忘れぬようにな」

「はい!」


 足早と僕は源三さんの家を出てタイダル地方からクレイ地方に向かった。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

次回から不思議なダンジョンの攻略がついに始まります!


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