金持ちを夢見た少年と不思議なダンジョン

　主人公沖汐智也の住むキートランドという世界には、不思議なダンジョンと呼ばれる場所が存在する。
ダンジョンの入り口にはゲートという門があり、その門をくぐりダンジョン内に入ると、特殊な力が働くと言われている。
ある日、ダンジョンの奥には何億という価値のある秘宝があるという情報を手に入れた智也はこれで金持ちになれる！　と考え自分の住む地域から一番近い不思議なダンジョン、死滅の谷に挑戦するもフロア一階にて魔物に殺されかける。
　想像を絶する痛みに、二度とダンジョンに潜らないと思いながら、魔物の攻撃にただ体を震わせることしかできない智也の前に、一人の人間が現れる。
　その人が杖を地面につつくと智也の体中に電気が走り、ダンジョンを映し出していた視界が真っ暗に変わった。
　意味深な言葉を脳内に埋め込まれ、目が覚めるとゲートの前で倒れていた。
「この世界の真理にたどり着け、ダンジョンにのみ魔物が生息する理由。その魔物が凶暴化した理由、ダンジョンの奥底にいる主の存在、そこにたどり着いた時、君は……」
　この言葉の意味、それを知るため、そして金持ちになるため、智也はまたダンジョンに潜ることを決意する。
　
　これは、不思議なダンジョンで不思議な体験をした少年が、幾度となくダンジョンに挑み、失敗し、それでも諦めずにダンジョンに挑み、苦難を乗り越えた先にある楽園を夢見た一人の少年、いや、探検隊の物語である。