武器作り:兵器への道
「ねぇコウ」
「なに、マオ」
「未来が見える水晶がここにあります」
「なにも見えんけど」
「あるんですー」
「…はいはい」
サラサラと水晶を見ながらマオが何かの図面を書いていく
書きながら話を続けるマオ
「未来の武器をさ、先取りしできたら最強じゃない!?って思ってさ」
ばかみたいなことを思いついてきたようだ
「こんなもんかな、はいこれ図面、魔法陣は任せた」
渡された図面をみる
…つまりは以前作った魔法放射筒の小さい版ということ?
「未来の世界では銃って呼ばれてるらしいわ」
…水晶から声も聞こえるんですか?とは聞かないことにした
なんとなく踏み込んだら負けな気がして
「ふーん、銃ねぇ」
マオが書いたにしてはしっかりとしている、魔素を魔力弾に変化させて魔法陣で打ち出す
シンプルだがそれ故に改造のしがいもある
例えばそう、連射とか、チャージ機能とか…
「いいねこれ、面白い、作ってみる」
そんな訳で銃とやらを作ることにした
◇
カチッ
スパンっ
このトリガーとやらは天才的だ、マオ…本当に未来が見えたのか?
普段は、というか筒のときは流し込む必要があったけど、トリガーを使うことで体の一部のように魔力を流して巡回させることで無駄がなく、かつ直感的に弾丸を打つことが出来る
「おお、無限連射銃…」
フルオートじゃん…とか呟きながら銃をみるマオ
ふるおーと?
実は試作2機目だがお気に召したようだ
1機目はトリガーを引いたら弾けた
「これ、なんかロゴとか入れましょ」
「ろご?」
「コウが作ったっていう証拠マーク、ついでに私がつくりました!的なのも欲しいわ」
「…ふむ」
銃作りよりも面倒くさそうな話を持ち出してきたマオ
◇
「ロゴがマークというのはわかった、まあ仮にこんなのだとして、これを銃に彫ればいいの?」
「そーそー!なかなかイケてるマークね」
うーん、こんなのより銃の改良していきたいんだけどなぁ
チャージとか連射は試作品も出来たし、指先にはめて魔力を込めたら撃つとかもいいかも?
武器の小型化というのは他にも出来ないだろうか
「…あっ」
仕込み剣とか…そういうのカッコイイなぁ
◇
今回の武器作りは長々と、長期間にわたりやっていた
「…これらは何を作ってるの?」
「アクセサリーみたいな武器、仕込み剣に仕込み銃、腰の…その紐の鞭とか」
「…ベルトのこと?」
「そうそう」
なんでも、最近の流行りの服装らしい
ふーん
「どこに仕込むの?」
「…」
試しにと自分に仕込む、あらゆる所に付けていく、軽いため自分でも簡単に扱えそうだ
…けれど
「仕込まれてないわよ?」
仕込みすぎてバレバレとは本末転倒だ
腕の布製品はナイフが仕込まれてるが、そもそもつけている時点で怪しい、色の問題ではなく、有無の問題だからお手上げだ
ありがちな首のアクセサリーだが、キラキラした紐みたいなのが普通とするとこれはあまりにもごつい
魔力を流しやすくするせいで見た目が悪いのだ
同じく靴と耳のアクセサリーもごつい
「小型化頑張るよ…」
一つ一つは質的には完成度は高いのだが、見た目が悪い、もう少し威力そのままに小型化できれば変わるだろうか
「見た目が悪いのは否定しないけどそもそも全部仕込むんじゃなくて一つ二つに限定すれば…あ、引きこもった」
コウは工房に入っていった
◇
ある時マオが友達を連れてきた、ここに連れてくるとは何事かとも思ったが、マオ曰く大丈夫との事
その自身はどこからくるです?
連れてきたのは茶髪なゆるふわ女性
「ソエル、と申します…初めまして、よろしくお願いします」
どうやらゴーレムを使って戦うらしい、そのゴーレムに仕込む前提で武器を組み合わせたら、とマオが思いついたらしい
勝手なイメージだが、ゴーレムと言えば太い腕の物理ダメージで粉砕していくイメージだ
腕の物量が比例してダメージになるのはその通りらしいが、細身で剣を操らせることも出来るらしい
ゴーレムってすげー!
…はい
ソエルさんいわく今は亡きゴーレムマスターは細かいゴーレムをつくり、動く家を作ることも可能だったとか
…ただ、自分の素人目だけど
ソエルさん、あまりゴーレム使いには向いてないんじゃないかな?
まぁ関係ないが、今はゴーレムに仕込む前提の武器を作ろうと思う
まず手始めには全ての指からビーム!
は魔力に偏りが発生するから人差し指だけ
指の形の火炎放射器を改良した熱線バージョン
動かしているところを見せてもらった、か、かっこい!!
「が、合体とか」
「それは無い」
「すいません、それは…」
「あ、はい」
まぁ複数体作ってまとめるよか最初から一体作るわな、はい
元々が人用、というか自分かマオように作っていたので関節やらの可動域も人サイズ用だ
それならと、ソエルさんはゴーレムを人に近づけたのだ
「…おぉ?女の子だ」
出来たゴーレムは可愛らしい人間の女の子
「コウ?あまりジロジロみてると目を潰すよ?」
今までにない物理的アプローチだぁ…
柔らかそうな表面やら気になったんだけどなぁ
ちなみにゴーレムにその概念があるのか知らないが、全裸っちゃあ全裸でした
…いや、一般的に考えてその理論だとゴーレムみんな裸になるけど!?
マオに首根っこを捕まれ退室
改めて入るとゴーレムにはマオの服を着せていた
女性二人で着せ替えゴーレムが始まり裸を見たとかで理不尽な拳骨貰ったりもした
いや、ゴーレムじゃん…
◇
手のひらから魔力弾の機構をつけるとき、ゴーレムに組み込めるため一目じゃ分からないようにできたのは感動的だ
右手で左手を引き抜くと骨に当たる部分が剣になってる仕込み剣もいいアイデアだと思った、実装させてもらったが、マオにはグロいと言われ、ソエルさんもドン引きだった
うーん…
足には空気中の魔素を踏むことで空を歩けるやつを
髪の毛にあたる部分を魔力を込めたら硬化する物にしたり
人の骨を全部刃物にすれば強そうと提案したら、それはないわとマオに言われ、ゴーレムだから骨は要らないですとソエルさんに拒否されました、はい
胸部はゴーレムの核があるからあまりいじらないでと言われたので特に触ってません
どうしてゴーレムの服を躊躇いもなくめくったら頭をはたかれたのでしょうか
マオには「この子も女の子なんだよ!?」と言われました
…ゴーレム…さん?
ワンピースを着させるのだが
鱗上に硬い素材を使ったことで滑らかにも関わらず土弾は軽く弾いた代物となった
…防具も面白そう
ワンピースの服なのはゴーレムの意思らしい、えっと、お二人共、何を言ってらっしゃるのでしょう?
ゴーレム…だよね?
そんなこんなでゴーレム作りは進んだのです
…後から思えばマオの行動に違和感しかなかったよな
ソエルさんとやらも、張り付いたような笑顔がたまーに怖く見えたよ
後からふりかえっても、自分は何を作らされたのだろうか
あ、ちなみにこんなゴーレムを何体も作ったのは別のお話
少しずつ、1話の最後に、その先に、刻々と