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後日談

前回の続きに1話の「最後」が入ります

そちらを挟んでからのこちらとなります


人王フル=ネセトは灰となり、フェル、ソエル、セーラ、コウ、ミヨ、マオが灰の山へと集まる


「…終わったか」


『おわらんよ』


突如としてその声が響く

六人が構えて見渡すが声の主は見当たらない


「人王?」


『あぁ、まさか花鳥風月の力を別の』

「姿を表しなさい!」

「マオっ!?」

遮るようにマオが叫んで灰の山を蹴りあげた


なにしてんの!?



『ぐむぅ…まぁいい、儂が死んだことによる世界均衡の崩れ、貴様らごときで解決できるかな…くっくっくっ…あーっはっ』

「出てきなさい!」

「マオってば!」

マオが空気を読まずに灰を踏みながら叫ぶ


…ちょっ



『っちぃ、そこの小娘、先程から癇に障るやつだ、ふむ、一つ』

「あっ、霊体見るメガネあったわ…灰の上になにか見えるっ!」


灰からこちらに戻ってきて、また、話を遮ってマオが喋る


「花よっ!」


相変わらず待つことをしないマオが灰の上の空間を指さす


すかさずソエルが生命力を操る魔法を行使する


『くっくっ…効か…ぬ…ぐる…じぃ…』


「いや、効くのかよ…」


灰の上の空間が黒く淀み、霧散した



「…おーい」

「やったわっ!」


…人王の気配は消えたという


大丈夫?最後の話とか聞いといた方が良かったんじゃない?

あっけねぇ!



フェルとソエルを残し、四人はゲートから戻ってきた、場所はコウとマオの工房


「…静か…過ぎないか?」


森に囲まれ人が近づけるような場所ではないと知ってはいる


しかし、あまりにも静かすぎる

コウはそう感じていた



「…静か?こんなにうるさいのに?」


マオがキョトンとした顔で聞き返す

以前と違い背丈が同じくらいだから違和感があるのか、コウはその言葉の意味がわからなかった


「…私にもうるさく聞こえる」

「私は何も聞こえないぞ」


セーラとミヨが口を開く


「レイ…す…が嫌がってる、バンシー?」

瞬きの間にセーラの横に黒い少女が現れる


「セーラ、各地で異変が起きてる、空間にヒビが入ってる、世界の何かしらのバランスが崩れてるみたい…」


黒い少女はそう告げるとまるで水になったかのようにデロンと溶けて消えた


「バランス…ねぇ」

コウが工房に戻ろうかと歩き出したその先

何も無い空間が音を立てる


ビシビシと亀裂がはいり、穴になっていく


「…これは」


穴の先は黒い砂漠だった




突如として各地に謎の空間へと繋がる入口が開いた


その穴の大きさはバラバラだが、大気中の成分が調べなくても分かるほどに違う

まさに異世界へと繋がっているのが分かった


穴の先によっては特殊な洞窟、ダンジョンになっているのもいくつかあり

コウたちの予想は人王が隠していた世界や洞窟の入口が露見した


ということになった



人々は人王の存在の歪さのほうが話題的には大きかったからか、この空間は二の次とされてしまった



最初こそ多くの人が戸惑ったが、月日と共にこの異常は日常へと馴染んでいく


大気の差や、先は魔法が使えないなど様々な事が解明され、少しづつ解析が進んでいった




ある日、都市がゲート先で発見された


その都市は機械が街を動かし発展していた


魔法の無い世界、そして機械が発展した世界


後にこちらの世界にとって異世界であるその世界は

機械世界と名付けられた





「…なぁマオ」


「なに?私と結婚することにでもした?」


ゲートが開き数年、その間も二人で過ごしていたコウとマオ

コウは黒い砂漠の調査ばかりしている



「いや、それは前話した通り変わんないけど、マオってさ…機械世界の銃の事知ってたよね?」


「…うん、知ってたよ」


「…」


「なに?嫌いにでもなった?」


「いや、少し違和感があって、どうしてかなぁって思っただけ、こうもあっさり認めるとは」


「そう?…そうね、結婚してくれたら私の秘密を全部教えてあげる」


ことある事に結婚を推してくるマオに苦笑いするコウ


「結婚っていう形になにか理由でもあるのか疑いを持つよ?」


「あるよ?とっても大事なこと…」


えぇ…と顔を歪ませるコウ



「うーん、色々言えないんだけど、機械世界で治療しなきゃいけないの、魔法じゃ治せない病気を、そのためにもコウと結婚しないとね」



「マオってゲート先はダンジョンしか行ってないよね」


「嘘発見の魔道具使わなくってもいいよ…うん、行ってない」



「行ったことがあったとか?」


「それもない」


「わけわからん…」



「そんなことどうでもいいの、それよりも機械世界とどうして行くかの方が大事でしょ?」


実際結婚云々についてマオはそこまで考えて無さそうだ


マオが指折りに数えていく

ゲートの管理

情報の管理

ダンジョンの扱い


そして、向こうからの侵略と

戦争の準備



こちらの世界は機械世界に対してこっそり人を送ったりと、文化などを調べている


そしてどうも向こうは資源が不足気味なようだ



「話の脈絡が…うんまぁいいや、工房を貸してくれてる人から手紙が来てさ、それも戦争の準備だと思うんだよね」


「うけるの?」


「…まぁ工房と場所を与えてもらってるのもあるしなぁ」



「ちなみにどんなの?」


「誰でも使える魔道具」


…それと、別枠で、魔法使いを殺す魔道具


「ふーん…銃とか?」


「…あぁ」



恐らくこの魔道具は戦争に使われる

それも、機械世界に対して、に加えて同じ世界の別の地域と戦うことも想定に入れているだろう注文内容だ


魔法使いを殺すための道具は機械世界に対してはいらない



「私は…コウについて行くよ?」


「…」



これからも魔道具を作っていくだろう

自分の作りたいままに、頼まれたように

人を助ける道具を、人を殺す道具を


いずれ自分の作った道具が人を殺したとしても

それを知らぬ顔で作り続ける

知らないふりをして作り続ける


…あぁ


自分は

ろくな死に方をしなさそうだ

これにて完結となります

ありがとうございました


これからは魔法×機械(科学)を題材にしていきます、世界観はこの小説の続きになります


戦争(戦闘)は是非とも書いてみたいですね…


キャラは基本続投ですので、機会があれば是非



しょーもない宣伝をするなら

「氷の魔法を使う者」と「死んでも私は生き返る」

が1部、2部となる…なるんですかね?なります!

こちら3部ですが…まぁ置いといて


少し未来の話には「我ら第六遊撃隊」が既に完結済みで投稿済みです

こちらの小説よりも面白いと思います(個人的に)

マオの話は没案に入れてしまったので改めていつか書き直そうと思います


読んでくださりありがとうございました

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