第92キロ チョコレート選び
フィールさんに事情を伝えて男女別行動です。
チョコの日が近いらしく、色んなチョコを売るイベントが行われているようだ。
水槽に泳ぐチョタコが次々に売れていく。
(俺の感性の問題かもしれないけど、チョタコは何か違うんだよなー。)
海産物より、もっとキラキラだったり、可愛かったりする方が良い気がする。
いや、チョタコも美味しいのだけれど。動物性のチョコってどうなの?
「そういえばチョコってチョタコだけなの?」
そうなるとどんなに可愛いチョコレートも全部原材料チョタコってことなんだろうか。
「いや、チョタコ以外にもチョコの海を加工したものもあるはずだぞ。」
そういえばチョコの海もあるんだった。チョタコよりはチョコの海のほうが採取が簡単なので値段も安価らしい。
ていうか、海を加工って何?あれか、塩みたいな感じか。
原材料はともかく、問題はやっぱり商品だろう。
チョコレートの甘い香りが漂うこのフロアが実は海産物物販で溢れかえっている事実を頭の隅に追いやることにした。
(メイにあげるチョコか……。)
苦いのはそこまで得意じゃないみたいだったから甘いのを選ぼう。
腹にがっつり来るならチョコブラウニーやらチョコケーキもありだけど、メイはそこまで腹にたまるものを求めていないだろう。チョコで作られた花もありだけど、これって味はどうなんだろう。
そもそもこういうのを求められているのだろうか。
いや、俺が勝手に上げたいだけなんだけどね?
俺の近くにいてくれるのがおかしいくらい可愛くて強くて、特別な力もあるメイ。誰から見てもそうなんだろう。
けど俺は、俺から見た彼女にチョコレートをあげたいんだ。
甘くって、キラキラしてるようなチョコレートを。
チョコ細工はどれくらい凝っているものが好きだろうか。
大雑把なところもあるけど、綺麗なものは嫌いじゃなかったはず。
ちなみにお金の心配はありません!栄養大臣なので一応お給料は出ているのです。
悩みに悩んで俺は一口サイズのチョコレートの詰め合わせを購入した。黒いチョコレートの表面には一つ一つ違う色の星が散らばっている。
「喜んでくれるといいなあ。」
「そうだな。」
ちなみに小林さんは花の形のチョコレートをいくつか買って花束のようにラッピングしてもらっていた。
マッチョンは皆にお世話になっているから、とハート形のロリポップ系のチョコレートを俺たちの人数分購入していた。マッパンと王様にもお土産として買うらしい。
(メイのために何かを選ぶのって、楽しいな。)
でも傍にメイがいないとちょっと寂しいから、次は一緒にチョコレートの店を回れるといいと思う。




