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第64キロ  ご立派なゴリッパ

 「さて、何から話そうか。」


皆が席について落ち着いた所で王様がそう言った。


「とりあえずヤリッパ将軍についてですよ。」


フィールが手を上げてそう言った。


「まだ光の国でも一部の人しか知らないんだけどヤリッパ将軍は将軍の座を剥奪されたわ。」

「なんかそんなこと言ってたよな?実に酷いことしたからか?」


メイが頬杖をついて尋ねる。


「それも一因ではあるけれど一番ヤバいのは雪の国に送ってた食料輸送隊を襲ってた黒幕の1人だったことよ。」


王様を見れば王様はその通りだと頷いた。


「ヤリッパ将軍をもっと強く裁いたりできないんですか?」


この前会った感じだと全く反省していないし、自由に行動してやがる。尋ねれば王様が難しそうな顔をした。


「ヤリッパ将軍はゴリッパ家の血を引くものでな……。」


なんだよゴリッパ家って……。また変な名前が出てきたと思っているとサラマンザラが苦虫を噛みつぶしたような顔をした。


「面倒ですよね~。」


ゴリッパ家ってなんなんだろう?


「名前は知ってるが詳しくは知らないんだ。説明してくれないか?」


疑問符を浮かべる俺を見かねて手を上げてそう言ってくれたのはメイだ。やっぱりメイはカッコいい。


「ゴリッパは光の国や雪の国を含む広い領土を治めていた者なんじゃ。」


王様はそう言って話し出した。



 ご立派な思考とご立派な行動でカリスマ性もすごくあった男がいた。それがゴリッパだ。ゴリッパは仲間を集め小さな争いが絶えないこの一帯を治めることに成功したのだ。ゴリッパを敬いその一族はゴリッパ2世とかゴリッパ3世とか名乗る様になった。けれどゴリッパが立派だったのは1代目だけだった。2代目にカリスマがない話はよくある話だ。ゴリッパにはたまたま子供が男の子しかいなかった。それはただの偶然だったが、ゴリッパ家の中で女子は外の血を持ってやってくるイメージになり、ゴリッパ2世は男尊女卑な思考を持つようになった。ゴリッパ2世、ゴリッパ3世の統治は酷く、ゴリッパ3世の時に下克上的なものが起きた。それによりゴリッパ家はこの辺りをおさめる権利を失い、さらにはゴリッパという名前を名乗ることもできなくなった。



 「つまり、元統治者の血を引いている嫌な奴ってことか。」

「実君も結構ストレートに言いますよね。」


こういう時に歯に衣着せても意味がないのではないだろうか。


「どうしてもゴリッパ家を未だに支持する者も多い。厳しく裁いたりすることは難しい。」


マッチョンが厳しい表情をする。メイがヤリッパ将軍を倒すと面倒だというのはこういうことか。というか光の国も雪の国も元はそのゴリッパの治めてたところなのか。


「あれ?じゃあ何で今は光の国とかに分かれるんだ?」


つい口から出た疑問に王様は笑った。


「儂は元々ゴリッパ3世を討伐するチームのメンバーだったのじゃ。雪の国の王も、雪の国の方の貴族でそのチームのメンバーじゃった。」


ゴリッパ家がいなくなった後に討伐に関わった貴族たちがそれぞれの地域をおさめるようになったようだ。


「ゴリッパ3世を討伐って言っても血が流れたわけじゃないですからね~?ゴリッパ3世も普通の貴族と同じ権限にしただけなんですよ。」


だから雪の国にゴリッパ家の血が流れる貴族もいるし、ヤリッパ将軍も将軍の地位を与えざるを得なかったらしい。


「それで栄養大臣はヤリッパ将軍から襲撃を受けたと……。」

「はいはい!そうです!なんか一緒に雪の国に来いとか……。」


王様の言葉に元気に答える。


「雪の国にはヤリッパ将軍の親戚……ゴリッパの血を引くカリッパという貴族がいるな!!」

「ふむ。将軍の地位を剥奪されたからカリッパのところから雪の国を治めようとしているのだろう。実殿の知識があれば現在雪の国で蔓延している病気を収束させることも可能であるからな。」


マッパンとマッチョンがそんなことを言う。この人たち頭良いな。


「確かに実さんの知識は意味が分からないけど凄いですからね~。」

「ゴールデンフェアリーよりも優先してくるとは思わなかったですけどね。」


サラマンザラとフィールがそんなことを言う。ゴールデンフェアリーがすごいことは分かってるけど、俺ってそれより凄いんだろうか?

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