第60キロ 通信でコイバナをしてみよう
今日は実はお出かけ中だ。町まで米を売りに行っている。俺は今、サラマンザラに渡された魔石を弄っていた。城と診療所と連絡がとれるようにとのことで渡されたのだ。正式な話はサラマンザラがするが城にいるフィールやマッチョンたちと連絡を取るなら役に立つだろう。けれどこちらの情報をとられるのは気に入らない。だからこちらの発信源を追跡できないように少し構造をいじっていた。だが
ピピピピピ
いきなり魔石がなって驚いた。驚いて金平糖が飛び出すが今は食べてくれる実はいない。
「っ、なんだ?こちらめいじつ研究所ですが。」
「あははは!魔石の出方がヘタクソですね~。」
「そういうえっと……フィールさんこそ最初からそれはどうかと思いますが。」
どうやらフィールと花子からの連絡らしい。魔石って3人での会話も出来るんだな。
「……何の用だ?」
「久々なのにご挨拶ですね?花子さんとは今日が初会話なんですけど?」
「そ、そうなんです!!一応通信の魔石のテストという事で。」
フィールが何か言っているが知るか。花子の方が状況の説明をちゃんとしてるじゃないか。
「テストって言っても、今話してるからこれで良いだろ。」
「久々なのに冷たい!!私はもっとお話したいんだけど。」
「そうですね。今は小林先生もいないですから、さっそくコイバナでもしましょうか!」
うん。花子の方が問題児だった。
「え?!何?コイバナ?!え?そんなの出来るの?!」
「だってだって誰かに話さないと感情がいつでも零れちゃいそうなんですもん。」
「え?花子ちゃんもメイちゃんのも気になる!!メイちゃんの相手は知ってるけどね?」
「うるさい。」
フィールがキャーキャー良いながら盛り上がっている。もっとテンション低くしてほしい。こっちが疲れる。
「え?メイさんの想い人ってどっちなんですか?サラマンザラさん?実さん?」
「「サラマンザラは無い。」」
「あ、はい。」
こちらの恋愛関係の話をつつかれるのは分が悪い。何しろ実は異世界人。俺の感情が零れてもその意味を解さず、相手が俺をどう思ってるのかは目に見えない相手なのだ。そのおかげで少しは可能性があるとも思えるんだが。
「それより花子の方が進展があったんじゃないのか?小林さんと一緒の職場なんだから。」
「た、たたたた確かに一緒に働いてますけど、働いてる最中はそんなこと考えられません。」
後半、声がしっかりしていた。仕事モードってやつか。
「へぇ、花子ちゃん、小林さんが好きなんだ?確かにイケメンでインテリだもんね。」
「え?あれくらいエルフだとフツメンですよ?」
「「……へー。」」
まあつまり、花子は小林さんの顔ではなく中身に惚れたのだろう。
「実君は明らかにフツメンだとは思いますが。」
「良いんだよ。あいつは可愛い系だし。」
「メイさんも可愛いから二人して小っちゃくて可愛いですね!!」
花子の言葉は慰めにはなってない。
「メイちゃんってすごく愛が大きくて重いのよ。里を一つチョコレートで潰せるくらい!」
「ええ?!」
「結果的に潰してはいないだろ?!」
「いやー、実君に危害が及ぶ事態があったらただじゃ済まなそうだよね。」
「た、確かに。」
いや、それは当たり前じゃないか?個人的には一応実以外のやつでも危害を加えられたら怒るぞ?
「例えば実君を連れ去ろうとした奴なんかがいたら」
「潰す。」
それはもう、魔力でぺちゃんこにしても良い。
もちろん物理的に。
そんなことを話していたら研究所の玄関が騒がしくなった。
「実?」
「メイ!!」
実が慌てて研究所に駆け込んできていた。




