第51キロ 日差したっぷりダークエルフ集落
俺たちは光の国を出た。そうして俺たちは東の、エルフの集落を目指すことになった。なんでもダークエルフの集落はみんな肌が荒れていて、しかも他の集落よりも年間に死んでしまう人が多いらしい。風土病かとも思われたがそこの集落と交流を持っても別にうつらないらしい。そこで小林さんが疑ったのが
「欠乏症か……。」
なんでもかんでも栄養で解決できるとは思わないけれど今回のケースでは少し考えられる欠乏症があった。なので俺たちは現地に赴くことにしたのだ。メンバーは俺とメイとサラマンザラである。
「小林さんの話的に食中毒の可能性もなさそうだし、俺たちが感染することは多分ないと思う。」
欠乏症であるならそこでの食生活が続けば発症するだろうけど。ちなみに道すがらにモンスターが出る。サラマンザラ一人だと辛いレベルなのでリーダーが頑張っている。他にいるのはミズタマンとトントンだ。攻撃がやばくなったらトントンに大きくなってもらってその後ろに隠れる。トントンは防御特価なので大体の攻撃は防げる。
そして意外なことにメイも戦っている。大樹の地下のことから戦えるのは知っていたけれど相変わらずレーザー剣だ。あの時はよく分からなかったが金色のネックレスに魔力をためて体から溢れる魔力を有効活用できるようにしているらしい。それから剣も溢れる魔力を剣の形にしているらしい。
「剣の心得は無いけど適当に振ってれば当たるぞ。」
メイの魔力なので仲間は斬れないらしい。フレンドリーファイアは無い。優しい世界である。剣はメイの魔力なので伸びてほしいなと思うと伸びたりするらしい。間合い関係なしとか怖い。
「そもそも魔力があるなら魔法使えば良いんじゃ?」
サラマンザラがそう言うとメイは気まずそうに
「俺は魔力で道具を使うのは得意なんだが、魔力を……特に大きく使う技は苦手なんだ。」
と言った。まあ戦えるなら良いと思う!俺何もできないし!!ミズタマンとトントンに指示することしかできないし!!
「自慢出来ないっすよ~。」
サラマンザラが呆れたように言った。
「まあ良いぜ。俺のいいとこ見せてやるよ。」
メイは空を飛んで俺に向かって振り返った。青い空に金の髪が映えて、光が舞ってやっぱりすごく綺麗だ。それに男前でカッコいい!!
「やっぱ格好つけたくなるですかねー。」
何が?サラマンザラに聞こうと思ったけどサラマンザラも魔物を倒しに行ってしまった。
戦闘は出来ないけど色んな分析はするべきだ。とりあえず倒した魔物の肉片を見て中に何の栄養素が入っているか分析しながら先に進む。
「それにしても……めっちゃ日差し強いですね~。」
俺は黒髪だからともかく金髪のメイは心配だった。髪の色薄いと日差しのダメージがやばいと聞いたことがある気がする。持ってきた荷物の中に麦わら帽子があったのでこれを装備してもらうことにする。
「メーイー!!」
「ん?」
呼びかけて振り向いたメイに帽子をかぶせる。
「わっ?!」
驚いたメイが帽子を触って確認しながら俺を見上げてくる。金の瞳が俺を映しているのによく分からないけど何かが満たされる気がする。
「被っときなよ。」
そう言って笑ったらメイは帽子をグッと深くかぶって俯いてしまう。あれ?何かまずいことしたかな?そう思っていたけどメイがぼそりと
「ありがとう。」
と呟いたから
「うん!」
と返した。メイから跳ねたチョコレートはしっかり口で受け止めた。
そうして草原を歩く。見える範囲に森がある。あそこらへんにもエルフの集落があるらしい。多分小林さんの故郷はあの辺だ。ちなみにこの辺はもう光の国ではないらしい。そうして日差しが照り付ける草原にその村はあった。なんだか肌が黒い感じで耳が長い人がたくさんいる。これがダークエルフ!!そう思っていると一人の女性が話しかけてきた。
「こんにちは。話は次郎さんから聞いてます……。私が田中花子です。」
俺より大きな身長で、すらりとした体。そして腕とかの露出が多いタンクトップにスカートをはいた女性。髪は薄紫でロングだった。彼女は顔にあった肌の炎症を隠すように手を当てて眉を寄せて微笑んだ。