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第50キロ  小林さんからの相談

新章突入って感じです。

腹回りを測る。……98cm。体重は99.6キロ……。

うん。100キロいかないからセーフ!!


「セーフじゃねえ!!」


そうメイがツッコミを入れてきた。


「いやいや、最近痩せにくい時期っぽいし、リバウンドしたかもだけど、100キロいかないのは大切!!」


確かにちょっと太ったけど!メイがいなくなったり色々あったんだもん!?仕方なくない?なんだかんだ言って運動もしてたのでワンチャン筋肉も可能性もあるとも思うんですがそれは。


「この腹で何を言ってるんだ?」

「やめて!腹をつつかないで!!」


メイがつついてくるので腹を両手で庇う。体脂肪を量るべきだろうか。いや、それでもし脂肪が減ってなかったら嫌になるな?というかそもそも前回の値が無いので判定できないし!!


「こういう時は慌てず焦らず痩せる食生活を維持していくことが大事!焦るなら運動を始めよう。」

「お前、俺がいない間にマッパンの料理食べてたんだろ?見た限りバターとかたくさん使ってそうだよな?」


そう言われると弱い。バターは油。固形油脂。洋食のカロリーが高くなる原因の一つだと思ってはいるんです。はい。オリーブオイルも油だからカロリー高いし……。


「こういうのは香りが大事だからな。少量でも香りが立つように使ってやると良い。例えばオリーブオイルは最後に振りかけるとか。」


メイがごま油を指差しながら言う。確かにごま油も香りを出すために最後に入れたりするもんな。塩分を控えるためにはおにぎりのご飯に塩を入れて混ぜるより、周りにまぶしたほうが良いし。香りにせよ、味にせよ、量を減らしたいのなら最後に周りにやるのが良いのかもしれない。


「というか、そろそろ食事だけでも無理があるんだろ。腹筋くらいしろ。背筋も。」

「そんな……俺が背筋とか打ち上げられたオットセイみたいになるよ?!」


デブの背筋は体力的にも絵面的にも辛そうなんですけど。


「痩せないと健康リスクが高まるとか言ってたのお前だろ?!」


まあその通りなんですけどね?




 そんなことをしているとサラマンザラがやって来た。先日のことで小林さんとサラマンザラには大樹の場所、めいじつ研究所の場所がばれている。まあ里のことが解決した今、メイもそこまで隠れる必要はないんだけど。


「小林さんが来て欲しいそうっすよー。」


小林さんに呼ばれているらしい。俺とメイはそろって診療所に赴いた。のだが……


「ちょっと待っててくれ!!」


小林さんはすごく忙しそうだった。診療所の従業員の方々もドタバタしている。


「前からこんなに混んでたっけ?」


首を傾げるとサラマンザラが呆れたように言った。


「二人のせいですよ~?」

「「え?」」

「小林医師は光の国で唯一栄養大臣の二人と繋がりがあるってことでこんなに混んでるんです。」


マジか。でも確かに正体不明の病気の人ととか、なんでも頼りたかったら栄養学を頼ってくるかもしれない。それでその知識がある医者がたった1人なら……。


「確かに大変だろうな。」


小林さんが診療所を閉め、ようやく落ち着く。


「こちらが呼んだのに待たせてしまってすまない。」

「いや、俺たちのせいなんだろ?なんか、ごめんな?」


メイが少し気まずそうに謝る。小林さんはそれに首を横に振った。


「人を助けるために医者になったんだ。別に構わないよ。」


やっぱりイケメンだな?小林さん。


「でも忙しいのは確かだ。だから従業員を増やそうと思うんです。」


小林さんは一息ついてそう言った。従業員を増やす。うん。良いと思う。頷くが小林さんは浮かない顔をする。


「どうしたんです?」

「それが……ぜひ来てほしい幼馴染のエルフがいるんですけどね。」


そういえば小林さんはエルフだったなーと思う。


「ダークエルフの看護師で田中花子って言うんですけど」

(田中花子?!)

「ダークエルフを光の国に呼ぶのか?」


俺が名前に驚いている間にメイが質問をする。そうだ、何か黒かったり暗かったりすると光の国ではあまり好まれないって聞いたような?


「それはそうですけど、小林医師のとこは結構特例何で大丈夫っすよ~。」


サラマンザラがへらへらと答える。


「この辺には世界初の栄養大臣が居て、ゴールデンフェアリーもいる。新しいもの……もち豚が流行りだしたのもこの辺ですし、ダークエルフでも比較的住みやすいと思いますよ。王様には許可とってありますし。」


なるほど。意外とちゃんと仕事はしてるなサラマンザラ。


「それじゃあ問題は?」


メイが首を傾げる。


「ああ……。花子ちゃんは俺の出身の隣の集落の子なんだけどね。」

(だから名前!!え?エルフって皆こんな名前なの?!)

「ちょっとコンプレックスがあるんだ。」

「コンプレックス?」


小林さんが真剣に頷く。


「肌が、荒れてるんだ。」


ほお?

え?スキンケアの話?


「それで集落の外に出たくないらしい。」


メイが首を傾げる。


「ん?そこまでのコンプレックスなら集落どころか家から出てこないんじゃねーの?」


小林さんがその言葉に頷く。


「集落は良いんだよ。だって―――――集落の全員の肌荒れが酷いんだから。」

「「は?」」


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