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第115キロ  ドラゴン、飼っても良いですか?

「何か知らんが懐かれた。」

「「なぜ?!」」


護衛の人、サラマンザラ、そして俺は声を揃えてしまった。


大きな闇の山はある日突然見る見るうちに小さくなって視認できなくなってしまった。メイに何かあったんじゃないかと現場に向かった俺たちが見たものは


「これが闇のドラゴンだ。」


そう言ってニジより少し大きな真っ黒いドラゴンにすり寄られるメイの姿だった。


「ちなみに女性らしい。」


淡々と闇のドラゴンの詳細情報を語るメイに俺もシタッパもあまり口を挟めない。


「光が好物で、ゴールデンフェアリーから溢れる魔力が餌になるらしいんだが……飼ってもいいか?」

「え?えー……ええっと。」


闇のドラゴンを抱き上げてシタッパに尋ねるメイ。可愛らしいけど、実質脅しだと思う。町一つ夜にできるような巨大なドラゴンを抱えながらの脅迫。


「……王にはこちらから話を通しますので……ドラゴンさんをよろしくお願いします。」


他に管理できるあてもないのだろう。シタッパは悩んだ後にそう言って頭を下げた。


(ドラゴンが新しい仲間かー。大樹と仲良くやれればいいけど。)


そんなことを考えていると視界の端にオレンジ色がちらつく。見ればニジがいつもより力強く歩いていた。何やら言いたいことでもあるような……。ニジはメイの足元まで行くとメイの足をぴしぴし叩いて存在を主張する。メイはそれに気が付くとドラゴンを宙に離した。ドラゴンは羽を使って飛んでいるわけではないのか、そのまま宙に浮く。メイがいつものようにニジを抱き上げるとニジは満足したようだった。


(定位置をとるなってことか。)


大樹より先にニジに対抗心が芽生えるか。しかし闇のドラゴンは気にしていないようだ。多分ある程度年をとっているからだろう。年上ならではの余裕である。

ふと、闇のドラゴンからの視線を感じる。何やら観察されているように……じろじろ見られている。


「とりあえず帰りましょう~。」


サラマンザラがそう言って竜車を指さす。それを見たドラゴンはフルフルと首を振った。え?帰りたくないアピール?俺が静かに戸惑っているとメイが


「俺は飛べるから気を使わなくてもいいが……そんなに言うなら。」


と言い出した。そしてメイが了承した瞬間ドラゴンがぐぐぐっと大きくなる。

ここで夜みたいにでっかくなったら潰れるんだけど?!そう思って大げさに後ずさりをしてしまう。


「なにしてるんだ?実。闇のドラゴンが俺たちを乗せたいんだって。」


なるほど。乗れるサイズになっただけか。俺は少し安心した。

壁も何もないドラゴンの背中に乗っての飛行が大分恐怖であることに気が付いたのは数分後のことだった。


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