表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/121

第108キロ  リバウンドを超えた体重

「まあ各ミネラルについては一通りこんな感じかな。体内での吸収とか使い方とか再利用の方法とか細かい話はまだまだあるけど。」

「概要って感じか。」

「総論って感じかも?ここから各論になるみたいな。」

「大きい枠から細かい枠になってくのか?」

「専門性が強い学問ってそんな感じじゃない?」


そんな俺はメイにミネラルの話をしている日々も軽く筋トレを続けていた。

豆腐は良いたんぱく源で低カロリーだけど、筋肉を積極的につけたいなら動物性たんぱく質の方が良いかもしれない。最近身をもってそんなことを感じている。


「筋肉の維持は難しいのに、どうして脂肪の維持はこんなに簡単なんだ……。」


いや、理論は分かってるんだよ。

歴史上カロリーは過剰の問題より欠乏の問題、つまり餓死のリスクの方が高かったことも分かってるんだよ。でも過剰な俺にとってはそれは問題でしかないのだ。




「でもまあ、比較的順調だな。」


身長154センチ

体重95.8キログラム

BMI40.4

腹周り95センチ


「そうだよ!順調だよ!!リバウンドする前の体重に戻った!!」


というかむしろ微妙にそれよりやせた!!

俺は密かにガッツポーズをとる。あと少し、あと少しでBMIが30台になる。


喜ぶ俺をメイが生暖かい視線で見つめてくる。

何その微妙な温度感。良かったな、でもそもそもそんなに太らねえよみたいな?


「確かにお前の腹、前ほど圧迫感がなくなったよな。」

「あ、そういう感想?」




そんな感じで俺とメイは栄養素の話をしたり抽出やら研究をしたりしていた。メイのことをちょっと意識しちゃうけど、研究の話はちゃんとできるし!


サラマンザラが尋ねてきたのはそんなある日の午後である。


「光の国の陽光町で体調不調の訴えが多くなっているですよ~。」

「陽光町?」


陽光町とは光の国の中でも太陽の出ている時間が長い町で独特な文化がある町らしい。


「で、俺のところに持ってきたってことは何か栄養関係のことが?」

「ちょっと大きな環境変化がありまして。それが関係してるのか実さんの知見を借りたいそうですよ~。」


確かに多くの人に栄養障害が起こるようになったなら環境の変化は重要な要因だ。米の精製とか、生鮮食品が入ってこなくなったとかね。

その地域の文化で何かあるなら最近の変化じゃなくて風土病として考えられているはずだ。ダークエルフの里のペラグラのように。


「ヤリッパのことを覚えてますか?」


サラマンザラの言葉にゲッとメイが嫌そうな声をあげた。


実のダイエット記録更新です。


身長154センチ

体重95.8キログラム

BMI40.4

腹周り95センチ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ