表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/121

第103キロ  スポーツ栄養学は専攻してない

筋トレと言ってもきつすぎるのは嫌だし、じわじわくる自重トレーニングを汗をかいた分水を飲み、息を意識しながら行っている。有酸素運動になーれ。


5分くらいの筋トレも4つやれば20分!脂肪が燃える時間くらいは運動しているはずだ。

ヒット?ヒート?何かそんな感じの運動になってるといいなあ。調べたいけどもとの世界の知識がこちらで調べられるはずもない。


(スポーツ栄養学、専攻してなかったからなあ。)


塩分とかミネラルが汗から流れ出ることを考えれば水よりスポーツドリンクのほうが良いけど、のどの渇きに任せてスポーツドリンクをめっちゃ飲むとカロリーが気になる。スポーツドリンクは薄めて飲ませるべきか否かみたいなのを考えるのは俺の仕事じゃないと思ってた。


汗は確かにしょっぱいし、汗をたくさんかいたときに水を飲んでも体調が改善しなかったら塩を少量なめてみても良いのかもしれない。

いや、現実逃避をしている場合ではない気がする。


「基礎代謝があがっているのか、前より暑いと思うようになった。」

「じゃあ寒さには耐性が出来たのか?」

「相変わらず末端冷え性なところがあるのでしもやけとかにはなりやすそうだけどね。」


見た目に出やすいといったけど、俺くらい太っていると筋肉が少しついても脂肪のせいで分かりにくい。脂肪の底には確かに固い筋肉を感じることはあってもその手前がぼよんぼよんだからである。




「そういえば結局この前は多量ミネラルの話しかしなかったな。」

「ああ、微量ミネラルについては話さなかったっけ。」

「亜鉛の話から派生したのにそっちに触れないってどういうことなんだ。」

「じゃあ微量ミネラルの話でもしようか。」


俺がそういった時にはすでにリーダーの手によってホワイトボードが設置されていた。

手際よすぎじゃね?


「じゃあまずは鉄から。」

「鉄は結構みんな知ってそうだな。血液に含まれてるし、足りなくなると貧血になったりする。」

「まあ鉄欠乏性貧血だね。うん。確かに微量ミネラルの中では一番有名かも。」

「でも微量なんだな。」

「まあ微量だね。」


微量ミネラル系は体に必要だけど、必要な量はそれこそ微量だったりする。

多く摂ると中毒を引き起こすこともあるし。


「体内の鉄の80%は機能鉄でヘモグロビンとかミオグロビンにいるよ。こいつらは殆どがヘム鉄。」

「機能鉄ってなんだ。機能してない鉄があるのか?」

「うん。後の20%は貯蔵鉄。殆どが非ヘム鉄で肝臓や脾臓、骨髄、血液とかにあるんだ。」

「機能してるか貯蔵してるか、か。って血液にあるなら機能鉄なんじゃないのか?」

「そこは所属してる部署が違うというか……ヘモグロビンとかミオグロビンじゃなくてトランスフェリンとかに含まれてたりするんだよね。」

「血液の中にあっても貯蔵鉄だったりするのか。で、ヘムって何なんだ?ヘム鉄とか非ヘム鉄とか。」


やっぱりそこ、気になる?


「えーっと鉄とポルフェリンがキレート結合してるかどうかとかなんとか。」

「なるほど?」


なるほどじゃない!

メイはやっぱり錬金術師らしい。化学物質やら結合の種類やらで話したほうが伝わるとか。

だがしかし、問題は俺がそこまで詳しくないことだ。

そう。だってヘム鉄と非ヘム鉄で重要なのはどういう物質なのかという構造の話じゃない。


「大切なのは吸収率です!」

「吸収率?」

「ヘム鉄はどちらかというと動物性の食品に多く含まれてる。で、非ヘム鉄は植物性の食品に多い。」

「うん?」

「で、ヘム鉄の吸収率は非ヘム鉄より大分高い。」

「つまり?」

「食品成分表上では同じ鉄の量の食材を食べても、実際に体に取り込まれる鉄の量が違うんだよ!」

「あー……構造が違えばそうなるのか……?」


感動が薄い!もっとなんだってー?!って驚いてほしかったんだけど!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ