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揺りかごの中で悠久を  作者: 大葉景華
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第2話

ドスン!と言うか、なんというか。とりあえずそんな物凄い音を響かせながら僕はトラックに跳ねられた。ここでいつか読んだ小説の導入みたいにここまま死ねて神様が手違いだったとか言って生まれ変われるならどんなに良かっただろう。

なんて事を考えていたら2回目の衝撃。地面に落ちてもトラックとの正面衝突の勢いはまったく衰えずに僕は地面を何回転もしてようやく電信柱にぶつかって止まった。


「き、きゃああああああああああ!」


と若菜が叫びながらこちらに走り寄ってくる。トラックの運転手も慌てながらこちらに駆け寄ってるのが見える。

それにしても痛い。この程度で僕は死ぬわけないけど、やっぱりトラックに轢かれるくらいのダメージになるとやっぱり痛い。そろそろ僕も生き返るだろう。生き返る時の感覚が気持ち悪い。治る時の見た目も少し気持ち悪いしね。

クラスメイトとの雑談で1番嫌な事はなんだと話したことがある。みんなテストのときだとか成績返却だったり、掃除が一番嫌だと言って人もいた。僕はその時死ぬのが一番嫌だと言った。周りの人はそうだよなー死ぬの怖いもんなーと言っていたが、僕の言った意味を理解した人は一人もいなかった。僕は死にたいんだ。でも死ぬ事が出来ずに蘇るから嫌なんだと思ったけど流石に言わずに痛そうだしねーと当たり障りない話をしていたのも覚えている。

生き返る時はいつもこうして昔の事を思い出す。自分の覚えていることがふと出てくる時もあれば自分でも覚えていない事が出てくる時もある。

そうこうしているうちに僕は生き返ったようだ。周りを見ると驚愕と恐怖の表情を浮かべた運転手と若菜がいる。幸い、周りには人が少なく。僕の秘密を見たのは2人だけらしい。

僕は運転手に近づくとぽんと肩に手を置いて


「ここであった事はただの自損事故。そうですね?」


と言った。運転手は放心状態でこくこくと頷くとフラフラとした足取りでトラックに乗り込みノロノロとこの場を去った。

落ちていたカバンを取り、若菜に声をかける


「若菜、大丈夫?」


すると若菜は落ち着いたようで


「大丈夫?じゃないわよ!あなたこそ大丈夫なの?今、あなたが血まみれだったのに!何が起こったの?」


と僕に詰め寄る。


「大丈夫だから、全部説明するから。ね?」

「…本当に大丈夫なの?」

「うん、大丈夫」


じゃあと渋々離れてくれた。


「じゃあ河川敷で話す?」

「うん。渚は歩道側歩いてね!」

「え?でも車道側はあぶないよ?」

「あなたよりは危機感持って行動してるわよ」


と僕の腕を掴んで無理やり歩道側を歩かせ河川敷まで僕を引っ張っていった。


────────────────────


河川敷には人はあまりいなかった。子供が数人ボールで遊んでいるくらいで他には誰もいない。これなら盗み聞きの心配もないな。

先に若菜がすわり僕がその隣に座る。


「で、何よ?あれ。渚に何があったの?」

「うーん…説明すると長いけど…僕は不死身なんだ」

「…短いじゃない」


とちょっとズレたツッコミをするな若菜


「もっと細かに説明して?どうしてあなたは不死身なの?生まれつき?」

「ううん。生まれた時は僕は普通の人間だったよ。幼稚園くらいかな?その時にはもう不死身になっていたんだ」

「どうして?」

「…人はどうして食べると思う?」

「…栄養摂取とかでしよ?」

「勿論それもある。でも時に人は呪術的、儀式的に食べるんだよ」

「どういうこと?」

「足を怪我した時は足の早い動物の足を、目が悪くなったら目がいい動物の目を。そうする事で足は良くなり目が治ると信じられていた。そしてこれは本当の事なんだ」

「……」

「僕は小さい頃に妖怪と言われるものの肉を食べたんだ。そして僕は不死身の肉体を得た」

「…ずっとそうだったの?」

「うん。僕はずっと不死身の化け物だったんだ。今まで黙っててごめんね?もう二度と君の前には現れないから」

「どうする気?」

「海の底に重りでも抱えて沈めば多分数年くらいは浮かんでこないしとりあえずはそうしてみるよ」

「ダメ!」


若菜が僕に飛びついてきた。嗅ぎなれた匂いだけどいつもドキドキする。


「若菜、僕は見た目は人間でも本性は化け物なんだよ。だから僕と一緒にいちゃいけないんだよ」

「嫌よ!今までずっと一緒だったじゃない!こるからも一緒がいい!死ぬまで一緒がいいの!」


と言って離れてくれない。本来これは愛の告白見たいな事を言っているからドギマギするはずなのだけど、色々と残念すぎる告白だ。


「今までも普通に生活出来ていたじゃない。これかるも大丈夫よ。離れないで…渚」

「…若菜。うん、分かったよ」

「本当?」

「うん、ホント。若菜から離れようとしたりしないよ」

「うん…ありがと」


若菜が半泣きで僕から離れる。

すると急に若菜が僕をじっと見つめてきた。目のハイライトが無くなり、感情のない目で見てくる。いや、感情はある…殺意?

そう思ったのが僕のその日の最後の記憶だ。次の瞬間、若菜が僕の首に何かを突き刺し掻っ切った。

ああ…まただ…また例の走馬灯が出て来た…日に2回も死ぬのは久しぶりだなと思いながら僕は人生何度目かの、今日2回目の死を遂げた

うーん…キャラが動かない話も進まない…精進します

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