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転生者狩りの騎士と奴隷の少女  作者: 餅の米
第4章 黒騎士の過去編
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第22話 過去篇その22

街の中に入って見た光景は一方的な虐殺に近いものだった、能力を持つ3000の兵士が持たないクーロディリスの兵士を一方的に殺す……そんな光景だった。



「だ、だれか助けて!」



兵士の一人が助けを求める声を上げる、白斗はその兵士と目が合うが背けて建物の陰に身を隠した。



「黙れよっ!」



兵士が転生者に蹴られ、遊ばれるのを建物の陰から見ている……最低だった。



だが向こうは三人、一人なら勝機はあるが三人も居ると負けは見えて居た。



「すまない……」



その場から立ち去ろうとした時、兵士が蹴られた拍子に取れたペンダントが白斗の足元まで転がってきた。



白斗はそれを拾い上げると中を開く、するとそこには今にも殺されそうな兵士の家族が写って居た。



楽しそうに笑う家族写真……大切な人を失いたく無いのは白斗が一番わかって居た、エスフィルネを失う怖さ……気が付けば白斗は剣を抜いて居た。



そして建物の陰から身を出すと剣を投げ敵の一人を素早く始末する、そしてその辺に転がって居た兵士の死体から剣を拝借すると兵士に一番近い敵に斬りかかった。



「今のうちに逃げろ!」



座り込んで居た兵士にペンダントを投げ渡すと意図を理解したのか直ぐに逃げ去って行く、これで良かった……助けずに後悔して生きるより、助けて僅かな望みに賭ける方が。



「まだ俺らに立ち向かう元気がある兵士がいるとはな、しかも中々の力……だが俺には能力がある!」



そう言って鍔迫り合いをして居た剣を引き後ろに飛ぶ男、すると突然白斗は凄い力で押さえつけられる様に地面へと倒れた。



「こ、これは……」



起き上がれないほどの力……恐らくこれは重力変化の様だった、何とか顔の向きを変えて男を見ると白斗を押さえつけるだけが精一杯の様子だった。



「はぁ、はぁ……早くトドメさせちひろ!」



ちひろと呼ばれたもう一人のやや肥満体型をした男はその言葉に一瞬ビクッと体を震わせる、だが直ぐに剣を抜くと白斗の上に突き立てた。



だがその手は震えて居た、恐らくこっちに来て日が浅いのだろう、顔の表情も強張りとてもじゃないが彼には刺せるように見えなかった。



「俺を刺すのが怖いか?」



白斗は強がった様な表情で虚勢を張って肥満体型の男を睨みつける、すると男の表情はお化けでも見たかの様に悪くなっていった。



「馬鹿ちひろ!早く殺せ!俺は能力のせいで手が離せない、コイツが逃げれば俺達は確実に殺されるぞ!」



もう一人の男が肥満体型にそう言う、彼は状況がよくわかっている様子だった。



現在彼の能力で地面に押さえつけられてはいるものの、これは不意を突かれたから、能力さえ分かれば間合いにも入らない……同じ手は二度と通用しなかった。



肥満体型の男はふと何を思ったのか辺りを見回す、すると先程白斗が殺した仲間の死体を見て嘔吐して居た。



「ちひろ!何をやってるんだ、早く殺せ!!」



男の怒鳴り声はより一層強くなる、だがそれは肥満体型の男をより怖がらせているだけだった。



その間白斗は刻一刻と時を待っていた……力が弱まるその時を。



「くそっ、力が持たない……」



そう男が言った瞬間ありったけの力を全身に込める、すると白斗はその場から飛び上がり一瞬にして姿を消した。



「ど、何処に行った?!」



「後ろだ」



その声に男は後ろを振り向く、するとそこには気絶させられたちひろが居た。



「くっ、くっそぉぉおお!!!」



両の手を上にかざす動作を見て白斗は直ぐ様その場から動く、すると先程と同様地面がへこんだ。



白斗の姿を確認しては能力を使用する、だが白斗を捉えることは出来なかった。



「くっ、くっそ……」



息を切らし膝に手をつく男を見て白斗は近づくと手を使えない様に関節を外す、男は少しだけ痛みを口に出すが直ぐに白斗の方を向き唾を吐いた。



「殺せよ……俺の負けだ」



「殺しはしない、情報を貰うだけだ……」



そう男に言う白斗、だがその表情は暗かった……理由は先程戦った幻術を使う男、彼にあった。



彼は何か大切な情報を喋ろうとした時、魔法で死んだ……と言うことは彼も恐らく死ぬ、これは実験に近くもあった。



男に情報を聞こう……そう思い口を開こうとした時、辺り一帯に大きな魔法陣が出現した。



「これは……」



白斗が気付いた時にはもう遅かった。



「終わりだ、若き兵士よ」



空を飛び両手を広げそう言った白髪の若い兵士、そして白斗の居た辺り一帯に大きな火柱が轟音を立てて燃え上がった。



火柱は天高く、雲まで届きそうな程高く、激しく燃え上がって居た。

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