孤独な小説の書き方
かの芥川龍之介は言った。
小説家は、女に惚れる以外なにもしない――。
つまり、女に惚れてなにもしなければ、小説家と言えるのだ!
歴史に名を残すほどの偉人がそう言うのだから、私はそれに従いたいと思う。
しかし、私は女だ。
この場合はどうしたらいいんですか? 芥川龍之介先生? ちょっと生き返ってもらえませんか?
私は、不本意ながら女として生を受けてしまった。
それは仕方がないことだ。
しかし、大先生のお言葉を無視することもできない。
だから、私が『女に惚れる女』になったのも、仕方がないといえるだろう。
おかげで、私は、友人をひとり残らず失った。
なぜだ。
私は小説家になったのに、将来に対する不安をぬぐい去ることはできなかった。
これが、芥川龍之介を死に至らしめた『漠然とした不安』というものだろうか。
人生において何もやることがなくなっしまったので、暇つぶしに小説でも執筆しようと思う。
題名は何がいいだろう。
『ある阿呆の一生』とでもしておくか。
即興用に書いたもの。タイトルはお題。