おまけSS⑨
あけましておめでとうございます( ´∀`)
はい!皆さまお待ちかね!青空ステージにようこそ!
【こうしたらどうなるの?クイズ】の時間です!
本日の司会も僭越ながら私、ドロードラング領屋敷侍従長ことクラウスがつとめさせていただきます。
この企画、クイズと銘うってはおりますが、お客様参加型ではございません。ご注意下さい。
さあ!まずは例題です!
どうぞご登場下さい!皆さまご存知!サリオン様と仔虎様こと白虎様です!
ささ、どうぞ、こちらのステージ中央までいらしてくださいませ。
はい、ありがとうございます。
さて、こちらのお二方!我がドロードラング領の人気者!興行収入爆上がりの立役者でございます!
さっそくで申し訳ありませんが、融合をお願いします。
さあ!ここだけの特別ショー!融合の瞬間です!
お互いの魔力が絡み合い、それがキラキラとひかり輝く様が美しい!
そして現れるそのお姿は!!
ただただ可愛いぃぃぃっ!!の!です!!
8才となられたサリオン様は変わらず愛くるしく、白虎の耳!尻尾!そしてもふもふの手足!がさらにその魅力を増幅っ!
まさに至上!
褒めると照れるお姿もまた至高!!もはや芸術です!!
・・・ふぅ。たかぶり過ぎました。失礼いたしました。
サリオン様、仔虎様、ありがとうございました。
さあ!皆さまお分かりになりましたでしょうか。
白虎以外の他の四神が人と融合すると、どんな姿になるのか!
四神全面協力のもと、クイズとしてお送りします!!
ありがとうございます、ありがとうございます。これほどの反応がありますと、企画を立てた甲斐がありますね~。
おっと、あまり時間をかけるのもよろしくありませんので、サクサク進めますね。
続きましての登場は!
約五十年の遠距離恋愛を成就させました!朱雀様と!村長ことシュウ様です!
え?恋愛じゃない? しかし進行表にはそう書いてありますし、まあ今さらですよ、シュウさん。人型の朱雀様が今もべったりですから他に言いようがありません。
朱雀様、申し訳ありませんが、本来のお姿になってくださいませ。人型ですと融合について色々と支障がありますので・・・
はい。お手数おかけします。
おお!初めてお会いした時は大きな雀でしたが、現在は孔雀くらいなのですね! 本来はこの大きさ?鳥であればどんな種類にでも?おお!そうでしたか失礼致しました。
朱雀様がシュウ様の肩に乗る姿もまた絵画のようです!素晴らしい! 本日も紅色が美しい!
おっと!こちらの融合は炎のように揺らめく光です!
動きが激しいですが、そばの私はまったく熱くありません。不思議ですねぇ、あ!光が弱まってきました!いよいよです!
お、ほおおおおおっ!!これは!孔雀のような華やかさではありませんかっ!!
とさかを表すかのように頭上に立ち上がった羽!見る者に神々しさを感じさせる尾羽!それらが半裸のシュウ様を燦然と輝かせますぅ! どこかの国のお祭りのようですね!そう!サンバです!サンバ!
なんでしょう?シュウ様に合わせてステップを踏んでしまいそうです! ははっ!踊り子のようで楽しいですね! お客様もどうぞ踊りましょう!
おやシュウ様?涙目ですね?どうしたのです?
え?恥ずかしい? 何を仰いますか、見事な細マッチョに観客席からピンクのため息が漏れていますよ?
え?そこじゃない?朱雀様が?踊りが大好きで?ただいま暴走中?
あ!シュウ様どちらへ!?
・・・ああ、踊りながら行ってしまわれました・・・
しかし、楽しい時間でした。皆さまも楽しまれたようで何よりです。
さあ、次のお二方にご登場いただきましょう!
ミシル様と青龍様です!
本日も可憐なミシル様に、礼儀正しきタツノオトシゴ姿の青龍様です!
どうぞ遠慮なさらずにステージ中央までいらしてくださいな。
はい、ありがとうございます。
さ、一部では四神融合の一番の萌えに成りうると噂のお二方です!
おや、ミシル様はご存知ありませんでしたか?まぁ、こういうものは得てして本人には届かないものです。あぁ青龍様、萌えについての説明はまた今度詳しくさせていただきますので・・・はい、ご了承ありがとうございます。
ではさっそくお願いします!
おっと男性のお客様方、鼻息が荒いようですがステージには上がらないようにお願いします。もしお守りいただけなければ、不肖このクラウスが全力でお止めいたしますよ。・・・結構。
では改めまして!お願いします!!
おおおっ!まるで川のせせらぎのように穏やかな光です!癒されます!
おや?水流が少しずつ広がっていますね?失礼してステージの端に移動します。あ、ここまでですね。ステージからはみ出すかとドキドキしました。
あ!水流が止まりました!いよいよです!噂のお姿になるにはだいぶに大きなようですが、サービスならばありがとうございます!どうぞーっ!!
!!
なんと!ミシル様が八人!八人になっております!!これはもしや!ヤマタノオロチ!?まさかのヤマタノオロチ!!人魚を期待していた方たちの魂が抜けています!皆さましっかり!!
可憐なミシル様が残っているのは頭部のみ!青白い鱗にびっしり覆われた首から下の肌は凹凸が無く萌えも何もありません!・・・しかしこの大きさ、強そうです!
あ、泣いちゃった・・・すみませんミシル様!年頃のお嬢さんに大きくて強そうは無しでした!申し訳あり、え?違う?青龍の馬鹿?え?ああっ!?ミシル様ぁぁぁっ!!
ああ・・・、観客席をひとっ飛びして行ってしまわれました・・・ヤマタノオロチは意外と身軽なのですねぇ。ゾゾゾゾと何かを引きずる音が遠ざかっていきます・・・
はっ!皆さま、余波は大丈夫でしたか? あぁ私もちょっと髪が乱れましたね。手ぐしで失礼します。
さあ、いよいよ最後のお二方ですっ!!
我がドロードラング領主、サレスティアお嬢様と、魔物にしてもはやドロードラング領の守り神、亀様です!!
おやお嬢様、亀様のぬいぐるみは? え!せっかくだからとステージの外に亀様が移動してくれたですって? なんとなんと!ステージ背景撤去してくださーい!スタッフ~ッ!!
おお、見る間に撤去されました、さすがうちのスタッフです!
そして改めまして!ステージ奥に見えますのが!大き過ぎて鼻部分しか見られないのが残念ですが!あの方が!玄武こと亀様です!!
時間が迫ってるからさっさとやるわよ?イエイエお嬢様、皆さまの前でどれ程にお嬢様の魅力をお伝えしようか、え?いらない?恥ずかしい?心からいらない?・・・そうですか・・・いえ、いつかどこかでやりますので、本日は我慢します。
ハイでは!お願いしますっ!!
ふおおおおっ!!ステージいっぱいに砂嵐が!?竜巻です!まさかこんなに激しいものが!? ああ!会場が壊れていく!それでも私にも皆さまの方にも何も害はありません!さすがの亀様ガードです!お嬢様!亀様!
しかし大きい・・・先程のミシル様より規模が大きい・・・あ!弱まってきました!皆さまいよいよです!うちの可憐なお嬢様の優美な姿をどうぞご覧くださっっ!!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何ですか・・・これは・・・?
・・・亀様の頭部にお嬢様の髪が乗っかっただけのようですが・・・?
・・・フフッ、フフフフフフ・・・・・・
責任者っ!出てこいやあっっ!!!
***
ガバァッ!!と起き上がったサレスティアは、自分がベッドにいること、カーテンの隙間から朝日が射し込んでいることを確認してから、寝汗でびっしょりの額をぬぐった。
最後に見た真っ黒なオーラを纏った鬼の形相のクラウスをそっと思い出し、両手で顔を覆ってまた安堵の息を吐く。
「・・・ゆ、夢で良かった~・・・!」
初夢風味でお届けしました(笑)
クラウスファンの皆さま!すみません!(初謝り。早っ!)
夢!夢なので!彼のテンションが高いのは夢だからです!
今年もゆるゆるになるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
みわかず