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贅沢三昧したいのです!  作者: みわかず
6才です。
12/191

続続4話 亀様です。<レベルアップ>


大亀を教師に迎えて、土魔法の学び直しから始めた。


お祖父様の本となんちゃって知識で今までどうにかなってたけど、魔力を循環させる感覚をつかんでからはより楽になった。私が魔法使用後に眠りやすかったのは、体の小ささだけでなく魔力の出し過ぎもあったらしい。


それを検証するのに畑を耕し、成長促進で野菜を作る。なるほど、眠気が少ない。そして、回復系と思ってやっていた植物の成長促進魔法は、土魔法をベースにやった方が楽だった!

属性ってこういう事か~。


ということで、特訓したのが花芸。見るのも楽しいけど、やるのも楽しい! 子供たちが喜ぶからと調子にのって咲き散らかして、花の絨毯だ!って転がってるところをお母さんたちに見つかり「誰が洗濯すると思ってんだい?」と首根っこ掴まれた。その後、その花はポプリになった。

植物の巨大化は黒魔法で応用できた。豆の木~!


大亀は食事という概念が無いらしい。これは本気で助かった!どんだけ食料を用意すれば!?とパニックになったもん・・・

あの宴会で食べないことを教えてもらわなければ、そのまま恩を返さずに封印の方法を探すとこだった。 唯一食事らしいものはお酒の匂い。蜂蜜酒の香りをなぜか気に入ってくれた。


さらに大亀は姿を現してからその場から動いていない。目と尻尾が微妙に動くくらい。まったく私らに何の害も無い。が、一人(?)であそこに居る事に、私がソワソワしだした。


「亀様、体を小さくは出来ない? 私が抱っこ出来るくらいに」


《小さくなれるが、質量は、変わらん。眠りにつくとき、そうして、地中に、潜る》


・・・なるほど~、そんなの抱っこ無理だわ~。


「あ、依代(よりしろ)に意識の一部を移すことは?」


《依代・・・出来る》


ということで、服飾班に大亀のぬいぐるみ(中身は魔法で空気。綿もまだ貴重)を作ってもらった。ま~、だいぶ簡単な見た目になったけど、よく見れば刺繍がしっかりされてたりしてなかなかの物である。うちのお針子たち優秀だよ!

 

そして子供たちに大人気。必ず誰かに抱っこされてる。大亀は目線の低さが新鮮だそうだ。ぬいぐるみと本体と別々に会話出来るので、それもまた子供たちにウケた。


カメ様という愛称は本人(?)が嫌がらないので定着。名前呼びにする?と聞けば、真名(まな)は教えないように言われているとのこと。・・・だから誰に?イヤやっぱ聞カナイ!


畑が落ち着けば、今度は鉄鉱石系がうちで採れるか亀様に教えてもらいながら探査。隣国とを隔てる山にはそこそこありそうだったが、ここで採り尽くすより後々の資源にまわすことに会議で決定。とりあえず農具と狩猟道具と調理器具が間に合えば良しと皆が言う。ということで、畑作に邪魔な分の砂鉄は採り尽くした。

そして、火魔法の練習を兼ねての道具制作。熱中し過ぎて火力が強すぎると怒られたりした。すみません親方!


材料が余ったのでマークに剣をと思ったけど断られた。ニックさんに認められないうちは真剣を持たないって。

意地を張っているわけでもなく、そういうプライドが男には必要になるんだとニックさんが言うので、残りは芸に使える模造刀にした。

斬れないけど重さは本物と同じなので、真剣に持ち代えても違和感が少ないと思う。・・・まあ、真剣を使う機会が少ないようにと願っているけどね。


一座をやろうと決めたきっかけはライラの歌声。ゴスペルが似合いそうな力強い伸びやかな歌声が洗濯場から聞こえてきた。ライラにつられてなのか、基本が歌ウマなのか、女子はほぼ全員聞いて気持ちいい歌い手だ。私は漏れたけど・・・ふん。


歌はライラを中心に結成。男子は恥ずかしいと(わめ)くので外す。正直女子だけ三人の方が華やか。膝上十センチのスカートを説明すると服飾班が燃えた。シンプルだけど可愛らしく仕立てられ、黄色い悲鳴があがった。衣装を見て女子達は意欲を燃やす。


男子は女子の護衛だったけど、演目が少ないので剣舞を追加。普段練習してることでいいからと模造刀を押し付け、度胸のある二人を指名。黒をベースにした衣装で打ち合う姿は五倍増しで格好いいと評判。・・・普通、二割増しとか三割増しって言うんじゃないの? この二人普段どんだけおちゃらけてんのかしら?


私はリハーサルで、桃太郎みたいにパッカーンオギャアのつもりで笑いを取ろうと蕾に隠れていたら採用されてしまった。要望を出す前に私の衣装が出来上がり、写真スタジオか!ってフワフワ服に、仁王立ちじゃなくてニッコリ微笑んで小首を傾げる!と演技指導。余りの厳しさに亀様に泣きついたけど、まあ、お母さん達の迫力には近寄れず、そっと健闘を祈ると言われた。悔しいので亀様を抱っこで登場するのを押し通した。

私裏方だったのに! 


そして誰もが感動したのがクラウス! 流れるような舞台進行に、プロですか?と唸る面々。お祖父様が領地に戻るまでにお土産を買いすぎてお金を使い果たした時に道中こうして稼いだものですとシミジミ言われた。・・・お祖父様ありがとう!


そんなこんなで芸人一座として始動。メンバーを代えながら、子供たちの遠足を兼ねて隣国をまわる事にした。隣国の情勢を肌で感じたいとの私個人の思惑もある。どんな人たちがどんな生活をしているのか見たかった。自国内は親や役人にバレそうだから営業しない。


そしてうちで商売になりそうな物を探したい!

これが最重要項目ね!

最初の興行が良かったので花芸を軸に演目を考える。花が関わるおとぎ話ってあと何があったっけな?

それにしても、花ってすごいな~。老若男女が喜んでくれる。亀様のおかげで皆が喜んでるよ!


《・・・・・・・・・・・・そうか》


何でそんなに間が?・・・もしや照れてる?・・・ぬいぐるみも本体も表情がわかりにくいな。それが亀様だけど。


そう言えば、料理班の新人たちがパンで亀様を作るって頑張ってたな~。キャラもののパンもいいな~。あ、どうせ亀様も連れ歩くから、亀様クッキーとかも良いんでない? マスコットとして活躍してもらおう。要議題っと。


杏を使った天然酵母が出来たので、領地のパンは飛躍的にやわらかくなった。パンの前に蜂蜜酒が出来てたけど、それはまあいいさ。パンがやわらかいとサンドイッチが食べたくなる。主に丸パンな世界だけど、型を作り食パンを焼いてもらいましたとも! 具はまあ、サンドイッチとしてはイマイチだけど、これからこれから。丸パンの方はまだまだ在庫があるイノシシ肉でハンバーガー。トマトソースが大盛況でした。


食料の保管庫は冷蔵冷凍取り揃え、更に保存袋と同じ仕様で一棟、それぞれ蔵を建てた。水魔法の練習で氷を作ったりしたけど、気温の変化も水魔法で出来た。空気中の水分を操作して一定の温度を保たせるのはなかなか集中力が必要で、ちょっと疲れた。畑に水を撒くという想像しやすい事なら私には楽らしい。

カシーナさんを怒らせて寒い思いをするのは温度変化に()かされないようだ。ううむ。


たくさんの保存が可能になり、保存食にするための塩や砂糖が足りなくてもどうにかなっている。でも料理の幅を広くするために調味料はある程度の量を欲しい。ハーブは薬草畑で作れるけど、まだ種を手に入れてないものもある。


そろそろ牛や鶏を飼いたいな~。ミルクと卵を常備したい。乳製品が食べたい。ハンバーガーにはチーズも入れたい。

豚は野生のアイツ(熊サイズの豚)の繁殖力が高くて助かってる。塩は塩湖も海もないから無理だけど、砂糖は自作出来るかな~?甜菜(てんさい)は育つだろうけど、サトウキビは魔法が無くても育つかな~? とりあえずは植えて収穫してみてだな。塩は海側のを希望。なんとなく懐かしい味がしそう。


三ヵ所目の町でうちの歌姫達がスケベ町長に目を付けられたけど、クラウスのお陰で難を逃れた。いやあ、手刀の風圧でカツラが飛ぶなんて誰も予想出来なかったと思う。パサリと音が聞こえた後のクラウスの町長に向けた笑顔が超コワカッタ・・・クラウスを座長に固定で異議無し!


それ以外は営業大成功!観覧料をとって一日に二回公演出来た! 同じ演目で構わないからまた来ておくれ、なんてお客さんに言われて嬉しかった。楽しんでもらえて良かった。お客さんの前でするのはまだ慣れないから、皆、夜はすぐに寝た。朝に酒瓶が転がってなかったから、大人たちも寝てしまったんだろうね。


花芸の発案者のケリーおばさんはとても喜んでくれた。子供の時よりも感動したって褒めてくれる。私らが興行してる間も演目を考えてくれていた。洗濯してると思いつくんだよと笑う。お疲れさまって抱きしめてくれる。


ふふ。ただいま!







お読みいただきありがとうございました。


ネタに詰まるとマークをいじってしまいます。ごめんね~楽しくて~(笑)


ではまた次回お会いできますように。


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『贅沢三昧したいのです!【後日談!】』にて、

書籍1巻発売記念SSやってます。
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