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贅沢三昧したいのです!  作者: みわかず
12才です。
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続続35話 夏合宿その2。<器>


「・・・俺たちは・・・騎士とは・・・なんだろう・・・」


午後のおやつに戻って来た男子が今までになくグッタリしている。


いや、グッタリというか、キノコがもっさりと生えそうな雰囲気。ぼやいたアイス先輩の騎士科生徒のみならず、文官科、魔法科の男子たちも同じ顔になっている。


男子たちの後に現れたタイトに、どしたのコレ?と聞いてみた。


「あ~、狩りが早く終わって、たまたまクラウスさんとニックさんの手合わせを見たからだな」


・・・あぁ。そういやクラウスは暇ができたからニックさんと手合わせするって執務室を出て行ったっけ。ルイスさんも出たし、私はその間刺繍をしてた。


「んで、その後フラッと現れたシン爺とクラウスさんの手合わせも見た」


・・・・・・あぁ、来てたんだ、シン爺ちゃん。


「まあ、シン爺は直ぐにギンさんに連れて行かれたけど、その時の捕まるまでの逃走劇も見た」


・・・・・・・・・あぁ、あれも見たのか・・・となれば、掛ける言葉はコレしかない。


「皆!あの人たちは私たちと人種が違うの!」


「ひどい言い(ぐさ)だが、その通りだ!」タイトも頷く。そして、「あの人たちが己の前に立ちはだかった時以上に恐い事は無い!と思えば大抵の事は冷静に対処できる!」


そうだそうだ!


「勝てない時はどうにか逃げろ!」


その言葉にアイス先輩が顔を上げた。


「あの人たちから逃げられるのですか?」


「俺は無理だ!」


「俺たちタイトさん(・・)にも勝てないのに!どうやって逃げるんですか!?」


「馬鹿野郎!お嬢が来るまで持ち(こた)えろ!」


「ちょっと待って! それって私がクラウスの相手をするって事!?」


「そうだ! お嬢がクラウスさんを足止めしている間に全力で逃げろ!」


「馬鹿じゃないの!?私だって敵わないからね!?」


「大丈夫!お嬢なら五分は持つ!」


「適当言うんじゃないよっ!?」


「無双歴更新中のクラウスさんと五分も対峙出来る女はお嬢しかいない!」


「そんな時ばかり女扱いすんな!!」


「はいはい、そのくらいにしなさいよ」


ハンクさんがシフォンケーキを持って来た。生クリームも乗っている。それを見て息を吹き返す男子たち。


「ナマの剣聖が見られて良かったじゃないか。戦時中はあんなものじゃなかったらしいぞ?」


あれでも全てじゃないのかとまた戦慄が走る。


「ルイスも執事として大分働くようになったんだから、クラウスさんも余裕があるだろ? 言えば稽古つけてもらえるんじゃないか?」


真っ青を通り越して真っ白になる面々。

ありゃ、こりゃよっぽどだったなぁと笑うハンクさん。

そんな中アイス先輩が立ち上がる。貴族先輩方も。お。


「俺は、俺たちは、これからもシュナイル殿下の助けになるために、稽古をお願いしたい・・・!」


真っ青だけど・・・


「お前らすげえな。さすがマークが褒めるだけあるわ」


タイトが呆れたようにも感心したようにも言った事に、アイス先輩はハッとした。


「マークさん(・・)が・・・?」


あれ、マークが「さん付け」になってる。


「言ってた。慢心せずに精進しろよ」


はい!と言うとシフォンケーキを一口で食べた。わあ。


「お嬢!珍しいものを捕らえたぞい!」


わあ!びっくりした!

噂をすれば何とやら。ギンさんからまた逃げて来たらしいシン爺ちゃんの手には、首を掴まれて困った感じの青いタツノオトシゴがあった。


「ぎゃあっ!何やってんの!? 離して離して!」


「何でじゃ?珍しい魔物じゃろ? この皮なんぞ剥げば高く売れそうじゃろ」


「青龍だから! 友だちだから! 剥がさないで!?」


青龍?とシン爺ちゃんは自分の顔の位置まで持ち上げる。


《挨拶もせずに申し訳ない。青龍と申す》


「・・・四神の?」


《如何にも》


「ほ~お! その割りには隙だらけじゃったのぅ。ちっこいし生まれたばかりか?」


《いや・・・あぁ、まあそうだ、若輩者である》


「そうかそうか! 精進せぃよ」


《肝に銘じよう》


・・・何このやり取り。


わあ!?とミシルが駆けてきて、シン爺ちゃんが掴んだままの青龍をどうしたものかとわたわたしている。


「すすすみません! 青龍が何かしましたか?」


慌てるミシルに呵呵と笑いながら青龍を渡すシン爺ちゃん。受け取ってホッとするミシル。


「転移門を出た所に丁度()ってな。キラキラしとるから、お嬢に土産にしようと後ろから首を掴んだだけじゃ。四神かなるほど。道理でなかなか死なんはずじゃ」


またも呵呵と笑う。

ガタンッという音に振り向けば、椅子にグッタリとしているアイス先輩たち。


「青龍を素手で掴むとか、ドロードラングに集まる人間はどうなってるんだ・・・」


もはや涙目である。

いやいや特殊なのは一握りだから。後は普通人ばかりだから。


・・・・・・うん、たぶん。


「学園で留守番してるんじゃなかったの? 何かあった?」


ミシルがふよふよと浮く青龍に聞く。ビアンカ様の本を読み終えたんだろうか?


《うむ、白虎に呼ばれたのだ。良いものを見せてやると言われたのだが、その白虎を探す間にそこの御仁に捕まってな》


・・・あ~白虎か。あれ?今どこにいるんだろ?

しかし、あの白虎が言う良いものって何だろ?・・・恐いな~。


あ、舞台を終えた子供たちも戻って来た。あれ?ケモグッズを着けたままだ。


「あ!青龍!ここにいたのか!我らを見ろ!可愛いかろう!」


どーだ!とコトラが胸を張る。それにつられて皆も同じ格好をする。

はい!とても可愛いです!仔にゃんこがいっぱい!!可愛い!!


《白虎か!?何だその姿は!?》


「ふっふー。これが人との融合だ!」


《なんと・・・!》


偉そうに言ってるけど、手伝いがないと出来なかったからね?

そしてコトラがふわりと光ると、白虎が分離した。

ケモ耳その他が無くなったサリオンが、分離した柴犬サイズの白虎を撫でてから青龍に向き合った。


「初めまして青龍殿。サレスティア・ドロードラングの弟、サリオンです」


《は!?弟!?》


サリオンと私を交互に見る青龍。・・・何だ、何か文句ある?

そして、今度はサリオンと白虎を何度も見る。


そうして、しみじみと呟いた。


《サリオン殿は、器が大きいのだな・・・!》





どういう意味だ!?









お疲れさまでした。

コーヒーがやっと…!

コーヒーについて色々好みはあるかと思いますが、とりあえずこんな感じで。


感想でいただいたネタをいくつか入れてみました。ちょっと、変わってしまったりもしましたが、合宿はまだ続きます……(T△T)


ではまた、次回お会いできますように。


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『贅沢三昧したいのです!【後日談!】』にて、

書籍1巻発売記念SSやってます。
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