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楽園の兵士達  作者: 0
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03

第三部!…話が停滞してる気が…(笑)

個人的にリパブリックさんが好きです。

「ルワンダ虐殺は知っているな」


 ノースロップ大佐はブリーフィングでそう話した。


 ルワンダ虐殺(Rwandan Genocide)は、1994年にルワンダで発生したジェノサイドである。1994年4月6日に発生したルワンダ大統領のジュベナール・ハビャリマナとブルンジ大統領のンタリャミラの暗殺からルワンダ愛国戦線 (RPF) が同国を制圧するまでの約100日間に、フツ系の政府とそれに同調するフツ過激派によって、多数のツチとフツ穏健派が殺害された。正確な犠牲者数は明らかとなっていないが、およそ50万人から100万人の間、すなわちルワンダ全国民の10%から20%の間と推測されている。


ルワンダ紛争の末期に発生。ルワンダ紛争は、フツ系政権および同政権を支援するフランス語圏アフリカ、フランス本国と、主にツチ難民から構成されるルワンダ愛国戦線および同組織を支援するウガンダ政府との争いという歴史的経緯をもつ。ルワンダ紛争により、国内でツチ・フツ間の緊張が高まるとともにフツ・パワーと呼ばれるイデオロギーがひろがり、「国内外のツチはかつてのようにフツを奴隷とするつもりだ。我々はこれに対し手段を問わず抵抗しなければならない」という主張がフツ過激派側からなされた。1993年8月には、ハビャリマナ大統領により停戦命令が下され、ルワンダ愛国戦線との間にアルーシャ協定が成立したが、その後もルワンダ愛国戦線の侵攻による北部地域におけるフツの大量移住や、南部地域のツチに対する断続的な虐殺行為などを含む紛争が続いた。


1994年4月に生じたハビャリマナの暗殺は、フツ過激派によるツチとフツ穏健派への大量虐殺の引き金となった。この虐殺は、フツ過激派政党と関連のあるフツ系民兵組織、すなわちインテラハムウェとインプザムガンビが主体となったことが知られている。また、虐殺行為を主導したのは、ハビャリマナ大統領の近親者からなるアカズと呼ばれるフツ・パワーの中枢組織であった。このルワンダ政権主導の大量虐殺行為によりアルーシャ協定は破棄され、ツチ系のルワンダ愛国戦線とルワンダ軍による内戦と、ジェノサイドが同時進行した。最終的には、ルワンダ愛国戦線がルワンダ軍を撃破し、ルワンダ虐殺はルワンダ紛争とともに終結した。

 Wikipediaにはそう書いてあった。


「今回、ライアンが指導しているレジスタンス達はフツ過激派の数少ない生き残りと思われる」

「まだいるんですかい」

 サンダースが尋ねる。その問いにはユーリイが答えた。

「ああ。こういう連中はどの時代にもいるんだ。まあでも、ライアンに扇動されただけの連中だろう。フツの過激派ってのは名目上だけだろうな。実際、本当にフツの連中なのかは分からん。これぐらいは分からんと困るね」

「あんたには聞いてないんだが」

「何だと」

 机から身を乗り出したユーリイをリパブリックがなだめ、それを眺めるサンダースの口角は吊り上がっている。

「まあ、そうかっかしなさんな。ブリーフィングが進まんだろう」

 リパブリックに言われ、とりあえずいがみ合いは収束した。

 リパブリックは02部隊の中で一番の年長だ。白髪交じりの短髪で、歳は40を超えているのだが、まだまだ現役で腕は部隊で一番腕が立つ。もとは司令官だったらしいが、ある作戦中に測定値が大幅に上昇し、危険人物と判定された。それでも軍の仕事から離れられず、楽園の兵士になったらしい。

「ありがとう、リパブリック。

 良いか。今回ライアンを逃すわけにはいかん。絶対に始末しろ」


「着地まで1分、落下傘パラシュートオープン」

 少しの衝撃を感じ、落下傘が開いたことを確認した。

 今回の作戦ではライアンの率いるレジスタンスの根城から遠く離れた場所に着地する。その後は二人一組ツーマンセルになり、打ち合わせ通りのルートでレジスタンスの根城を叩く。ユーリイとリパブリックは回り道をして根城の反対側から、そしてぼくとサンダースは正面の市街地にレジスタンスに扮して接近する。

「着地まで、3、2、1、着地。成功を祈ります」

 オペレーターが通信を切るのと同時にポッドは自立、クリアリングを行う。ポッドが周囲の安全の確認ししたので、ハッチを開けて外に出た。あたりは深夜で視界はゼロと言ってもいい。

「暗いな。暗視機能をオンに。」

『声紋認証完了。トウマ・センザキ。暗視機能をオンにします』

 アナウンスがユーザー認証が完了したことを告げ、コンタクトレンズが暗視モードになる。

 視界が開けた。ここは草原地帯だ。そしてこの広大な草原を越えた先に市街地がある。そこがレジスタンスの根城だ。

「こちらイェーガー01。全員居るか」

「イェーガー02、良好」

 サンダースが答える。

「ハウンド01、オーケー」

「ハウンド02、良好だ」

 チームハウンドのリパブリックとユーリイも応じる。

「ブリーフィング通りに行くぞ。チームハウンドは丘を越えて奴らの根城を後ろから、そしてぼく達チームイェーガーは市街地から潜入する」

「明日のこの時間にライアンを始末する。チームイェーガー、ばれんようにな。イェーガー02、お前は特に」

「なんで俺…」

「お前さんがユーリイと一緒のチームだと任務に支障が出るから、渋々リスクの高い市街地ルートにお前さんを編成したんだ」

「じゃあハウンド02を市街地に編成しなかったんですか」

 サンダースの声にはあからさまに不服の色がこもっていた。

「ユーリイは駄目だ」

 リパブリックは言った。

「ユーリイは大きすぎる。ルワンダに2メートル近くの巨漢は中々いない」

 いたって真面目な声で言うリパブリックにサンダースは噴き出した。


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