神の間(中編)
空間の中は純和風な屋敷の中だった。
「なんでさ」
思わず突っ込みを入れるとミカエル様が苦笑する。
「和風なのは神があなたの家が神社だったのを考え、こうしたんだと思いますよ」
「洋風でも大丈夫なんですがね……」
でも気遣ってくれたのは嬉しいかな。
とりあえずは部屋決めか。
ついでに今日は屋敷の中を探検しよう。
広いから覚えにくいし。
「あ、蓮様の部屋はこちらみたいですね」
屋敷の見取り図だろう紙を見たミカエル様が歩き出す。
その後をついていきながら、屋敷を見回す。
どうやら天井などは高めのようだ。
一つの部屋の前に着き、立ち止まる。
「ここが蓮様の部屋です。中に入りましょうか」
「はーい」
襖を開けて中に入ると、一人で使うには十分広くて正方形の部屋。
カーテンは白に紅い蓮が刺繍されていて、テーブルは高さが低いガラスのローテーブル。
窓の隣にある机、出入口の近くには衣装棚、西側の襖に沿うようにある二つの本棚というものは白。
本棚についてるカーテンはピンク。
ベッドは低めで、布団カバーは白に紅い蓮と水色の波模様。
全体的に白か薄い色、たまに差し色の紅で統一されている。
明るい印象だ。
「可愛らしい部屋ですね」
「いつ、ここまで手を加えたか気になりますがね」
ウチのプロフィール書いてたのに。
でも神だしね。
これくらいは簡単か。
「明日から修行を始めましょうか。今日は屋敷内を見回りましょう」
「分かりました」
部屋を出て再び歩き始めたミカエル様についていきながら、ウチは返事した。