家族
※神龍→宝石龍へと変更。
それに伴う説明の変更(11/21)
※「フェルミナ王国」→「ガネット王国」へ変更。
はい、どうも~。
ウチはこの小説の主人公、紅蓮です
ただいま、ガランサスに人形のように抱っこされてます。
ちょっとメタい発言だけど、少しくらいはいいよね?
あ、視点は基本的にウチ視点か第三者視点なんだってさ。
「ガランサス。お父さん、怒ってる?」
「怒ってはいません」
怒ってはいない……あ、お仕置きはされる…。
やだなぁ…。
「お父さんって過保護だよね。お兄ちゃんもだけど」
「当たり前です。あなたの養父は宝石龍ですよ」
宝石龍とは、神に近い龍でドラゴンとは違う種族のことだ。
見た目は東洋の龍だが、人型にもなれる。
その場合は体のどこかに小さな宝石がある。
彼らは種族としては非常に優秀だが、繁殖力が弱い。
なので生存している宝石龍は七人。
全員がさらに子供が出来にくい純血。
子供が出来ると大切に大切に育てる。
だから過保護なのは分かるけどさ……。
ウチ、血の繋がりは無いんだよ?
いや、家族全員、血の繋がりは無いけど。
「蓮」
柔らかな声が聞こえた。
そちらを向くと女性。
「ただいま、お母さん」
「おかえり。ありがとう、ガランサス」
「いえ」
ちなみにこの女性、名はフローラさんでウチの養母。
薄い金色の髪は癖があって腰まで伸ばし、肩の辺りで髪留めを使って纏めている。
瞳は鮮やかな緑。
肌は雪のように白い。
美しい顔立ち。
身長は170くらいでモデルのようにスタイルが良く、胸はFくらいの巨乳。
着ているのはノースリーブの白いシャツ、太もも半ばからのスリットが左側に入っている緑のタイトスカートみたいなスカート、シャツの上からは淡い緑の肘までの袖でボタンが無くて前を閉じないほどには横的意味で短いジャケット。
右手首には銀の細い腕輪。
彼女はエルフで、人間年齢に換算すると二十歳。
ちなみにウチは家族を口では「お父さん、お母さん、お兄ちゃん」と呼んでるが、心の中では名前呼びである。
理由は何かあった時のために。
「お父さんのところに行ってくるね」
「分かったわ」
「失礼します」
柔らかく微笑むフローラさんは晩ごはんの準備のためか、厨房がある方へと向かっていく。
ここはウチの養父の屋敷で、メイドや執事は一応いる。
しかしフローラさんは料理を作るのが好きなため、料理人は雇っていない。
家族で食事をするための部屋に入ると、既に養父と義兄がいた。
ので、即座に土下座。
「すみませんでしたぁぁぁああああ!!」
「何がだ?」
「父上、笑顔が怖いです」
ニコニコ笑う養父と呆れたような義兄。
ウチが勝手に人間の町に行ったからですね、ごめんなさい!!
てか、マジで怖い。
「蓮様の自業自得かと」
ガランサス……いくら許可されてるからって、ここで剣の手入れするなよ…。
「父上、今はそんなことよりも……」
「ああ、そうだった。蓮」
名前を呼ばれたので土下座から正座に姿勢を変える。
え、周りの状況が分かった理由?
魔法を使ったからだよ。
「一週間前、ガネット王国に勇者が召喚された」
その言葉を聞き、眉を顰めた。
ウチが何で勇者召喚を聞いて眉を顰めたか。
それを君達に話そう。