再会と告白
遅くなってすみません
今日は依頼を受けなくていいと言われた。
何故なのか聞いたら、学園への編入などの手続きがあるとか。
納得して頷くが、せめてAランク依頼の報酬は受け取りたい。
まぁ、後でもらおう。
「あ、思い出した」
いきなりそう言ったクロムさん。
何だと思って彼を見る。
「レンちゃん、アオイ・ホシミヤって男の子知ってる?」
「アオイ……って、蓮の言ってた友達じゃ?」
何で星宮を知ってるんだろう?
そう思って聞こうとしたら、誰かが現れた。
黒いローブを着ていて、背には柘榴の花の刺繍が灰色の糸でされている。
「ぜ…リト、何をして……紅さん?」
「星宮か。久しぶり」
声で分かったので微笑む。
にしても星宮、ウチって今は小さくなってるのによく分かったよね?
かなり不思議だよ。
星宮は茫然自失としているのか突っ立ってる。
ユーリは不思議そうに見てたが、いきなり真顔になって一言。
「蓮は嫁にやらん」
「いきなり何!?」
何故か娘を持つ父親のような発言をするユーリに、復活しながら星宮が突っ込む。
あー……と言いたそうなクロムさんと全帝。
そういえば、クロムさんが名前で呼んでたな。
「とりあえず…はじめまして、全帝。ウチはレン・クリムゾン、あっちは兄のユーリ・クリムゾン。よろしくね」
「私はリト・シュヴァルツ……龍の牙のギルドマスター、クロム・シュヴァルツの息子よ。よろしく」
握手しました。
まだユーリと星宮は漫才してる。
クロムさんがギルドカードの更新をするため、いなくなった。
暇なので全帝…リトと話をする。
「星宮は何でローブなの?」
「私の補佐なの。てか、あなたがアオイの言ってた子だったのね」
呆れた表情で星宮を見るリト。
星宮は何を言ったのだろう。
にしても全帝の補佐とか……王道だな。
色々とリトから話を聞く。
どうやら御堂は総帝になっていたらしい。
今日は帝との顔合わせだったらしく風帝と炎帝、光帝が負けたらしい。
でも、星宮が水面をフルボッコにしてたようだ。
見たかった、その光景。
「紅さん」
ふと呼ばれる。
そっちを見るとフードを外し、ローブを脱いだ星宮がいた。
ユーリとは漫才が終わったらしく、彼はソファに座ってお茶を飲んでいた。
あ、リトも加わった。
「召喚された時に俺、校舎裏に呼び出してたじゃん?」
「そういえばそうだね。何か用事あったんでしょ?何だったの?」
真剣な表情だった星宮の顔が少し赤くなる。
…………ん?
「俺、紅さんのことが好きです。恋人になってくれませんか?」
「ごめん、星宮は友人として好きだけど恋愛対象とまではいかない。チャンスはまだあるから、再び友人として付き合おう?んで、まだ好きだったら、また告白してくれるかウチから告白するよ、恋愛で好きになったら」
断ると落ち込んだが、その後の言葉に嬉しそうに頷く星宮。
気持ちは嬉しいからね。
ウチも星宮を恋愛感情で好きになったら、その時は恋人になりたいと思うくらいには。
そういう感情を持った時に星宮が違う人を好きになってたら、諦めるけど。
「とりあえず、ウチのことは名前で呼んでね?シェルリナではクリムゾンって名字だし」
「なら、俺も名前で呼んでくれよ?再び友人としてよろしく」
握手し、微笑みあった。
即座にユーリに離されたけど。