09話 メタモルフォーゼ!
おや?マニの様子が?
当初思っていたよりも読者様が多く驚いているのと同時に感謝しています!
駄文ですがこれからもよろしくお願いいたします!
「俺はロリコンだー!!」
俺の魂の叫びが森にこだまする…。
「何叫んでいるんですか!?ご主人様!私が恥ずかしいから止めて下さい!」
はっ!?俺は何を口走っているのだ!?
訂正しなければ!!←
「俺はロリコンではなーい!!」
再び俺の魂の叫びが森にこだまする…。
「どっちなんですか!?じゃなくて…。止めてくださーい!」
マニの魂の叫びも森にこだました…。
…
……
………
…ふぅ、ようやく落ち着いた。なぜあんな奇行に走ったのかわからない…。
何故か言わなければならない様な気がした。
「ちなみに言っておくが、俺はロリコンじゃないからな!」
「そんな事どうでもいいです!それよりどうですか?この姿?ご主人様の記憶を元に再現してみました!」
「まぁ、確かに可愛いがお前の言ってた「ナイスバディ」とは違うんじゃないか?」
マニの今の体型はどこからどうみてもスマートですらっとしている。悪く言えばまな板である。
「はっ!?無い!?なんで!?ちゃんとイメージしたはずなのに…」
あれ?これって俺が叫ぶ必要あったのだろうか?約束と違う気がする…。
「でも前より流暢に話せるようになったからいいんじゃないか?」
「確かにそうですけどただ、魔力を少ないですが消費していくので気を付けないといけません」
なるほどな…。いい事には対価があると…。
「ふと思ったんだが初めからやればよかったんじゃね?」
「最初ですか?やりましたけど上手くイメージ出来なくて…。ご主人様から名前を貰ってから急に頭が冴えるようになったので出来たのです!」
ドヤァ!とこっちを見てる…まぁ確かにすごいけどね。
そう言えば名前確認した時に知性が増えてたな…。て事は知性って頭の回転とかの事なのか?
まぁいい。
「はいはい、凄い凄い。じゃあ帰るぞー」
「なんかあっさりしてません!?こんな可愛い子がいるんですよ!?」
自分で言うなよ…。確かに可愛いが、なんか違う感じがする…。
「蔑ろにすると後で絶対に後悔しますからね!?」
「はいはい。早くしないと置いてくぞー」
「ちょ、ちょっと待って下さいよぉ!」
忙しい奴だ。だが退屈にならないので今回の事はかなりの収穫である事は間違いない。
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「ブルキャタピラーの素材全てと討伐の証の触角を合わせて銀貨30枚、討伐報酬で銀貨9枚、合計銀貨39枚の報酬となります。」
現在冒険者ギルドの買取カウンターへ来ていた。
ちなみに、ブルキャタピラーとはキャタピラーの変異種であり、キャタピラーより数倍強く、数十倍気持ち悪いので狩る人が少ないがその分良質な素材が取れるので買取額が高いそうだ。
ちょっと得した気分だ。
「やりましたね!ご主人様!これでしばらく生活には困りませんね!」
マニも心底嬉しそうだ。
そう言えばマニって何食べるんだ?後で聞いておこう。
「ではこちら銀貨39枚とステータスプレートをお返しします。それと、今回の活躍でランクがC-に上がりましたのでよろしくお願いいたします。」
「うん。ありがとう。また頼むよ!」
「はい、ありがとうございます。あの…1つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ん?何?」
「小吉様のクラスは魔物使いですよね?で、そちらの頭に乗せたのは精霊ですよね?」
「あぁ…マニはスライムなんだ。スキルで姿が変わってるだけだ」
「そうなんですか!?魔物は言葉を発さないので驚きました…。もし興味があるのならテイマーズギルドを覗いて見てはいかがです?他の魔物使いや精霊使いが居ますし、何より先輩冒険者の意見が聞けるので冒険者になって日の浅い人にはオススメです」
「そうか、助言ありがとう。今度寄ってみるよ」
「分かりました。では、今後の御活躍を期待しております」
俺達は冒険者ギルドを出て歩き出した。
「で、今からどこに向かうんですか?」
「そうだなぁ…。お金も入った事だし武器と防具を新調するのもアリかなって思う。何時までもお古ってのも情けないからね」
それと、自分専用ってなんかロマンを感じるからね。
という訳で俺達は一先ず防具を買いに向かった。
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「おぉ!凄い格好いいじゃん!」
今、俺の目の前には全体的に鈍い緑色の鎧一式が飾ってある。
「そうですか?私には言っちゃ悪いですけど悪趣味に見えますよ?」
「このかっちょ良さが分からんとは…貴様、本当に俺の記憶を元に作られた生物か!?」
「私はご主人様みたいに悪趣味ではありません!…あっ!これ可愛い!」
そう言って駆け寄ったのは、防具というよりは防寒具のようなモコモコのウサ耳帽子だった。
「いや、お前それ被れないだろ…」
なにせ、身長30cmの奴が身長120cm以上の人が被る帽子なんて被れる訳が無い。
「ぐぬぬぬ…身長が欲しい…」
「諦めろ…」
なんてやっていると店の奥から中年の愛想のいいおっちゃんが出てきた。
「こんにちは、本日はどのような品をお求めで?」
「予算が銀貨10枚くらいで防具を新調しようと思ってね。」
「そうですか。では、軽装備と重装備のどちらをご用意致しましょうか?」
「素早く動けるようにしたいから軽装備で頼めるか?」
「かしこまりました。ではこちらなんかどうでしょう?皮を主に使い、急所や狙われやすい箇所には鋼の板を入れて補強してあります。基本的には動きを阻害しない事を重点的に考えて作られております。これが一式で銀貨12枚、調整で銀貨3枚となります。予算を少々上回ってしまいますがどうでしょう?」
うーん…悩み所だな…今回は希少なモンスターにあったからこれだけ入ったのだ。次にまた居るとは限らない。だが此処で買っておけば長く使えるのでお得と言えばお得だ。
「予算を少々上回ってしまったのと、初回のお客様ですので銀貨2枚をサービスとして引かせてもらいましょう!」
お?安くなったな!もうこれは買うしかないだろう!
「じゃあ買うよ。あと、大きめのポケットをいくつか作ってくれるとありがたいんだが出来るか?」
「かしこまりました!ではポケットの方もサービスとしてつけておきます。今後とも御贔屓にお願いいたします」
その後、採寸をしてから明日の昼頃に出来上がるので取りに来てくれと言われた。
店を出てふと気がつく。
あれ?俺…見事に乗せられてね?
最初に高く出てから少し低くすると、もとより高くい状態でも人は安く感じてしまうものだ。見事に小吉はそれに引っかかっていた。
……そろそろ宿に戻るか。
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宿に戻った俺達は食事の為に食堂へ来ていた。
ちょうど時間帯も良いのと、食堂を宿に泊まらない人達にも提供しているのでいい感じに人がごった返してる。
「ご主人様!早くなんか頼もうよ!お腹すいた!」
「ちょっと待てよ、まだ決めてない。てかマニって人の食べる物を食えるのか?」
「基本何でも食べれますよ!本当はご主人様の自由魔力を分けてもらうだけで十分ですけど、いっぱい食べて大きくなってナイスバディを目指します!」
「そうかそうか、まぁ頑張れ。……すみません!オーダーお願いします!」
「物凄く棒読みですね…。絶対にご主人様を見返してやりますからね!」
「あぁ、はいはい。…この豚鮫のムニエルとスパイスオニオンのスープとパンを2つお願いします。あっ、後ブドウジュースもお願い」
「ぷぷぷ。ブドウジュースとはご主人様はお子様ですねぇ(笑)大人な私はこのグランブドウのワインを頼みますよ!」
ぶちっ!
「……すいません、やっぱりブドウジュースやめて同じワイン貰います!」
「えっ?精霊ってお酒飲むんですか?」
さっきまで温かい目でマニを見ていたウェイトレスさんが戸惑いの声を上げる。
「多分大丈夫。こいつ精霊じゃないから。」
「は、はぁ…。分かりました。ではすぐお持ちしますね。」
…
……
………
そして今、机の横には半分まで中身の入った樽があり、2人ともベロンベロンになっていた。
途中から「精霊が酒の飲み比べしてるらしい」と騒ぎになり、しまいには全員で飲み比べをするというお祭り状態になっていて、
「ヒック!ごひゅじんさまにはまけませんよぉ…ヒック!」
「おれだって…おまえみたいなあかちゃんにはまけねえよ…ヒック!」
「全くマニちゃんは可愛い顔してどこにそんな量の酒が入るんだよ!」
「あの兄ちゃんも相当なウワバミだな…。見てるこっちが吐きそうになるよ…。」
「マニちゃん!こっちみて!」
「マニちゃん可愛い過ぎるだろ!好きです!付き合って下さい!」
「馬鹿!抜けがけするなよ!ここはな、暖かく見守るのが紳士ってもんよ!」
「黙れ!ロリコンども!」
「そういやぁ、ロリコンと言えば今日森で「俺はロリコンだー!!」って聞こえたぞ。」
周りの連中も2人の飲み比べに魅入っており、中には飲みすぎて吐いてるやつもいる。
そして店主の目が金になっている。
「ほぅらわたしのみりょくをみんなはわかってくれてるのよぉ。しょうぶはわたしのかちですね…ヒック!」
「こら、かってにしょうぶをかえるんじゃない…ヒック!おれのほうがまだりーどしてるぞぉ」
「ぐぬぬ…ちょっとそこのあなた!ワインのおかわりちょうだい!」
そんな調子でみんながぶっ倒れるまでのみくらべは続いた。
翌朝、久しぶりのベットのおかげで時刻は大体11時くらいになっていた。
「頭痛いし気持ち悪い…。おーい、マニ起きろ、昼だぞ。」
俺は、何処が頭か分からないマニをぺちぺち叩いて起こそうとするが…
(眠い…気持ち悪い…後1時間……)
そういうところは俺似なのか……まいっか。
起こすのを諦めた俺は、置いてく訳にもいかないのでマニを頭に乗せて昨日の防具を取りに向かった。
道中の屋台で1つ銅貨1枚の肉まんによく似た食べ物と薬屋で胃腸薬を買って食べながらこんな事を思っていた。
これ食べてるとまんじゅう(仮)を思い出すな…。
もはや禁句と化したワードを思いつつ、自分の頭の上に肉まんが乗っかってるのを想像していた。
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「おはようございます小吉様。防具の方も仕上がっておりますよ!随分と顔色が優れないですが大丈夫ですか?」
「昨日は羽目外してしまってな…。まだちょっと気持ち悪い…。」
「では念のためこの袋をどうぞ…」
「あぁ、ありがとう」
本当に気の利く店員だ。
その後別の部屋で試着して違和感が無いかを確かめた。
「おぉ。ものすごい動きやすい。いい仕事するじゃないか」
「お褒めに預かり光栄です。早速この店の職人達に伝えておきますね!」
ちゃんと要望通りに大きめのポケットがついてるし、何より雑になっていないとこに好感がもてる。
後は精算して次の目的地に向かった。
お酒は二十歳から!
小吉 17歳(19歳)
マニ 生後半日←!?
未成年の飲酒は身体の成長を阻害する恐れがあります!やめましょう!
物語の中ではお酒は14歳~16歳からになってます。
次の2話か3話くらいで、もしかしたら仲間が増えるかも?