04話 アホ神様とテンプレ世界 03
キャラの個性が弱い気がします…。もっと固まってからの改稿になると思います。
さて、再び戻ってきた訳ですが…
ヒグッ!グスッ!ズビッ!
また泣いていた……
涙脆過ぎだろ!本人は悲しいけど泣くには至ってないんだぞ!俺か!?俺がおかしいのか!?
「例の如く何泣いてんだよ?」
「例の如くって…ヒグッ!泣き虫みたいに言わないでください!」
いや、十分泣き虫だろ…こいつ絶対映画とかみて大泣きするタイプだろ…
とりあえずややこしくなるのが面倒なので泣き止むのを待つことにした。
とりあえずハンカチ渡しとくか…
「はい、ハンカチ」
「ありがどうございます。小吉さん……ゴシゴシ…」
あ…嫌な予感がする…
ズビビビー!!
やられた…
「こういったことする人の頭ってどうなってるんだろうか…」
「はい、小吉さん!ありがとうございます!おかげで元気になりました!」
「いや、いらんわ!そんなばっちぃ物!返してくんな!」
「いやぁー、もしかしたらマニアの間で高く取引ーー」
「されるかぁー!!」
等と、しばらく揉めていたが2人とも疲れてきたのでこの辺で切り上げる事にした。
疲れてきてるせいか、小吉は「もしかしてこいつと気が合う?」なんて考えがよぎった事に後悔を感じた。
「では、本題に入ろうではないか!」
もう目の前にある異世界冒険にテンションがあがりつつある小吉。
「そうですね!実はさっき、小吉さんがワンちゃんを撫でまくってる時に例のコネを使ってみました!首尾は上々ですよ!」
もともとあんまり期待してなかった事もあり、飴と鞭効果で少し評価が上方修正された。
「ほう、そうかそうか!よし!ならば早速行こう!すぐ行こう!」
「その前にですね、小吉さんの要望をもとに条件を絞りましょう!」
どこから取り出したのかtheお局的な雰囲気のメガネを掛けて、紙を挟んだボードをいつの間にか持っていた。
「えっと…まずですねぇ。剣と魔法と魔物の世界って事でしたので典型的なファンタジーな世界をピックアップしてもらいました!で、その中から条件で絞っていきますね!何か要望はあります?」
「そうだなぁ…。救世主とかっていうのは勘弁願いたいな…。後はレベルとかスキルとかある世界で頼む…。あ!あと大事な事なんだが、体の年齢とかって指定できるのか?」
「出来ますよ!何歳スタートがいいですか?」
「じゃあ17歳で頼む!」
「今の年齢とそう変わらないじゃないですか?もっと若くいかないんですか?」
「なんか1番最盛期って感じがするからね!若さって素敵!」
「はぁ…。まぁいいですけど。では!今の条件で絞った結果まだまだ10個くらいの候補があります!」
「じゃあその中からオススメをお願いするよ」
「はい!分かりました!では早速別世界の神様の所へ向かいましょう!」
そういうと彼女はペンダントを取り出して握りしめた。
なんかクラっとするけど大丈夫か?
ふと彼女の前科を思い出した小吉は不安に駆られた…。
と同時に意識が飛んだ…。
「とうちゃーく!」
先程の空間とは違い、とてもいい雰囲気の庭に出た。
庭には石畳と噴水に色とりどりの花、それを引き立てる程度に緑の芝生が生えていた。
「あれ?小吉さん?おーい?ありゃ…気絶しちゃいました…。やっぱり界渡りは専門の業者さんに任せるのがいいのですかね?」
そう思案しつつ小吉の頬をペチペチと叩くアホ神様。
そこに声をかける男性がいた。
「おや?………様じゃないですか!来るなら事前に連絡してくれれば迎えに行きましたのに!」
そう声をかけた男性は蒼色の髪に月桂樹の冠をしていて上下合わせて一枚の布で出来たような服を来ている美丈夫だった。
「迎えにくるも何もただペンダント握って祈るだけだよ!たかが数秒なら自分でやる方が早いって!」
「そんな事が出来るのはあなた様くらいです!……ところでそちらの御方が例の方ですよね?」
「そうだよ!大森 小吉って言うんだよ!すぐに起こすからちょっと待っててね!」
そういうとまたペチペチし始めた。
しかしなかなか起きない小吉にイライラし始めたアホ神様は雨雲を顔の上に作り出すと局所的に物凄い雨を降らせた。
蒼髪の男からみると、それはさながら滝の様に見えたという…。
グホッ!ゲホッ!溺れる!
いきなり訳の分からない状態についていけずにパニックになる小吉。
「やめっ!溺れる!……ん?あれ?何ともない…」
「ようやく起きましたか!全く小吉さんはお寝坊さんですねぇ!」
「一体何が?てか、ここはどこ!?天国!?また死んだの!?」
「ここは天国ではなく世界No.……………通称バルトランドの神の空間ですよ。私の事はバルトとでも呼んで下さい、小吉さん。」
「は、はぁ…。どうも…。ん?バルトって名前覚えれたけど個人情報って記憶出来なかったはずじゃ?」
「バルトっていうのは偽名ですよ。便宜上都合がいいのです。もちろん本名は別にあります。」
そう言ってにっこり笑うバルト。
よかった…ようやくまともそうな神様に出会えた…。
アホ神様は蝶々を追っかけてどっか行ってしまった…。精神年齢低!?
「にしてもバルトさんの空間?ってなんか綺麗な場所ですね。なんだか落ち着きます」
「そう言ってくれるとこちらとしても嬉しい限りです。ここは私の自慢の庭ですから…。」
あっ。鳥がバルトさんの頭に止まった。
ただし小鳥じゃなくて鷲みたいなのだけど…。
何あれ…痛そう。
「だあぁぁ!またお前かぁ!?頭に止まるなって何回言ったら分かるんだ!?止まり木作ってやったんだからそっちに止まれよ!○○鳥がぁ!!」
そう言ってブチ切れて腕を振りまくるバルト。
風を切る音と共に物凄い衝撃波らしきものが見える…。てか、あの鷲凄い…全部よけてやがる…。あっ。噴水と柱が壊れた…。
とりあえずバルトさんは絶対に怒らせないと心から誓った。
ひとしきり暴れて見るも無惨な元庭の白い机と椅子に座りアホ神様と申し訳なさそうなバルトさんとこれからのことについて話し合っていた。
「これがこの世界の大体の説明になります。」
要約するとこうだ。
この世界には人間種、亜人種、魔人種、その他動物や魔物が存在しており、割合で考えると人間7亜人1魔人2らしい。
大陸も人間領、亜人領、魔人領があり、今は安定している時代だという。
時代により勇者と魔王が登場するらしいが分け方は害をなすか否かなので時代によっては人間が魔王で勇者が魔人とかっていう時代もあったらしい。
そして気になっていた点だが、やはり亜人種は表面上は安定した協力関係にあるが、過去の歴史から差別される事が多々あるらしい。
それと、人間領では中央教会なるものが存在し、権力を振るっているという。何故か崇められているのはバルトさんではなく別の神様らしい…。
その他各種ギルド…民間の非営利組織といった感じの組織が各地に存在し世の中の調整を行なっているそうだ。発言力も教会と同じくらいあるらしくなかなか馬鹿にできない。
レベルという概念は無く、総魔力、素質、技術、身体能力などで強さは決まるそうだ。総魔力は魔力を多く持った者を倒して奪うようだ。
スキルなどは個人の性格や素質、経験から魔力を使い効率化、具現化する事を指すらしい。
こんなところだろうか?
途中からワクワクが止まらなくなっている小吉だった。
なんか学校とかの説明会を思い出す様な面談だった。
もうここでいい!ここがいい!そんな気分になる説明だった。
会社の人事はこういう人材を欲しがるだろうなと感じた。
「いかがでしたか?小吉さん?」
「とてもよさそうな世界ですね。結構ワクワクしてます!」
「いいなぁ!小吉さんは!私も魔法バンバン撃ちまくって無双シリーズの如くやりたいです!」
「いや、それもう趣旨が違うから!こっちは生活がかかってるから!絶対にやめろよ!」
「あのぉ…。それではこちらの世界でよろしいでしょうか?もしよろしければ小吉さんの調整に入りたいんですが?」
「調整?」
「はい、小吉さんはイレギュラーとして入りますし、17歳からスタートになりますのでスキル等の最低限の生活は出来るように知識や魔力に適応するために体の構成を変える作業があります。言わば特注品の体ですね!」
「特注品…」
男にとってかなりのロマンを伴う言葉に小吉のテンションとやる気が鰻登りである。
こうして小吉は考えを伝え、出来る限りで意見を反映してもらった。
こんな駄作を読んでくださりありがとうございます!
もっと早く更新できるようにブラインドタッチとか練習しようかと思います!
次はようやく本編突入です!長かった…。←他の作者様の言葉の重みを知りました。(笑)
※誤字の改善
(2014/8/28)